刈谷市制50年記念コンサート・プログラムに関する考察
2001年3月に予定されている、標記の件につき、刈谷市民管弦楽団が何をなすのか、個人的にいろいろ考えてみよう、と思い立った次第です。
あくまで、個人としての意見であり、団の意志とは全く無関係である事を、まずもっておことわりしておきます。
INDEX
Msのオススメ企画
今回の企画の具体的な流れも考慮しつつ考えました
これから団としてなすべきこと
団員、というより運営に携わる団員の皆様に考えていただきたい事。
一般の方には、あまり面白くないかな。
企画の素案(ブレーン・ストーミング)
下記のとおり。一般の方もお楽しみ頂けるかな。
<1> コンサートの形態について
とりあえずは、従来通りの3曲プログラム、今までとは違う形態となる小曲の連鎖型プログラム、両方とも可能性を残しつつ話をすすめましょう。
「一般の刈谷市民を指揮者として演奏する」「一般の刈谷市民からのリクエストに答えた選曲を含める」といったコンセプトに基づくのなら、小曲連鎖型がもっとも自然な感じにはなりそうです。(それがベストな形かは別ですが)
例えば、
最初に、派手めなオープニング曲、そして軽い曲が続いた後、各楽器の紹介、さらに、指揮者の役割の紹介、ときて、指揮者体験コーナーとなり、数人にベートーヴェンの「運命」の冒頭など振ってもらい、会場に笑いが溢れて、休憩。
休憩後は、さらに小曲を続ける、もしくは、雰囲気を変えて、交響曲などをたっぷり1曲。というアウトラインを描けば、上記の2つのコンセプトを統合したコンサートにはなり得ます。
ただ、その際に、司会役が必要となります。プロの司会業の方を呼ぶか、指揮者にすべてお願いするか、団員の中から学校の先生などに依頼してしまうか、といった選択肢になろうかと思いますが、これらの可否はみんなで考えましょう。
個人的には、プロの司会者を呼ぶのなら、プロの演奏家(ソリストなど)を呼ぶのにお金を使いたいなぁ、と考えてしまいますが、いっそ、プロの司会者を呼ぶなら、指揮者にはできないことをやっていただきたいです。演奏と共に語りが入るような曲とか。
例えば、前半プログラムは上記の案どおり、後半は、プロコフィエフの「ピーターと狼」、ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」あたりでしょうか。
ただ、この辺りの話は多分に内輪的な話なので、あとの議論は、運営委員会等におまかせしましょう。予算の話は関係者でないとわかりませんし。
しかし、上記の2つのコンセプトを持つのであれば、プログラム全曲を素人が振る、プログラム全曲をリクエスト曲とする、といった発想に落ち着かないようには意見したいとは思います。これらの縛りが存在すると、次からの考察は全く無意味になるので。
それでは、とりあえず、コンサートの形態はおいておいて、次にすすみます。
<2> 演奏曲目について
ここからが、私なりのブレーン・ストーミングです。
オケとしての力量にかんがみての、理性的な判断は技術委員諸氏がされるでありましょうから、ここでは、まずは、批判は禁物、ひらめきと発想の飛躍を重ねたブレーン・ストーミングのノリでいきましょう。(新人研修っぽいね)
1.「5」「50」「500」をキーワードに
最も大事なのは、市制50年なわけですから、その数字にこだわってみましょうか。
交響曲第5番・・・ベートーヴェン、チャイコフスキーは既に演奏済み。すると、ハイドン、モーツァルト、シューベルト、ドボルザーク・・・かなりマイナーだ。「宗教改革」なメンデルスゾーンや、「革命」なショスタコーヴィチは、市役所からクレームがつくか?
