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梅を漬けよう


 皆さんは梅干しを漬けたことがありますか?
 なんだか古くさい習慣のように思っていませんか?
 「プリザーブしよう!」いえば少しは今風かな...

 ご存知の通り、梅干しは日本を代表する保存食の一つ。食卓の名脇役ですよね。

 食を考える上で安全な食べ物を自分で作る事は大変有益な事です。
 いろいろな農産加工品が簡単に手に入りますが、安全性に関しては生産者任せにならざるを得ない部分があります。
 だったら、自分で作っちゃいましょう!。自分で作る物に間違いはありません。

 梅干しは、ケーキ作るよりもパン焼くよりも簡単?に作れます。
 火を使う工程が無いところが手軽にできる一番の理由です。

 さてさて、今年も昨年同様10kgの梅干しを作りました...

1 準備作業       
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 まず、道具。梅干しを作るためには、次のものが必要です。
 梅を漬ける瓶(かめ)、重石、塩を入れるボウル、それに竹櫛。まずはこれだけです。
 次に材料。梅、塩、そして私は焼酎を使います。

 たったこれだけで、これから1年間も食事を楽しませてくれる食事の友ができるのです。

これで梅干しをつくります  まずは瓶(かめ)。梅干しは強烈なアルカリ性をしていますので、陶器かガラスまたはホーロー製の入れ物を準備します。
 写真左端のは蓋付き切立瓶5号(9L)、右は4号(7.2L)。この2瓶で10kg漬ける事が可能です。
 瓶は重石が入れやすいように口が広い方がいいでしょう。また、重圧が均等にかかるように垂直な入れ物がいいと思います。

 そのほかには重石。私は市販の重石を使っています。
 写真左下の円盤みたいな物です。小さいのが1kg、大きいのが2kgです。今回は大きいのを2つ使いました。
 料理の本では梅の重量の2倍(今回だと20kg)の重石で漬けると書いてあるのが一般的ですが、  梅が柔らかい場合漬けている間につぶれすぎるようです。そのため今回は思い切って梅の総量の半分程度(2kg×2)にしました。

 市販の重石は平べったくて加重が平均にかかり機能的ではあるのですが、それにしても愛嬌が無いですよね。  私は母から娘へ代々伝わる漬け物石などに大変惹かれます。

 料理には材料や料理の腕前も大切ですが、何よりも欠かせてはならないのが「愛情」です。
 相手の事を思って料理を作ると、味が違いますよね。

 代々伝わる重石を使うと、それだけで愛情豊かな漬け物ができそうです。
 今度、河原にでも行って良い石を拾ってきたいと思います。

材料は、これらです  それから、塩と焼酎。塩はもちろん「海の精」を使っています。
 塩は梅の総量の15%から20%にしています。
 塩を減らすと保存の効果が低減しますし、梅干しの効果も減ります。
 良い塩をたくさん使いましょう。

 そして焼酎を使います。これは瓶の消毒に使うのと、塩の付きを良くするためです(梅を焼酎にまぶし湿らせた後に塩をまぶしています)。
 焼酎を使う事で、風味も増すような気がします。
 今回は「大河の一滴」という麦焼酎を使いました。

 さて、これだけの物を準備して今年の梅の到着を待ちました...

 そして、6月17日。待ちに待った青梅が届きました。
梅が届きました。この甘い香りがわかりますか?  梅は和歌山の「山本農園」さんからいただいています。山本農園では、10年間無農薬の梅を作っておられるそうです。
 今年も完熟の完全無農薬「南高梅」を10kg送ってもらいました。

 みなさんは梅の実の香をかいだことはありますか。

 箱を開けると芳醇な香りが部屋いっぱいに広がります。
 わたしは、初めて匂った時に、こんなに甘酸っぱいものかと感動した覚えがあります。
 その当時は梅干しのイメージしか無かったのですが、考えてみると梅は果実でした...
 プラムや桃に似た匂いといえばわかるでしょうか。
 スーパーで売っている袋入りの梅では、体験することができない芳しい匂いです。

 それでは、早速漬け込む事にしましょう。


 ■道具類 (消費税別)
器具
規格
値段
備考
蓋付き切立瓶 5号
9L
¥5,600
梅5kgを漬けることができます。
蓋付き切立瓶 4号
7.2L
¥4,900
梅4kgを漬けることができます。
重石(大)
2kg×2
¥1,350
瓶4号、5号用
 ここでの価格は「ポラン広場」のカタログ番号927の価格を提示しています。
 地域によっては変動する場合もあります。

 ■材料 (消費税別)
材料
使用量
価格
備考
無農薬「南高梅」
10kg
¥7,500
送料が別途必要
福岡までの送料:¥1260
塩「海の精」
2kg
500g×4袋
¥3,800
塩分20%
焼酎「大河の一滴」
200ml
¥1,200
麦焼酎。720ml。アルコール分25%
 梅干しが10kgあれば毎日1個ずつ食べて約半年は食べれると思います。
 まずは、5kg程度から始めてはいかがでしょうか?


