バナー2006年2月5日号
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市活性化のカギは農業の振興!

生産から撤退せずにがんばろう

小矢部市で米・野菜生産者会議開催


 「生産から撤退せずにがんばろう」を合い言葉に、米・野菜生産者会議が1月28,29日、小矢部市サイクリングターミナルで開かれました。主催は農事組合法人富山県農民連産直組合と農民運動富山県連合会です。


まだまだ増やせる農民連扱いの米


 富山県農民連産直組合では、消費者に産地や生産者の「顔の見える米」を届けています。全国各都道府県の農民連と協力して、数年前から東京や大阪などの卸や米屋さんへ出荷してきましたが、05年産米は前年比約2倍の出荷で、米が集まれば、まだまだ売れるそうです。価格(仮渡し金)もコシヒカリ1等14600円(1俵)で農協と同額です。

足りない国産米、
   余っているのは輸入米


 国産米の在庫は減る一方で、まともに食べられる政府備蓄米は39万トンしかなく、一日の消費量2.4万トンから見ると16日分しか在庫がない状態です。98年には344万トンの在庫があったことから見ると、大変心細い状態になっています。一方輸入米在庫は170万トンで、政府は年間保管料に170億円もかけています。

世界は米不足に

 異常気象と人口増で、21世紀は世界的に米不足が進んでいます。国内で生産できる農産物をつくり、食糧自給率を向上させましょう。

12月議会の議論から

食の安全に真剣なのはどの党か


 BSE汚染牛のために娘を亡くしたイギリス人夫妻の映像が、1月31日テレビに流されました。
 米国産牛肉の輸入がふたたび全面停止となったのは当然です。アメリカのずさんな検査体制は言うに及ばず、アメリカの圧力に弱い日本政府の対応こそ大問題です。


 昨年12月議会でもこのことが議論になりました。「国民の食料と健康、地域農業を守れ」という請願が出され、「食糧自給率の向上」、「アメリカ産牛肉の輸入再開に反対」、「兼業農家も含め、がんばっている農家をすべて地域農業の担い手として支援すること」、「生産費を償う米価を」などを政府に働きかけて欲しいというものです。
 これに対して共産党と自民党の対応に大きな違いがありました。
 砂田市議は「小矢部市経済活性化のためにも重要だ」とこの請願に賛成しました。
小矢部市の人口減が地域活性化にマイナスであることは言うまでもありませんが、その原因の一つが農業の衰退にあります。農業従事者が15年間で3分の1以下に減退しています。「これまでの自民党農政が米輸入自由化、規模拡大一辺倒で日本農業を衰退させてきた。この農政の転換こそ必要だ」と強調しました。
 一方自民党所属議員は「食の安全に関心は高いが、政府が輸入再開に踏み切ったし、手遅れ。一部文言に問題有り」と国のやることには何一つ文句も言えない態度に終始しました。
 危険部位をつけたままの牛肉を輸出したこんどのアメリカの対応をみても、どの党が食の安全、地域経済の振興に真剣に取り組んでいるか、はっきりしたのではないでしょうか。


土づくりで農業振興を
砂田市議の一般質問


 小矢部市農業の振興をめざす一つの課題に、土づくりがあります。砂田市議は12月議会で牛糞、緑肥などの有機肥料を田に散布するために、その必要量をどう確保するか、運搬と散布手段の確保について当局の対応を質問しました。
 当局は「農業における土づくりはきわめて重要であり、農協などと協力しながら、土壌調査の実施、土づくり資材の10アールあたり100キロの散布、堆肥、籾殻、稲わらの鋤込みなどを奨励している。緑肥の栽培はまだごく一部であり、栽培の拡大に努めたい。牛糞については確保ができるよう畜産農家とも協力し、施肥できるようにしていきたい」と答えました。

市内でも有機肥料をつかった試み

 牛糞を数年にわたって田んぼにまいた人の話によると、大豆の栽培でも他の農地でつくったものと、できがまったく違っていたそうです。
 ある営農組織でも昨年から牛糞の散布をしたら、作物のできが大変よかったそうです。ただ近所から「くさい」と苦情が出されたこともあり、牛糞を完熟させる必要があるとのことでした。
 ある専業農家は、県外からトンあたり1万円前後で牛糞を購入しているそうですが、値段や必要量の確保が課題です。

有機肥料確保の先進例
長野県臼田町


 長野県臼田町では牛糞と生ゴミを混ぜて45日間かけて発酵させ、臭いのしない、さらさらの堆肥をつくり、水稲農家にはトンあたり4千円で販売しています。
 2002年に市議会産業建設常任委員会で視察してきましたが、臼田町の堆肥製造センターの処理能力は一日13トンで、現在牛500頭分の畜糞5トンと、3000世帯から週2回収集している生ゴミ、病院から出る食品廃棄物など5トン分を処理しています。建設のための総事業費は4億8千万円で国の補助金が半分でした。運営経費は年間2千万円程度で、二人の委託職員が働いているそうです。

 小矢部市の重要な産業の一つが農業です。この振興のために、市としてもこれくらいの努力をしてもよいのではないでしょうか。

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