すると、ブルックナー、マーラー、シベリウス、ニールセン、プロコフィエフなどが思い浮かぶ。マーラーなどは、作曲から1世紀というのも相応しい感じ。あと、作品50でもあるニールセンなどもスマートな選曲と言えよう。
こじつけ案として、ブラームスの第5交響曲になる予定だった、二重協奏曲なども面白い選曲だ。
ハイドンの50番、モーツァルトのK500などは可能性があるのだろうか。情報求む。
その他、作品5,50,500などの可能性はどうだろう?
2.1950年をキーワードに
市となった年に作曲された曲・・・・なかなかアマオケで演奏可能な曲ってなさそうな気もしますが、これについても情報求む。
3.「刈谷」っぽいキャラクターとは?
「刈谷」といえば、まずは、トヨタ系の企業城下町とのイメージです。そんなイメージを音楽に反映させると・・・・
プロコフィエフの「鋼鉄の歩み」、モソロフの「鉄工場」などがピンと来ます。ただ、我が団では「鍛冶屋のポルカ」ぐらいかな。
あと、クラミの「カレワラ組曲」の終曲「サンポの鋳造」・・・・鉄を叩くイメージだが・・・・ちょっと違うなぁ。
豊田自動織機の本社、から連想するのは、団の歌劇「夕鶴」より「つうのアリア」・・・。
「刈谷」といえば、徳川家康の母、於大の方の生誕の地。となれば、NHK大河ドラマ!
「葵 徳川三代」のテーマなどは話題充分。しかし、ピアノ・ソロに合唱。はたまた、楽譜は調達できるのか?これも情報求む。
滝田栄主演の「徳川家康」もあったな。そのテーマは確か、富田勲作曲。シンセの音も新鮮に感じられた頃の作。これも楽譜情報求む。
4.「祝」をテーマに
もっとも短絡的な発想か。でも重要な要素ではある。
「祝」・・・ショスタコーヴィチの「祝典序曲」がもっともお似合いだ。我がオケの発足のきっかけになったのが、市制40年のイベント。そのイベントの開幕を告げたのは、「祝典序曲」であった。10年の時を隔て、再び、「祝典」が刈谷の町に響き渡る日が来たのだ・・・。当時の事を知る団員は、もうほとんどいないだろう。いまや、まったく別団体という雰囲気だ。観客として私もいたなぁ。是非、押したいですね。
その他、シベリウスの「祝祭アンダンテ」も一息つくのにはいい選曲だ。
さらに「祭り」も考慮に入れれば、レスピーギの「ローマの祭り」、ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」、リムスキーの「ロシアの謝肉祭」、などなど、あまり深刻ばらずに、ノリのいい曲をどんどん演奏したいですね。
これらの、選曲アイディアを適宜組み合わせつつ、<1>のコンサートの形態もにらみつつ、曲を決定していければベストかと思います。
以上、簡単にイメージをふくらませてみました。今後も、皆様からの情報がいただければ、逐次、案を追加してゆく予定です。(2000.5.18Ms)
ということで、ここからネット上で皆様からよせられた意見、情報も紹介します。5/18〜20の間に「クラシック招き猫」のHPで頂いたものです。
「5」絡みの作品と言う事では、上記の他、交響曲では、ヴォーン・ウィリアムズの第5番を推薦していただけました。
協奏曲では、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」、サン・サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」、プロコフィエフのピアノ協奏曲第5番。
さらに、作品50では、ベートーヴェンのロマンス、ニールセンの交響曲第5番(再掲です)、エルガーの序曲「南国にて」、フォーレのパヴァーヌ、グラズノフの「祝典の行列」を紹介していただけました。
また、新しい観点から、50歳の時に完成された作品として、ブラームスの交響曲第3番、シベリウスの交響曲第5番(再掲です)があるようです。
1950年の作品としてはジョリベのピアノ協奏曲「赤道コンチェルト」があります。私も調査したところ、推薦せざるを得ない重要作として、11回定演でも好評の芥川作品より「交響管弦楽のための音楽」に気付いた次第。イチオシ。
鉄、工業、といったイメージからは、やはりプロコフィエフ、モソロフ、そしてオネゲルの作品も人気が高いようですが、ヒンデミットの「ピッツバーグ交響曲」との声もありました。
とりあえず、以上のデータを総合するに、私なりの順位をつけるのなら、まず、2つの第5交響曲というコンセプトのもとに、
1案.
