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いちごジャム
梅をつけよう▼
   


イチゴ表紙


 なんで今頃イチゴジャムかって?
 それは、ひょんなことからイチゴ狩りにいくことになったことから始まった...

1 イチゴ狩り    
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 場所は福岡市東部のイチゴ農園。
 友人の知り合いの農家の方ということで、食べ放題、持ち帰り放題でお一人様500円の破格値でイチゴ狩りをすることができたことからこの話は始まる。

 当地のイチゴは新鮮でたいへん美味であり、かつ昨年11月から消毒もしていないと言う。
 だが、ハウス物はできるだけ避けたい私としては、あまり触手が出ないイベントであり、たいして食べもせず持ち帰りもせず終わるところであった....  しかし、突如どこからともなく聞こえてきた「イチゴジャムができるね」との神の声にも似た響きが私をとらえた。イチゴジャムである。

 純和食(玄米)の私は朝食にパンという食生活をしていない。なのになぜジャムにひかれるのか。
 それは自分でできる農産加工品であり、農作業の一環をやっているという雰囲気を味わえるためだと思う。 それ故、昨年は梅干しをつけた時に出たキズ物の梅で梅ジャムも作ってみたりもした...
 しかし、それ以外にもジャム作りにはなにかしら不思議な魅力があり私を引きつける。

 それは、神秘的な火の力により食べ物が加工されていくとき、自分があたかも錬金術師にでもなったような錯覚がそう思わせるのであろうか。

 そしてこの神秘的な力は、
決して「電子レンジ」では加えることのできない、心が味わう味付けを料理に与えてくれる。

 あァ〜ジャムである。それも色鮮やかな赤いイチゴジャムである。ジャム。いい響きだ!

 神の声を聞いてから、私はせっせとイチゴのパック詰め作業を開始した...

ご参考(イチゴ狩りの目安 平成12年5月現在)
 熊 本:食べ放題入園料¥500、持ち帰り¥500/1kg
 南伊豆:食べ放題入園料¥1,200(〜1/31)、¥1,000(2/1〜4/10)、¥800(4/11〜5/6)
 山 梨:食べ放題入園料¥1,400(〜2/28)、¥1,200(3月)、¥800(4月)、¥700(5月)
 イチゴを安く入手する為にはイチゴの終わる直前の5月頃に農家の方に頼むのが一番良い手だとわかった


2 イチゴの仕込み  
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 素材の形が残っているのが「プリザーブ 」、形が無くなるまで煮詰めたのが「ジャム 」と聞いた覚えがある...今回私は絶対にプリザーブにしようと心に決めた。
 イチゴも梅ジャムを作った時と同じく砂糖を入れて煮詰めれば良いと簡単に思っていたが、念のため私はプリザービングの本をめくってみた。

 う〜ん、見てびっくり。イチゴジャムは砂糖を入れて煮込むのではなかった!(その方法もあるが)
 まずイチゴを砂糖にまぶして水を上げて、その水を煮詰めてイチゴを煮込むとある。

 どうやら2日がかりの作業となりそうである。

 後発でイチゴ狩りを始めたものの、私はプラスチックパックに4箱収穫した。
 山盛り4箱が私の欲望と羞恥心の境界線であった。
イチゴの山盛り  では、まず全体量を計ろう。

 お皿に盛るとこんなものである。
 私はかつてこんなにいっぱいのイチゴを目の前にしたことがない。
 少し幸せ。
 全部で1250gである。ちなみに97粒もあるのだ。

 これに砂糖をまぶす。まぶす砂糖の量はイチゴの量の約3割
 ...ということは砂糖は350g
黒砂糖  今回は、イチゴが有機栽培でないため、せめて砂糖は精製されていない物を使おうと思っていた。
 そう。黒砂糖でつくろうと思ったのである。
 使ったのは右の黒砂糖。300g、¥250である。

 えっ、これで300g?
 あと50g足りないのが問題ではなく、こんなに砂糖を使うのかいなと不安になった。
 でも今回はテキスト通りにやってみよう。なんせ初体験ですから。
ヘタを取ったイチゴ
 水洗いしてからへたを取りましょう。
 仕上がったイチゴはこんな感じ。

 赤と白のコントラストが結構いい感じですね。 

 これを黒砂糖にまぶして1日置きます。なんだか、やはり梅干しをつけている感じ。
 とりあえずまぶしおわったらこんな感じになりました。
砂糖かけ もう、あたりいっぱいにイチゴと黒砂糖の甘ったるい香り...
見るからにおいしそうですね。

えっ、ここまでに何粒つまみ喰いしたかって?
 いえいえ、自称「自然食研究家」としては作品に手は出しませんよ。本当。

 さて、ここまでにまぶした黒砂糖は全体の半分くらい。
 余ってもしょうがないので、残りの黒砂糖は全部上にかけました。
 やっぱり砂糖に埋もれてしまった。

 でも良かろう。これで一日待つことにしよう。

ご参考(プリザーブ関係の本)
 ■「プリザービング」:オーデット・シュウォーツ/著、山と渓谷社/刊 ¥3000
  ・ジャムだけでなく、食品の保存技術全般を取り扱った本。値段は高いが、プリザービングのバイブル的本
 ■「くだもので作るジャム&お菓子(春・夏)」:小川聖子/著、女子栄養大学出版部/刊 ¥1200
  ・末尾に「ジャムとお菓子の栄養価一覧」があるのが栄養士さんらしい。写真も豊富。
 ■「野菜と果実のプリザーブ」:ホークスみよし/著、文化出版局/刊 ¥1500
  ・これも保存食全般を取り扱ったもの。若干誤植が残っていたのが記載内容の信憑性を落としている。

