橙色の霞の中で〜Glacier紀行 2001夏・前編(1)
【8/31-9/2/2001】 Hidden Lake Trail
【8/31-9/2/2001】 Hidden Lake Trail
Day-0 (8/31) : PROLOGUE
〜初めての親孝行か?〜
実は今回は、自然好きの両親の還暦祝いにと、二人を一週間、日本からGlacierに 「まるまるご招待・ドライバー兼通訳兼ガイド付(ポーター無し:-)」 という趣向。 思えばこれまで親孝行らしい親孝行もしてこなかったので(別に親不孝もしてこなかったので、それ自体が親孝行と開き直ることもできるが)、 こんなプレゼントもたまには良かろう。 ただしそれも前半だけで、 後半は「お客さん」を日本に帰し、 あとは一人で歩きたいだけ歩き倒そうという計画でやってきた。 ...もちろん、 これによりかの歴史的大事件(の遠い遠い余波)に巻き込まれることになろうとは、 この時は知る由もない。
神戸を発つ金曜日の朝は、 いつも通りバタバタであった。 朝イチで自分がこれから立ち上げるプロジェクトのための承認会議をUSのマネージャー達とやらねばならず、 そのプレゼン準備でこの一週間は毎日午前様、 旅行の荷造りが危ぶまれる。 そのお陰で結局 木→金 は見事に繋がってしまった。 時差ボケ対策にはいいかも知れない? ご冗談を。 無事プレゼンも終わり、 一目散に帰宅、 最後の準備にとりかかるも、 正午頃、 猛烈に眠くなる。 しかしここで目を閉じたら最後、 夕方関空発のフライトに間に合わないことは必至につき、 必死の思いでふんばりまくりなんとか12時半に家を出る。 三宮からエアポートリムジンに乗り込んでしまえばこっちのもんだ。
成田から飛んでくる親二人とはシアトルの空港にて、 滞りなく合流。 入国審査時に「今晩の宿泊場所が書かれていない」「知らない。My son knows。」 「Where's your son?」「えー、あー、different airplane、フロムオーサカ」 「そんなこと言って、 今回だけは許してやるが、 次回からはダメだ。」 などとモメたらしい。 でも聞かれても決めてないもん。 Day's Inn とか適当に言っとけばいいんですよ(結局kalispellではDay's Innに泊まることになったが)。
Kalispell行フライトは午後2時なので4時間近く余裕がある。 バスでシアトル街中へ。 とはいえ街の観光を十分できる時間的余裕があるわけでもないので、 結局Bay/Pier周辺へ案内し、 ランチを食べるに留まった。 空港へ戻るバスが遅れ、 ヒヤリとする場面も。 しかしそれ以上にKalispell便フライトは遅れ、 結局空港で待たされたのだが。 んで、 人生初アメリカとなった、 北海道育ちの父親のバスから見たシアトル周辺の感想、「なんか北海道と似ている。」 ...そうなんです、 気候的にも植生的にも割と近いんだよね。
現地Kalispellで適当に宿をみつくろい、 夕暮の頃、 Apgarへビーバーを見に行く。 さすがに熟練(?)ガイドの経験がモノを言ってか、 ほぼ活動時間にドンピシャ。
Day-1 (9/1) : Amtrak, GTTS、晴のち曇
〜父上、 高山病ですか?〜
ちょっとしたオプションである。 朝早くに、 Kalispell のすぐ北の街 Whitefish にある Amtrak Station に親を送り、 その場で Amtrak Ticket を二人分購入(WFH→GPK:$22/person)。 今から午前中、 3時間ほどAmtrakの旅、 それも全米中の大陸横断ルートでも屈指の景色と言われるロッキー越えを堪能してもらおうという趣向。 Amtrakでゆっくりと景色を楽しみながら Dining Car での朝食は好評だった。 その間、 不肖ツアコンはAmtrakには乗らず、 Kalispellで買い出しののち車でAmtrakを追いかける形で、 降車駅の East Glacier Park に迎えに上がる。 ま、 その後また車でWest Glacierまで戻り、 GTTSを西から登るのだが。
いつものように西からLogan Passまで登り、 Hidden Lake Trail を歩こうとするも、 風が強く、 薄曇の肌寒い天気。 母親は歩く気満々で元気(なんやよう知らんがホンマ元気)だが、 父親のテンションが低い。 曰く、 「高山病かも。」 偏頭痛らしい。 どうやら時差ボケが引き金か。 車で休む父を置き、 軽く足慣らしに Hidden Lake OL まで歩く。 天候が芳しくないせいもあり(時折小雨も)、 動物も全く姿を表さない。 V.C.前のGround Squirrelだけが変わらず訪問客に愛嬌を振りまいている。 今イチのコンディションではあるものの、 初めての母は感激と興奮が見てとれる。 その後、 仮眠で復活した父も連れ、 3人で軽〜く Highline Trail にも。 風が強い日は、 このトレイルの断崖絶壁部がコワイ。
夕刻はApgarに戻り、 Lower McDonald Creek 途中のOxbow Bend でゆっくりビーバー観察。 ちょっと遠いが、 のどかに水草を食んだりしていて見飽きない。 と、 その時、 奥の水場にElkの群れが。 スンゴーイ。 しかしちょっと遠すぎてうまく写真には写せない。
- ハイク本日分:4.5mi 計:4.5mi(7.3km)/1day
Day-2 (9/2) : Hiking to Hidden Lake、晴のち霞
Apgarで朝イチ(時間ドンピシャ)でビーバーの写真を撮ったりなんかしつつ過ごす朝。 風は強いが天気は素晴しい。 改めてGTTSを登り、 そして今度は3人で Logan Pass から Hidden Lake Trail を歩く。 当然ボクのガイドなので Overlook までで終わるはずはない。 足慣らしには丁度良い一日コースだ。
Goatが子供を連れて至近距離を闊歩している。 ライチョウ(Ptarmigan)もトレイル脇でひなたぼっこ、 マーモットも顔を出したりと、 なかなか和やか&賑やかな初秋のハイ・メドゥトレイルを、 Overlook をこえ Hidden Lake に降り立ち、 冷たい流れを渡り Primitive Trail に入る。 周囲に何かで地面をえぐったような跡が散見されるが、 これはグリズリーベアがグレイシャー・リリーの根っこ(球根部)を掘り起こした跡ということだ。
湖面がキラキラ輝く脇、 湖に沿ってトレイルが消える直前まで歩き、 ランチ。 しかし父の頭痛がぶり返しはじめ、 若干ツラそうになってきたため早いところ引き返そうということになった。
〜 橙色の霞の中へ 〜
Rising Sun Motor Inn にチェック・イン後、 ちょっと Many Glacier へドライヴすることに。 しかし、 "Moose Fire" と呼ばれる公園北東端(厳密には園外)付近で発生している山火事の影響で、 風向きが西風になる夕方、 Many Glacier Valleys はボウッとオレンジ色の不気味な霞(煙雲)に包まれている。 朱色の太陽が Mt. Wilbur の左上にゆらめく。 わお。 こんな光景初めて。 そんな中、 1頭の Black Bear が車の前をそそくさと横切って森の中へ消えた。
M.G.H.にてスライドプログラム "History of The Park" をみるが、 途中から記憶がない...
- ハイク本日分:8.0mi 計:12.5mi(20.0km)/2days