呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
英豪艦隊、迎撃
すあーて。GW前半、いかがお過ごしだろうか。私はというと仕事である。朱雀や久部さんや武田が昨日(27日)から楽しく遊びに行っているというのに、一人寂しく居残りなのだ。はあ。
しかし、こんな時にでも、人生そうそう捨てた物ではない。小白竜から電話がかかってきたではないか。
前々回、前回と迎撃を繰り広げてきたのだが、今回もなのだ。
「いやあ、上杉、実はな、ポテ太が札幌に来たのだ」
なんと、前々回、我々と『K』さんで死闘を繰り広げた外国人弟子、ポテ太くんが、再び来襲するというのか?
「そうなのだ。で、今回も迎撃を頼みたいのだ」
おう、合点承知。で、いつなのだ?
「26日で、どうなのだ」
了解した。場所は? 『K』さんでいいのか?
「うむ、全額貴様の奢りならば喜んでそこにしよう」
莫迦を言うな、今回は貴様もホストであろうが。
「では、なしだ。もう少し安いところはないのか? それに、もう一人、弟子が来るのだ」
もう一人?
「うむ、ぼーまんという気のいい奴だ。凄く飲むが、日本料理は少し弱い」
了解した。うーむ、しかし初めての人間がいるのならば安いところは駄目だな。
「うむ?」
第一、ポテ太君が散々吹いたのだろう。その、ぼーまん君に。前回の『K』さんの飲み会。で、来てみたら、あまりに違うというのは悲しいぞ。
「そう、だな・・・」
おし、『M』さんにしよう。あそこなら、酒については問題ない。料理だって、どこそこの何、というブランドはないが十分にうまい。おし、そうしよう。
というわけで、迎撃である。
ぼーまん君は英国の好青年であった。
「英豪連合軍というわけなのだ」
うーむ、そういう表現だと『りめんばあ れぱるす』とか『りめんばあ きんぐじょーじ5』とか言われるかと思ったがそうでもなかった。というのはギャグである。
『M』さんは何遍も書いているが地酒のおいしいお店である。
「あれ、上杉君、どうしたの。ほぉ、外人さんかい うえるかむ、じゃぱにーず とらでっしょなる ばあ 『M』 はうあーゆう」
うぉおおお、マスター、英語である。英語。私よりも流暢ではないか。
「まあね、昔、サラリーマンの頃少しね」
うーむ、フラクタル理論のことに造詣が深かったり、書についても一家言持っていたり、マスターの過去は謎に満ちているのである。
とにもかくにも、日本人は奴と塩辛。彼らにはザンギとフライドポテト。ポテ太君は鰹の塩辛、酒盗をうまそうに食べるが、ぼーまん君は駄目のようだ。が、ぺろっとザンギとフライドポテトを平らげる。
おおし、焼き鳥、豚精肉、つくね、どんどんいこう。日本人にはシマアジ刺身
「つくね いず ぽーくみんち。じす ばーず すぺしゃる でぃっしゅ」
「上杉さん、つくね、ポーク違う。チキン」
おお、朱雀好みの眼鏡のお姉さん、そうでしたそうでした。私の英語力なんてそんなものである。
ポテ太君はシマアジの刺身を「オイシイデス」といいながらぺろぺろ食べる。うーん。彼はもしかしたら本来日本人に生まれるべきだったのかもしれない。
「じゃあ、地酒、『田酒』出しちゃおう」
マスターも味のわかるポテ太君に大盤振る舞いモードである。
『田酒』ときたらお約束。馬刺なのだ。誰がなんと言おうと、我が仲間内ではそうなっているのである。
が、ぼーまん君は刺身系は全般的に駄目のようだ。
かくて、狂乱の1時間半は過ぎ去った。4人で1升2合の酒を飲み、あんだけ食って勘定が一人5千円を切るのである。ははは。やっぱり安いぞ『M』さん。
というわけで、日本人勢は満足して店を出たのだった。
「どうだ、満足したか。ポテ太、ぼーまん」
小白滝がそう聞く。しかし。
「うい あー はんぐりぃ あ りとる」
うぉおおお。すまなかった。やはり外人さんの胃袋はサイズが違う。をし。もう一軒。メニューが全部300円の居酒屋で飲み放題である。未だかつて仲間内で誰も頼まなかった『ジャンボチキンカツ』である。さあ、なんでも頼んでいいぞ。
ステーキ、ピザ、ツナの刺身、何でも来い。
ジャンボチキンカツには歓声が。300円ステーキにはブーイングが巻き起こる。
「写真とはどう見ても大きさが違うようだが」
ぼーまん君がまじめに聞いてくる。
ま、日本の居酒屋である。そういうものだ。と納得させるのには骨が折れた。
逆に言うとぼーまん君。君の酒量は日本の飲み放題のレベルを逸脱しているのだ。おかわりを注ぎに来るお店の人の表情が引きつっているように見えるのは気のせいか。
「しかし、日本のビールの味はみんなおんなじです」
ポテ太君が言う。
「そんななかで、私はアサヒドライが一番おいしいと思います」
う・・・。そういうものだろうか? ま、最近私は発泡酒ばかり飲んでいるので正論を吐くことは出来ないが。
「じゃあ、また来たときに、遊んで下さい」
そういって、満腹した英豪艦隊は帰っていったのだった。はあ、まじめに良く飲み、良く喰う連中であった。
うーむ、しかし、今度来るときは3人に増えて、英米豪艦隊になるのではなかろうな。なんだか、まじめに太平洋戦争ではないか。
その時には・・・。
この肝臓(ふね)では、彼らに勝てない。(02,4,28)