ご当地マザーグース
マザーグースは、イギリスやアメリカだけのものではありません。オーストラリアでも、もちろん歌われています。そして、その替え唄も数多く作られています。
まず、『コアラおじさんの童謡集』(Father Koala's Nursery Rhymes Kel Richards作 Ashton Scholastic Pty Ltd. 1992年)より、Sing a song of sixpenceの替え唄を1編ご紹介します。
この唄には、オーストラリアだけにすむ鳥ワライカワセミが歌い込まれています。
Sing a song of ten cents, I never tell a lie, Four and twenty kookaburras Baked in a pie. When the pie was opened The birds began to laugh- The gravy, meat and pastry: They'd eaten nearly half. |
うたおう 10セントのうた
ぜったい うそじゃないよ
ワライカワセミ 24羽
やかれたパイの中
パイを あけたら
カワセミ わらいだす
お肉にお汁にパイの皮
はんぶんちかく たべちゃった
次の替え唄は、『オーストラリアのマザーグース』(The Australian Mother GooseColin Thiele作 Weldon Kids Pty Ltd. 1992年)からとったものです。
Sing a song of bellbirds, a forest full of sound, Little notes of silver tinkling to the ground, When the new day opens the bells begin to ring, Isn't that a lovely way to wake each living thing? |
うたおう 鈴鳥のうた 森いっぱいに ひびかせよう
澄んだ音 ひびくよ 地面まで
あたらしい一日がはじまると すずの音が鳴りはじめる
いきものたちを起こす なんてすてきな起こしかた
また、ハワイでも、マザーグースの替え唄が作られています。
『ハワイのマザーグース』(Hawaiian Mother GooseEmma Lyons Doyle作 Tongg Publishing Company, Ltd. 1945年)では、Sing a song of sixpence の唄は、どう替えられているのでしょうか。
Sing a song of hapaumi, Enough to buy a peach Twenty-five brown babies Playing on a beach. When a wave came splashing in, they ran up out of reach; It follwed them and rolled them 'round, and they began to screech! |
うたおう 5セント(ハパウミ)のうた
ももが一個 買えるよ
日焼けした赤ちゃん 25人
浜で あそんでいる
波が ざぶんと きたら
赤ちゃんたち いそいで にげだす
波が おいかけてきて
赤ちゃんたち ころころ ころがって
キャッキャと さけぶ
このように、各地の風物を歌い込んだ替え唄が作られています。さまざまな替え唄が作られるほど、マザーグースは英語圏の人々の生活や文化に深く根付いているのです。