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KOR

ウェバークラッシュの背景
開始から17周に及ぶ長いセーフティカーからレースがスタートした18周目、1位ベッテルは1分57秒805をマークし、2位ウェバーの2分0秒025に2.859秒の差をつけた。ウェバーはイタリア・シンガポール・日本と3戦連続でベッテルの後塵を拝しており、選手権争いの上からもこれ以上負け続けるわけにはいかなかった。だがウェバーは落ち着いて荒れそうなレースを見すえる大局観 がなかったのか。未完成のサーキットはストリートコースのようにコンクリートウォールに囲まれた箇所があった。それに加えて雨が降る最悪の状況だった。再びセーフティカーとなる可能性は十分にあった。
ウェバーはレース後に2連勝で逆転すると息巻く。もしウェバーがアロンソの立場を考えれば、アロンソも実は苦しいとわかるはず。11点差を逆転するには連勝しかないわけではない。そのことが今のウェバーにわかるだろうか。

ベッテルも焦る
ベッテルは24周目の再スタート後も猛ダッシュして2位アロンソとの差を広げた。31周目で4.66秒差。 だが再々セーフティカーにより差はなくなった。3度目の再スタートにおいてもベッテルは差を広げようとした。アロンソがタイヤ交換ミスでハミルトンに抜かれ、ハミルトンのミスで2位を取り戻したとき1.5秒差。41周目で2.7秒差。しかしアロンソは踏ん張り以前にような5秒近い差にはさせない。ここで思い出されるのは前戦の鈴鹿で燃料の軽くなる後半はフェラーリがレッドブルと互角だったこと。ベッテルの心理状態としては2度のリードが消えた徒労感と、後半でのアロンソの激変した速さに必要以上の焦りがあったかもしれない。エンジン其数は二人とも似たような苦しい条件の中、常に全力だったベッテルと、ここぞという時だけ全力のアロンソ。55周のうちセーフティカーを除くと31周に過ぎないが壊れたベッテル。レース全体をみすえることが結末に影響した気がしてならない。

アロンソも誤算
アロンソは鈴鹿のあと、残り3戦はレッドブルの独走にはならないと語った。だが韓国でもレッドブルは最前列を独占した。これはアロンソにとって脅威であろう。純粋なマシンの速さではかなわない。ドライで2台に飛ばされると勝負にならない可能性がある。
だが、チャンピオンのかかった終盤になればなるほど、ドライバーの心理は並ではいられなくなる。速さが過信になる。アクシデントが起きるかもしれない。チームは勝たせたい一心でマシンにリスクを冒すかもしれない。ブラジルでは異様に強いマッサがレッドブルのかき回し役としてゆさぶりをかけてくる。最後まで目が離せない年になった。

アロンソ、サバイバル制し選手権首位(231点)
ベッテル1位から止まる(206)、ウェバークラッシュ(220)

ハミルトン2位(210)、バトン12位終了(189)

 
JPN

周ごとのラップタイム。セーフティカーの6周目までを除く。前半にレッドブルはフェラーリとマクラーレンを突き放す。アロンソは24周目で8秒差に広げられた。タイヤ交換後はレッドブルとフェラーリ・マクラーレンのラップタイム差はなくなる。アロンソは27周目で14秒あった差を38周目に4秒差まで縮めた。だがそこからレッドブルはペースアップし、それ以上は縮まらなかった。レッドブルにまだ余裕があったか。とはいえ、テレビではあまり映らなかったアロンソが後半はかなり頑張っていたことがわかる。それはバトンも同じだった。ハミルトンもギヤが壊れるまでは最速だった。
ウェバーはベッテルとほとんど同じペースで、常に2〜3秒後ろを走り続けた。ポイントリーダーのウェバーは冒険しないことに徹している。残り3戦で14点差だが、1位と2位の7点差は2戦で追いつかれる。まだ早いのではないか。鈴鹿はモナコやスパと並ぶドライバーズサーキットであり、ここでの勝利の価値は高い。ベッテルを勢いづかせることになりかねない。チャンピオン争いをしたことがないウェバーが終盤でどんな心理状態になるかもポイントになる。

バトンのハードタイヤでのスタートは失敗だった。中盤でトップに立ったがペースアップすることができなかった。ハミルトンのトラブルがなければ5位で終わっていた。

同様にハードタイヤでスタートした可夢偉のターゲットはメルセデス、ウィリアムズ、フォースインディア、トロロッソ、そしてザウバーのチームメイトだった。速さでこの5チームは互角だった。同じような作戦を取ると埋もれる可能性があり、現に可夢偉以外のドライバーは抜きあいを演じれなかった。そこでタイヤの違いを利用した終盤のオーバーテイクに賭けた。

各車ごとに何秒台を何周走ったかのレースペースを見ると、レッドブル・フェラーリ・マクラーレンのポテンシャルに違いはあまりない。レッドブルは燃料満タン時でも速いコーナリングが出来たことが大きい。燃料が軽い状態ではフェラーリやマクラーレンも勝負できる。鈴鹿は1コーナーからS字にかけて時速200kmの中高速コーナーが多く、レッドブルに有利だった。アロンソいわく、残り3戦はレッドブルが有利にはならないサーキット。アロンソの追い上げが見所になりそうだ。