 春に保存食の本を探すのは大変。秋にはいっぱい店頭に並んでいたのに...
 見つけたジャム作りの本3冊中、直接砂糖と煮込む「簡易イチゴジャム方式」は1冊、 残り2冊は「砂糖まぶし方式」が書かれていました。

3 イチゴの煮詰め  
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 丸一日経って見てみたらこんな感じになっていた。
黒い水が上がる  かなり水があがっています。しかも黒い水が...いやな予感。
 これを煮詰めてジャムを作るとなると、どう考えてもあの鮮やかな赤いイチゴジャムになりそうもない。
 やはり、黒砂糖を使うと決めた時から予想すべきであった。
 黒砂糖から赤いイチゴジャムは生まれない...と。
 ぐお〜っ、 私の赤いイチゴジャムを返せ〜っ。
 でも、ここまできたならしょうがない。
ブラックストロベリージャム を作ろうと思う。
 いい名前じゃん。

 (...白砂糖にもちゃんと役割があったんだ! 料理の基本ですよね。
 精製の害ばかりに目がいっていて長所を見落としていました。少し反省)

でも、
過剰に便利であったり美味であったりすること(人の欲望)が、環境や健康を破壊する のですよね。私は、ブラックストロベリージャムが好きです。

 とりあえず煮詰めることにしよう。
煮詰め開始  まず、汁と実にわけて汁だけ先に煮詰めます。
 う〜ん、やはり黒い。まるで黒豆の煮汁のようだ。
 最初はこれを強火で加熱します。焦がさないように常にかき混ぜることを忘れないように。

 泡が大きくなり少し粘り気が出てきたら実を入れる。
実を入れて煮込む イチゴの赤い色は酸と反応してきれいに発色するため、本来はここでレモンのしぼり汁を入れるのですが、 我らがブラックストロベリージャムには発色させる必要はな〜い。
レモンを絞った でもね、この前「ポラン広場」さんからいただいた無農薬レモンが余っていたのでそれを使っちゃいました。
 おそらくこのブラックストロベリージャムためにポランさんが入れてくれていたのでしょう(2ヶ月前のですが...)。
 でも中身は全然問題なし。丸々1個絞りました。

 これからかなり煮込みます。
凝固温度(約105度)に達したら、そのまま20分程度加熱します。その後は弱火でトロトロと小一時間くらい煮込みます。
 煮詰めるにつれてイチゴがいい感じに透明になってきます。途中で出てくる細かい泡は、こまめに取り除くと仕上がりがきれいです。
実を入れて煮込む
 さらさらの状態の時に固まりぐあいを見ましょう。熱されたジャムを小皿に取ってさまし、好みの固さならOKです。

 だいぶ煮詰まってきましたようですね。そろそろ出来上がりです。
 今回は砂糖の量が少ないので、さらさらのジャムになりそうです。ねばねばのジャムがお好きな方は、砂糖の量を多くすると良いでしょう。

 後は、ビン詰め作業に入ります。

4 ビン詰め/飾り付け  
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 小さなビンも何となくたまる物ですよね。こんなビンがあるだけでうれしく感じるのは私だけですか?。だからなかなか捨てられない。
小さなビン達  お気に入りのビンを殺菌してビンつめしましょう。煮沸消毒します。
   大きな鍋に水とビンとふたを入れて火にかけます。
 沸騰したらきれいな布巾の上で乾かします。
 温度が高いので、水分をふき取る必要はありません。自然にすぐ乾燥します。

 ビンが熱いうちにジャムを入れると保存効果が高くなるので、ジャムを煮詰め始める時間と煮沸消毒を始める時間を見はからって作業します。

 あとは、ジャムを入れて飾り付けをして終わりです。
 飾り付けは、捨てずに残して置いた端切れや紙を使うと良いですね。
飾り付け
 和紙と撚り紐、端切れとリボンで決めてみました!
 いかがでしょうか?

 今回は作りませんでしたが、手製のラベルなんかあれば最高ですね。
 これで、オーガニックプラネットブランドの「ブラックストロベリージャム」の出来上がりである。

 ちなみに、できたジャムの量は665g。ビンに詰めるとたったこれだけ!
 使ったイチゴが1250g、砂糖が300gだったので、約40%になりました。ちょっと煮詰めすぎたかな。

 肝心の味はどうかって?
 う〜ん、程良く酸味がきいた健全な大人の味に仕上がった。これがまた美味しいんだ。

ご参考(天神周辺のお店)
端切れ

 ■サンカクヤ天神店
  端切れに関してはここが一番でしょう。10cm単位で販売してくれます。
  写真で使った端切れは、2種類とも100cm×20cmで¥115。
 ■コンラン・ショップ(天神岩田屋Z−SIDE 3F)
  カーテンやタペストリー等を作る場合は便利です。上品な物が多い。
和紙

 ■とうじ(福ビル1F)
  和紙の種類が豊富です。
  写真で使った和紙は、60cm×100cmで¥280と¥380。

    

             
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