残酷なまでに美しい

 マザーグースの中には、残酷なものがたくさんある。殺人をテーマにしたものが約20編、「人肉食い」を歌った唄まであるのだから、驚きだ。

 不気味で不可解な唄も多いので、ミステリーなどにも好んで用いられている。

 『ポーの一族』をきっかけにして、マザーグースに興味を持つようになった人も多いだろう。マザーグースは、小説、児童文学、新聞、映画など、いたるところで引用されている。 

 おすすめの一冊は、やはり、萩尾をマザーグースの世界に引き込んだ『マザー・グースの唄』だろう。映画好きの人なら、拙著『映画の中のマザーグース』(スクリーンプレイ出版)なども、手助けの一つとなるかもしれない。

 萩尾は書いている。「マザーグースはイギリスの歌。こわくておもしろくて、夢のつまったふしぎな色あいの、古い古いその寒い国の歌です」と。

 マザーグースは『ポーの一族』に似ている。残酷でありながらも、哀しいほどに美しい

 何百年もひそやかに生きてきた一族には、絶えることなく歌い継がれてきたマザーグースこそふさわしい、そんな気がする。

参考文献:萩尾望都「クック・ロビンは一体何をしでかしたんだ」(草思社『マザー・グースのうた』第4集付録)

そして・・・萩尾望都の作品をもっと詳しく知りたい人は・・・

萩尾望都作品目録

 ここの Special Menu(特別企画)の中に、「ポーの一族」の詳しい年表があります。「ポーの一族」は話の順番がややこしいから(^^;)、こういった年表、助かります!

「ポーの一族」の中のマザーグース

 「ポーの一族」に出てくるマザーグースの歌詞、訳が読めます。メロディも聞けます。

最後に・・・クック・ロビンの原詩をお楽しみください。(マザーグース辞書Wへ