呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


なじみのゲーム屋

 なじみの店というものがある。例えば、朱雀における珈琲の『ランバン』さんだとか、お酒の『みのすぎ』さんだとか狸小路の『ライオン』さんがそれにあたるであろう。さすがに『木曽路』さんはなじみと言うほど行ってはいないと思う。しかし、大衆居酒屋の『つぼ八』さんでなじみの客になるというのは、あいつはどういうヤツなのだろうか。一緒に飲みに行った今年の冬の話だが、
 「朱雀さん、今日は鰍の良いのが入ってます。味噌汁にしたんですけど、どうですか」
 って、メニューにないぞ。そんな鰍汁なんて。というか、『つぼ八』さんでなじみになるなんて、どれだけ行ってるんだ? 貴様。
 また、『かふぇ・えるみたーじゅ』さんは冴速氏のお店だしなあと思ったりするのである。
 ま、それはさておき、残念ながら、今回はそんな粋な話ではない。私の場合は恐ろしくもいみじくもゲーム屋さんが行きつけなのである。
 哀しいけど、これ、真実なのよね。なのだ。
 私の自宅の一番近くの地下鉄の駅の前のゲーム屋さん。(何という悪文)ゲームの方は、プレステ2のソフトやらなんやら、やけにツボにはまった品揃えである。『ガン・グレイブ』も『ジージェネレーションネオ』も、ゲームボーイアドバンスSPも買ったのはこのお店屋さんだったりする。
 しかしである、ここで特筆すべきは、ゲーム屋さんなのにDVDが結構な品揃えであるということなのだ。
 いや、あの、ガオガイガーを買ってしまったのはこのお店だったりする。そうか。1年と半年前の私の認識は、あの店は古本屋であったのだな。などと再認識したりするのだが。しかし、この呆冗記もえんえんと書き続ければなんだか日記の替わりになりそうな予感もしてしまったりするのだ。がだ、60近くなってもやっていることは同じだとしたら、それはほむべきことなのであろうか。
 で、酔生夢民の4月26日には『ハンドメイドメイ』2〜5巻を買ってしまったりしているのである。(補足:4月26日に言った検索お姉さん。ちゃんと2巻であった。しかし、1巻欲しいなあ)
 その他にもあそこまで原作に忠実にせんでもええやないかの『キカイダー』『キカイダー01』のアニメ版とか、もうマ・クベ大佐ぁ。お懐かしゅうございますの『エリア88』を買ってしまっているのだ。
 今回買ったのは『超人ロック』のリバイバルバージョンDVD。エリ8などと同じ古い作品の再パッケージ版である。
 「ああ、『超人ロック』ですか。懐かしいですねえ。『ザッツアニメーション』っていう番組でやってたでしょう」
 このゲーム屋の雇われ店長のお兄さんが言う。
 「え、見てたの」
 ちなみに、『ザッツアニメーション』とは今から15〜6年前くらいに北海道民放で放送されていた番組である。毎週土曜深夜、『ミッドナイトスペシャル』という古い映画やらを再放送する枠で月に1〜2回(夏休み、冬休みは毎週だったと思う。たぶん)『ザッツアニメーション』と題してOVAを放映してくれていたのだ。(のどかな時代だったのだなあ)『ドミニオン』や『パトレイバー』、『王立宇宙軍』『アルスラーン戦記』などは、この番組で見た。古いVHSのテープを掘り起こせば、この頃のエアチェックしたVHSテープがどこからか出てくるはずである。
 この放映を、大学生だった私は土用のバイト上がりに「カラーイイカ」つまみにビールの500缶を片手に見ていたものである。
 もう少しましな思い出はないかという話はおいておいて、懐かしい青春の思い出なのだ。しかし、酒量確実に上がってしまっているな。なんとかせねば。
 ま、それは置いておいて、お兄さんである。
 「はい、小学生か中学生くらいでしたけど確かに見てました」
 ええっと!
 「をいをい。店長さん。貴方いくつだ」
 「はい今年三十路ですけど」
 ををい! 私は貴方まだ20代中盤だと思っていたぞ。
 「上杉さんこそおいくつなんですか」
 「来月で38」
 「ええっ! 私より二つ三つだけ上だと思ってました」
 これだから、丸顔のこの種の人間の歳は解らないのである。丸顔タイプは絶対に年若く見られるし、やせ形タイプは絶対に年取って見られるのだ。
 「三十路かあ」
 「38才だったんですかあ」
 お互いしみじみ。
 しかし、なんか、店長のお兄さんの視線には私の年齢を驚く以上のものがあったような気がするのだが、それは気のせいだろう。
 きっと気のせいなのだ。(03,6,20)


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