北欧の二大第5交響曲。
ニールセンの交響曲第5番作品50と、シベリウス50歳の作品たる交響曲第5番のカップリングがよく出来たプログラムですね。
ニールセンの小太鼓と、シベリウスのティンパニ、同一コンサートでやるのは楽しみだが、壮絶なことになりそうだ。打楽器奏者が泣いて喜ぶ理想のプログラムだ。
2案.
暗い世相に一筋の明るさを。将来への希望。というわけで、第2次大戦が生んだ、悲劇的ならざる2つの作品。
ヴォーン・ウィリアムズとプロコフィエフの交響曲第5番。
3案.
新世紀の雄叫びを聞け!
マーラーの5楽章からなる交響曲第5番をメインに。サブはシューベルトの5番・・・どこかでやってる組み合わせだな。もしくは、モーツァルトの「トルコ風」をサブにして、ソリスト用・アンコールをベートーヴェンのロマンスにしておこうか?その他の選択肢もありあり。
といった感じにはなりますが、どうも我がオケには困難度の高い曲ばかりですね。しかし、あえて提案します。メインとして1曲という可能性も含めて、これらの作品を推しておきましょう。
なお、気になっているのは、我がショスタコーヴィチの交響曲第5番。刈谷市の補助金をいただきながら、共産党寄りの団体だと非難されないためにも、「革命」という俗称を公表しない形でのみ、おおいに推薦しておきましょう。
さて、交響曲を含まない小曲連鎖型の場合は、前述の作品全て候補として挙げますが、上記の文脈を見てのとおり、個人的には、ショスタコーヴィチの「祝典序曲」、芥川の「交響管弦楽のための音楽」(1950)ははずせませんなぁ。
さらに、グラズノフの「祝典の行列」作品50、フォーレの「パヴァーヌ」作品50、シベリウスの「祝祭アンダンテ」はオススメです。
これらの作品は、従来型の3曲プロの場合でも採用可ですし、小曲連鎖型の場合でも、例えば、前半に指揮者コーナー、市民リクエストなどをもってくれば、後半で、市制50年を文字通り記念し、祝うための作品群として内容、編成、時間ともに最適なものばかり。
企画力が勝負です。自分の知ってる曲しか興味がないのでは、つまらない、と思いますが・・・・。この際、一緒にいろいろ勉強しておきましょうね。
大衆迎合的、陶片追放的な民主主義を本来の民主主義だと思わないよう気をつけましょう。
(2000.5.24 Ms)
<3> その他留意事項(ここからは団員用です)
指揮者の選定。喋りをどうするかで、頼むべき人も変わってしまう。
場所の確保。果たして、市民会館が3月の日曜日にうまく確保できるのかどうか。既に、市の他の行事等でうまっており、日程の選択の余地がなかったらどうするか。市民会館以外での可能性はあるのか。
日程の決定。3月は決算を控え、かなり仕事が多忙を極める方も多かろう。なるべく早い時期に決めるのはもちろん、3月上旬の開催をせつに強く要望しておきたい。私も、例年、3月中旬以降は、土日出勤を強いられる事、多し。平日の可能性は皆無だが、土曜の可能性はあるのかの検討など。
一応、現時点で思い浮かぶ事はこれくらい。既に解決済みであったら即刻、削除しておきます。ご一報下さい。イレギュラーな企画なので、前倒しで、かなり、まいていかないと、あとで苦労しそうですね。今からやるべき事は、少なくはないはずですね。
(2000.5.18 Ms)
一応、解決済みとなりそうです。(7月初め現在)