チャリ・エンジェルス
■自動車のマナーも悪いけど、自転車も?
福岡市の中心部は土地が平坦なことや、繁華街の天神を中心として比較的こぢんまりとまとまっているためか、
自転車による中心部への流入が多いようです。
そこで問題なのが、駅周辺部の自転車の集中と利用のあり方。
天神地区に限らず、自転車の路上駐輪が多いんですよね。しかも放置されている自転車も多い。
特にコンビニの周りとかは、自転車が道にはみ出しているし、点字ブロックは無視してとめてるし、
結構目に付く無法振りではあります。
ちなみに、どれくらいマナーが悪いかというと、福岡市天神地区は、
総務庁の平成13年度の調査によると、
放置自転車(駐輪場に止めてない自転車)のワースト1になったとか。
平成11年度の調査でも天神地区はワースト2位。
福岡は車の運転マナーも悪い土地柄ですが、自転車のマナーも悪いとはね。
いったいこれはどういうこと?
■チャリ・エンジェルス登場
では、駐輪場が無いのかと言えば、そうではないんですよ。天神のド真ん中に地下駐輪場が3ヶ所あるんですよ。知ってた?
利用時間は6:00〜24:30まで。利用料は一回100円。
そしていま、岩田屋の地下にさらに増設中なんですが、
それでもまだ足りないような気もします。
全国レベルで、ワースト1という不名誉な名前で知れ渡った福岡市はすぐさま指令を出した。
チャーリーズエンジェル・・じゃなかった、チャリ・エンジェルスの登場である。
えっ?ご存知ない? チャリ・エンジェルスとは、うら若き女性3人組がちょっと派手目の衣装を着て駐輪マナーの向上のために啓蒙をはかろうというもの。
もちろん3人だけでは福岡市のミッションは達成できない。駐輪場の増設や駐輪場利用のための啓蒙活動として
シルバー人材センタや派遣の人たちを使って福岡市内で毎日啓蒙活動を実施。
その数およそ百名?(推定)。
地下鉄の主要駅や天神地区の要所要所には、蛍光色のウィンドブレーカーを着た監視員が目を光らせているんです。
■駐輪場は増えたけど
地下鉄の駅周辺の路上には、これまでみんなが勝手に駐輪していたところに駐輪場が設置されるようになったんです。
政府の見解によれば、『「放置自転車」とは自転車駐輪場以外の場所におかれている自転車』のことと定義しています。
ですから、これまでと同じ場所に止めていても、そこが駐輪場であれば放置自転車にはならない。市側はそんな作戦に出たようです。
路上に簡単な駐輪施設を作ってしまえば、「放置自転車」といわれる自転車は激減するハズ。なかなかいいアイデアじゃないですか。
でもね、そうはならなかった・・・
だって、駐輪するのに100円必要なんです。
100円入れれば鍵がかかって、あとでお金が戻ってくるのかと思っていたんですよ。
「傘立て」でそんなシステムがあるじゃないですか。でもね、お金は戻ってこないんですよね。
で、どうなったかというと駐輪場には止めずに、その脇に自転車を止めるという状態。
だって、通勤途中に銀行に寄ってお金を引き出すための駐輪でも100円必要なんですよ。
利用してない人が多いみたい。
「私たちがいるところは止めないんですが、少し離れたに止めますからね。イタチごっこですよ」とは、監視員の弁。
これじゃちょっと気軽な乗り物とは言えなくなりますよね。自動車で来て駐車場代を「割り勘」したほうが安いじゃない!
毎日7時から19時まで2交代で、あれだけの人を長期間雇って、地下鉄の各駅で指導・啓蒙するって、いったどれだけのお金が必要なんだろう。
そんな予算があるなら、その予算を駐輪場無料化の方にシフトしたほうが、よっぽど効果があがるような気がします。
■もっと自転車を優遇してもいいんじゃない?
放置自転車や駐輪の問題は、自転車を使う側のモラルに負うところが大きいですが、
「駐輪場を使おう」といった小手先の対応ではなく、これからの少子・高齢化や地球温暖化を見据え、
自動車中心の社会の見直しを含めた対応が必要ではないかと思います。
「市が総力を挙げて取り組む地球温暖化対策」の中には自転車のことは、市民のアクションプログラムとして「近くへの用はなるべく歩くか自転車で行く。」とだけ記述。
やっぱり自転車は中心的な存在ではなく、邪魔者の位置づけなのかもしれないなぁ。
そして「乗っチャリパス」という連携パスまで作ったということは、周辺の駐輪場を利用して地下鉄で来なさいってことよね。
行政側は、少しずつ自転車環境を整えてくれているようですが、車中心の社会からの脱却を基本に据えた整備を進めて欲しいものです。
しかし、その前にこの街を住み良くするのは私たち。
ひとり一人がマナーを守ることが大切ですね。そして必要ならば「車社会からの脱却」の意思表示をする!。
できるところから始めて行きましょう。
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総務庁交通安全対策室
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チャリ・エンジェルス
彼女たちの活躍ぶりをご覧ください
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自転車がつくる環境に優しいまち
「都市交通における自転車活用事例」近畿地方整備局
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三越地下3F駐輪場
こんなところに駐輪場があろうとは・・・いったい何人知っているだろうか?
6月最後の日曜日。この日の天候は晴れ。路上は自転車であふれていても、三越の地下駐輪場の約半分は空き。
警固公園地下2F駐輪場
さすがに、この地下2階は稼働率がいいみたい。
警固公園地下3F駐輪場
でも、地下3階はガラガラ。ちょっと薄暗くて寂しい感じがします。
岩田屋Z-SIDE地下3F駐輪場
ここは、キャパシティが小さいこともあり、ほぼ満車。しかも自動二輪が多い。
一応100円が必要なんですが、管理人さんがいないんですよね。みんな100円払っているかなぁ。
天神ソラリア横
同じ日の歩道。路上の駐輪場に入りきれない自転車でいっぱい。
わざわざ地下の駐輪場に行く人は少ない?
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