Little Jack Horner
Little Jack Horner
Sat in the corner,
Eating a Christmas pie;
He put in his thumb,
And pulled out a plum,
And said, What a good boy am I!
ジャック・ホーナーくん
すみっこにすわり
クリスマス・パイをたべていた
おやゆびをパイにつっこんで
ほしぶどうをつまみだして言う
「ぼくはなんていい子ちゃん!」
【語句】
plum 昔は、「干しブドウ」。最近の絵本では、親指がつっこめるほどの大きいプラム(西洋スモモ)が描かれていることが多い。
【解説】
イギリス国王ヘンリー8世の時代に実在していたトマス・ホーナーという僧がモデルだろうと言われている。
修道院の財産没収の方針を和らげてもらうため、修道院長は、王に献上するパイの中に土地の権利書を12枚賄賂としてしのばせた。
ところが、運搬係となったトマス・ホーナーが、途中でパイの中から1枚権利書を抜き取ったという。
この経緯は、ディズニーの短編アニメ映画『マザーグースのうた』'The Truth About Mother Goose'(1957.US)に詳しく描かれている。
また、BBCのホームページにも、この経緯が詳しく書かれていた。
Little Tommy Tucker
Little Tommy Tucker,
Sings for his supper:
What shall we give him?
White bread and butter.
How shall he cut it
Without a knife?
How will he be married
Without a wife?
トミー・タッカーくん
ばんごはんにありつこうと 歌うたう
なにをあげようか
バターつきの白いパンにしようか
どうやって パンを切らせようか
ナイフもなしに
どうやって結婚するんだろうか
奥さんもなしに
【解説】
オックスフォード大学のセント・ジョーンズ・カレッジで1607年に「お祭りプリンス」に任命されたのが、トーマス・タッカーなる人物であったといわれている。
トミー・タッカーが「他人を押しのけて何もかも独り占めにする人物」を意味することもある。
【覚えておこう】
sing for one's supper
昔、イギリスの流しの歌い手たちは、夕食にありつくために居酒屋で唄を歌った。「夕食のお返しに唄を歌う」の意から転じて、現在では「応分のお返しをする」という意味で使われる。
Lizzie Borden
Lizzie Borden took an axe,
Hit her father forty whacks.
When she saw what she had done,
She hit her mother forty-one.
リジーボーデン 斧を手にして
父さんを40回 めったうち
われにかえって 今度は
母さんを41回 めったうち
【解説】
1893年6月にアメリカのマサチューセッツ州で両親を殺害した容疑がかけられた32歳のリジー・ボーデンの話です。決定的な証拠がなく彼女は無罪となったのですが、このマザーグースの有罪判決の唄が流布しているところがおもしろいですね。
マサチューセッツ州のフォール・リバー村には、リジー・ボーデンのB&Bと博物館までありますので、この手のものがお好きな人は訪れてみてください・・・Tシャツとか、いろんなグッズも販売されているようです。