パロディの12日

 今回の唄は、パロディも多い。

 たとえば、マリアン・バブソンの『クリスマスの12死』The Twelve Deaths of Christmas (1979) は、12日間に1人ずつ殺される、というミステリー。タイトルも唄のもじりだが、作中でも day を death にした替え唄が不気味に歌われていた。

 絵本では、『オーストラリアのクリスマスの12日』というものまである。出てくる贈り物は、もちろん、カンガルーやウォンバット、エミュといったオーストラリア固有の動物たちである。

 また、ディズニーランドの「ホーンテッドマンション」の冬季限定アトラクション「ホリディ・ナイトメア」にも、パロディが出てきていた。

 この唄がどれだけ人気があるかは、インターネットで検索してみれば、すぐわかる。数あるマザーグースの中でも、ネット上のパロディの多さでは一番。

 「クリントンの12日」「プレスリーの12日」「マイクロソフトの12日」をはじめ、SF版、PC版など、20種類以上もの替え唄を即座に見つけることができる。

 12日間の贈り物を入れていくだけで簡単に替え唄ができるところが、人気の秘密なのだろう。