呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
戦え! 少女たち 2
さて、三度やってきました『GUNSLINGERGIRL』vol.3である。
なんで3巻目なのに2かというと最初は『今日の1冊』で紹介したからなのだ。1巻目のレビューはここ。2巻目のレビューはここである。
なんか倍々ゲームで増えてるような気もするが。気にしないでおこう。
まず、個人的に。
トリエラ表紙キター! キター! キター! である。お嬢さん方の中で一番のお気にがトリエラだったりする。ヒロインのヘンリエッタも悪くないが少々類型的であるし、リコは少々ボーイッシュすぎ。アンジェリカは少々脆そうだし、クラエスは少々堅すぎる。というわけでトリエラが壺である。その表紙なのだ。しかも熊さん一緒だし。貴様は熊さん大隊長か。
などと異様に盛り上げているのだ。そうでないと痛すぎるから。何度も書いているが、この物語は、いや、全ての物語がそうかも知れないが、最終的には死しかない。めでたしめでたしにはなり得ない物語なのだ。
しかし、幸いにして今回は彼女たちを内面から襲う死の影は薄い。精々16話のアンジェリカの発作程度である。少しは安心できる第三巻
今回の第一話ははっきり言ってこれだけ読んだらただのラブコメである。しかし、ジョゼさん。なんか、どんどん顔つき悪くなっていないか。目つきがなんか別人みたいなのだ。隈浮いてるし。なんか、個人的な嫉妬で目つきの悪いおっさんだなと思っていたキルシャーより目つきが悪い。
で、バルザックの万華鏡とは、またマイナーなものを持ってきているではないか。それを他の女へのプレゼントだと思って泣いちゃうヘンリエッタも可愛いが、その謎を解くクラエスも可愛い。しかし、今回一番の壺は寝起きのリコだったりする。貴様、それは反則だろう。である。
で、次が我らがトリエラ対おそらくは少女達の宿敵に成るであろうピノッキオの話。
わあ、そういう手段で来たか。と舌を巻く。少女達の宿敵に少年を持ってくるとは、私は考えさえしなかったのだ。恐ろしや、作者。
でも、この兄ちゃんの側に立ったらあのゲームの主人公みたいになるのかも知れない。彼は青年だが。
消息を絶った部員の足取りを刑事に化けて追うキルシャーとトリエラ。その中でのトリエラの、
私は何から何まで偽物ですね。
に返すキルシャーの台詞が良い。
とにかく、堂々としてれば何も言われないさ。
おお、キルシャーが一番大人かも知れない。まあ、トリエラが安定していることからくる余裕かも知れないが。
部員の残したピノキオの本を読んだトリエラの感想。
めでたしめでたし。ふざけた話だ。
この世界の選択は、そうなってしまっているのだ。それが世界の選択であるのならば、いかしかたがないけれど、しかしあまりにも哀しすぎる。めでたしめでたしにはなり得ない物語。
で、負けちゃうけれどトリエラ大活躍の巻。作者やっぱりこの人銃が書きたいんじゃないかと。銃を書きたいが故に女の子出してるんじゃないか。そう考えてしまうほど銃には力が入っていると思う。しかし、これで痛み分け。おそらく再登場してくるのだろうなあ。この兄ちゃん。今までの敵の中で唯一まともな二人組と行動共にしている限り。
トリエラ編が終わって今度はアンジェリカ編。昔はこういう群像ドラマが刑事ドラマなんぞで良くあったが、最近は一部スターとその添え物みたいになってしまっているのが悲しい。影の軍団みたいな群像劇、どこかの放送局で作ってくれないだろうか。
アンジェリカ編なのに、美味しいところを持って行くのはリコだったりする。しかし、マルコーに褒められて、ここ、この瞬間ではめでたしめでたしである。なんかほっとするのだ。
で、最終話。4巻への引き。あの万華鏡がここまで効果的な小道具になるとは。老練なテロリストとヘンリエッタを結ぶのが壊れた万華鏡だった。渋い。渋すぎる。果たしてこの伏線どう生かすのか。それはまた4巻のレビューにて。 (04,3,4)