3強&ルノー以外では、メルセデス・ウィリアムズ・フォースインディア・トロロッソ・ザウバーがまったくの互角。ここを抜け出すのはドライバーの力となる。

ベッテル優勝(206点)、ウェバー2位(220)
アロンソ3位(206)、
バトン4位(189)、ハミルトン5位(192)
可夢偉終盤追い抜き7位入賞


ベッテルPP、レッドブル最前列独占
アロンソ4番手、バトン5番手、ハミルトン8番手(ギヤボックス交換)
可夢偉シケインミスでトップ10逃す
MAL

ベッテルとウェバーの争いは、スタート以外はピット前後だけが焦点だった。22周目で二人の差は1.8秒。23-24周目にベッテル、ウェバーの順にピットインしたが25周目で二人の差は4.3秒に広がる。ベッテルがピットアウトでハミルトンの前に出たことと、ウェバーが右フロントタイヤのエアガンで1.4秒余計にかかったことが響いた。今年は先にピットに入る方が有利だが、1周だけの違いならアウトラップ対インラップで後の方がよいはず。ウェバーはピットイン前22周目の1.8秒差も含めてもう少し頑張れなかったかと思われる。レッドブルは前2戦で勝てるレースを失ったが、今回マクラーレンとフェラーリが足踏みしたおかげでチャンピオン争いであまり差はつけられていない。速さは一番なだけに今後も先頭から逃げる展開を狙うだろう。

レッドブル2台と3位メルセデスのロズベルグには力の差が歴然だった。ロズベルグは1周目だけで2.3秒の差をつけられ、5周目で4.8秒になった。ピット直前の21周目は11秒差まで広げられた。ルノーのクビサはメルセデスと互角だった。メルセデスとルノーはともに1台リタイヤした信頼性の問題もあるが、いかにしてマクラーレンやフェラーリと戦えるかが今後のポイントとなる。
マクラーレンのハミルトンは序盤の追い抜きが素晴らしかったが、後半はスーティルをついに抜けず。結果論としてはもっと早めにタイヤ交換していれば5位になれたかもしれない。バトンはオプションタイヤでのグリップ不足と混戦を嫌って10周目にタイヤ交換したもののプライムタイヤで長丁場となり、前戦と違って戦略的にはまったく裏目になった。

フェラーリが冴えなかったのは、ハミルトンが2-3周目で抜いたトロロッソを抜けなかったこと。14周目ブエミ、19周目アルグエルスアリのピットインまで後塵を拝したのは弱い。アロンソはシフト問題を抱えていたためマッサがもっとアグレッシブに行きたかった。セパンはコーナーが低速・中速・高速とバラエティに富むため1年を占う上で重要だが一抹の不安を残した。


ベッテル今度こそ優勝
レッドブル1−2

 
BAH

多くの車が15-17周目にタイヤ交換をして49周目まで走りきる似たような戦略となる 。 優勝者の1周平均タイムは121.6秒だが、タイヤ交換前はそれよりぐんと遅い。燃料が減っていってもタイムが上がる傾向は見られない。タイヤ交換後はタイムが上がりだし、終盤に向けて右肩上がりの傾向になった。

1回目の交換まではベッテル、アロンソ、マッサの3台が別格の走りで4位ロズベルグ以下はついていけなかった。タイヤ交換後はペースに差はなくなる。しかし独走状態になったアロンソは時折速いタイムを出しており、余力があるように見える。
レッドブルは8位ウェバーのペースも良く、速いマシンである。ベッテルはプラグのトラブルでパワーダウン後、タイムを上げていったのが驚異的だった。
マクラーレンはハミルトンが速かっただけでなく、7位バトンも前車に詰まったがマシンのポテンシャルを感じさせる。逆にメルセデスはロズベルグとシューマッハともに力強さに欠けた。

ポイント当落上を争うと見られるウィリアムズのバリチェロ、ルノーのクビサ、それにインディアの2台は戦える力を示した。ザウバーも中盤に光を見せた。トロロッソは戦略を変えて失敗したがマシンは悪くない。ロータスとヴァージンは別格の遅さで、HRTはそれ以前の問題。


ピットインのタイミングは遅い方より早い方が有利と逆になった。ロズベルグ対ハミルトンは早めのハミルトンが逆転。ウェバー対バトンも早めのバトンが逆転。ともにマクラーレンがうまさを見せた。

シューマッハは苦しかった。後半は前のロズベルグを追えず、後ろのバトンとウェバーにつつかれた。 シューマッハとブラウンは給油が始まった1994年にそのルールを最大限に生かして王座についた。給油が禁止された今年はそれに戸惑っているが、誰よりも早く違いを見つけることができるか見ものだ。

120-120.5秒台ペースで走っていた車には、メルセデス以外にウィリアムズ、ルノー、インディア、トロロッソがいる 。メルセデスは今後の開発を進めないとこれらの連中に足元をすくわれる可能性もある。

オーバーテイクがなくなったことに関して、開幕戦は誰しもが初めてのロングランでタイヤの磨耗を気にしすぎた。第2戦以降にアグレッシブさを見せるドライバーが出るかどうか注目。

アロンソ移籍初レース制す
フェラーリ1−2、
ハミルトン3位、ベッテル4位

シューマッハ6位、可夢偉リタイヤ


ベッテル開幕ポール、前年終盤の勢い維持