ご参考(平成12年6月16日現在)
  山本農園:和歌山県日高郡南部川村晩稲1397 山本康雄さん 0739−74−3572
  価格:1Kgあたり¥750(別途消費税、送料が必要)
   

2 梅の仕込み  
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 まずは水で埃やごみを洗い流します。
たっぷりの水にくぐらせます  梅が柔らかいので、たっぷりの水の中でくぐらせるように洗います。
水につけてアクを抜きます
 洗い終わったら、あく抜きをします。
 一般的な料理本では、ここで1昼夜アク抜きをすると書いてある物が多いですが、梅の状態で判断しましょう。  今回は、かなり熟してあるので短めの3時間さらすことにしました。

 さて、あく抜きが終わったら、水気をきっておきます。
 次は、ヘタ取りです。

竹櫛の代わり  ヘタを取るには竹櫛を良く使いますが、先が割れて何本も必要としますので、私はプラスティックの楊枝を使いました(もちろん竹櫛でもOK)。
ヘタの真ん中を突き刺すようにします
 「一物全体」の考えから言えばヘタは特に取る必要も無い?のでしょうが、私は食べるときに少し気になるので取るようにしています。

 ヘタを取るときの注意ですが、果肉が柔らかいのでキズつけないようにしましょう。
 このとき良いやり方があります。
 ヘタを取るときに、ほじくるよう取り出すと果肉を痛めやすいですよね。
 ですから、私はヘタのまん中に櫛を突き刺すようにしています。

ヘタが櫛に刺さってついてきます  そうすると不思議なことにプチッとホックがとれるように梅からはずれ、櫛についてきます。
 こんどやってみてくださいね。
 すごく簡単だし、はやく取ることができます。

 さて、ヘタを取るときにあわせてすることがあります。
 それは、選別です。
 ヘタを取りながら、梅の大小、熟れ具合、虫食い物をより分けます。
ヘタ取り後の状態  今回の梅は、粒の大小は混在していましたが、熟れ方がほぼ均一であったので分けることはやめました。
 また、傷物(虫食い)ですが、今回は7粒だけでした。
 傷物は出ない方が良いのですが、出ても梅ジャムにする楽しみが増えるのもうれしいものです。
 しかしながら、7粒でジャムはできないですね。少し残念。

 右の写真は選別後の状態です。左下が取り除いたヘタ、上がまだ熟していない梅、右下が傷んでいた梅です。

 では漬け込みましょう。
 パット等に焼酎と塩を広げます。焼酎はたっぷりでなく、底に貯まる程度に入れておきます。
焼酎と塩をパットにいれます  梅を焼酎のパットの中に転がして全体が焼酎にかかるようにします。
 濡れた梅の滴を切って塩のパットの中に転がします。

 おそらく、自然塩(海の精等)であれば湿気がありますので、転がしても塩は付いてきません(転がらないと思う)。
焼酎のおかげで塩が良くなじみます  ですから、梅と塩を一緒に摘んで瓶に入れましょう。

 瓶はあらかじめ焼酎を回し掛けして消毒しておきます。
 塩は残っても、最後に上にかけるので、あまり気にしないでまぶしましょう。
 ただひたすらまぶしては瓶に入れ、入れてはまぶす作業を繰り返します...
 このやりかたは、かなり丁寧なやりかただと思います(2時間もかかるし...)。
 おそらくもっと大胆に混ぜ合わせても、ちゃんと漬かると思うのですが、昔からこのやり方で成功してるので、やり方を変える勇気がありません。

 しかし、この手間がまた良いですね。おそらく、本当に美味しい梅干しを食べたい人は、この単調な作業さえも楽しくてしょうがないと思います。
これで今年の仕込みは完了  私も結構好きですよ。漬けながら無心の境地になれます。

 さて、これで2瓶分を漬け終えました。

 あとは重石を載せて紫蘇の葉の出る頃まで待ちます...

 途中ですが、これが1週間後の梅の状態です。
こんなに梅酢が上がっています  たっぷりと梅酢が上がっています。これもまた料理に使えますね。

 日頃は蓋をしているのでわからないのですが、ふたをあけると部屋中に甘い香りが広がります。本当に素敵な香りです。
 塩がこんな仕事をするなんて、塩の働きは偉大ですね。

 
...いかがでしたか

 日本人の心、梅干し作り。和風なのに作業はジャム作りのようなさわやかな感じです。
 今年作り損ねた方は、来年は梅干し作りをやってみませんか?

 ■所要時間
作業
所要時間
備考
水洗い 10分  
アク抜き 180分  
ヘタ取り/分別 30分  
つけ込み 120分  
 合計 340分  
 実際の作業にかかる時間は160分くらいでしょうか。
 たった3時間程度で、これから半年間楽しめる梅干しの出来上がりです。とても簡単でしょう?
 


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