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2002年11月10日号

町が生ゴミを堆肥化

市議会産業建設常任委員会 長野県臼田町を視察

小矢部市でも有機農業の推進を

砂田喜昭市議の報告

 

市議会産業建設常任委員会は1029日、長野県臼田町で生ごみの堆肥化について視察してきました。夏の市議選で有機農業の推進を公約していた砂田市議も産業建設委員会のメンバーとして参加しましたので、報告を寄せてもらいました。

 

視察の中心は2001年3月から稼働した新堆肥製造センターでしたが、感心したのは、@家庭から出る生ゴミを分別収集する環境行政から、A作った肥料を家庭菜園などで有機肥料として活用するための有機農法の研修をすること、生産した農産物を販売する「まごころ市」を開くなどの農業行政、さらにB減農薬・減化学肥料で健康によく味のよい食文化を進める保健行政までを一貫して行っていることです。保健行政では佐久総合病院での農薬・化学肥料の人体への影響の研究や住民への訴えが功を奏したものです。

 

生ゴミの分別は家庭にゆだねる方針で、毎日の生ゴミを水切りして新聞紙でくるみ、町が作ったケント紙の特製袋に入れてゴミ収集ステーションへ出します。収集は週2回、1回3袋まで無料です。この取り組みは25年前から行っており、分別収集ができることを「住民は誇りに思っている」そうです。

新堆肥製造センターでは生ゴミ、畜糞、籾殻を原料に45日かけて発酵させ、堆肥にしています。この堆肥の成分は、ほとんど畜糞と同じで、生ゴミは人間の食べ物を原料にしているので、重金属や塩分などによる農作物への影響は問題ないそうです。堆肥製造の最終段階で10ミリメートルの編目のフルイで、若干混じっているペットボトルのふたやビニール袋などをふるい分けます。

できあがった堆肥は手に持ってもさらさらでくっつかず、鼻を近づけても臭いませんでした。脱臭装置は希硫酸での水洗と微生物の働きによる脱臭装置で、そのすぐ上で臭いをかいでみましたが、全く臭いませんでした。

堆肥は肥料袋3袋までは無料で希望者に渡し、主に家庭菜園で活用しています。さらさらして使いやすいと評判です。また、水稲栽培農家には1トンあたり4000円で販売しています。

 

この堆肥製造センターの処理能力は一日13トンで、現在牛500頭分の畜糞5トンと、3000世帯から週2回収集している生ゴミ、病院から出る食品廃棄物など5トン分を処理しています。建設のための総事業費は4億8千万円で国の補助金が半分でした。運営経費は年間2千万円程度で、二人の委託職員が働いています。



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