水凪新人のPC講座♪

Thanks:muuchan


スパムメール対策をしましょう

 スパムメールの流通量が増えています。本来なら便利であるはずの電子メールが、これらの選り分けで不便になり、友人からのメールでさえ間違って破棄してしまうケースが出ています。 そこで少しでも快適にメールのやりとりを楽しむ事ができるよう、対策を講じてみましょう。

1:メールアドレスの公開を工夫してみよう

 HPを開設している人なら誰しも連絡先として公開しているメールアドレスがあるかと思います。しかしながら、スパムメールを送りつける業者やウィルスは、こうしたメールアドレスを自動的に収拾するツールを使ってアドレスを取得し、無駄なメールを無差別に送りつけてきます。
 こうした行為に対処するにはメールアドレスを公開しないのが一番なのですが、それではメールの便利さがありません。そこで公開する際にはこうした工夫をしてみましょう。

  1. メールアドレスの一部を変換する。たとえばabcdefg@biglobe.ne.jpがアドレスだとすると、@の部分を*等に置き換えます。ただしこれだと単純なのでカタカナ表記でエービーシーデーイーエフジー@biglobe.ne.jpなどとして読み替えてもらうという手段があります。
  2. エンティティコードを利用する。これは私が利用している方法ですが、メールアドレスをエンティティコードによって書き換えてくれるソフトを利用します。この場合はブラウザのアドレス欄に、コピーしたエンティティコードをドロップするとブラウザがコードを翻訳してくれます。
  3. 暗号を組む。この場合は日本語キーボードのカナ表記を暗号として使うという方法があります。たとえば「カレーは好きですか?」なら実際には「t;-frgw@rt/」となり、この中のメールに使えない文字を除外すると「t-frgwrt」というランダムな文字列ができあがります。

 HPを開設してる人は、こうした工夫をしてみることが大事です。


2:スパムメールのフィルターをしよう

 1のような対策をしていても、スパムメールが届きだしたらどうしたらいいでしょうか?

 今は大手のISPであれば、スパムメールを選り分けてくれたりウィルスメールを削除するサービスがあります。ISPにサービスが無くてもブロックツールやフィルターソフトを使用したり、さらにメールソフトの設定で自動的にスパムメールを選り分けることが可能です。これらを上手く利用することが快適なメール生活を送るコツです。

 まず良識的な宣伝を行う業者は、総務省の規定にある〔未承諾広告〕〔未承認広告〕のどちらかを件名に付けてきます。そのため、受け取りたくない場合はこれらのキーワードでブロックやフィルターを行うことができます。

 次にそうした指導を無視したスパマーによるメールですが、BIGLOBEなどではスパムメールの判定サービスを行ってくれます。具体的には〔spam〕という文字列が判定に引っかかったメールにはついてくるようになり、これを選り分けの材料にすることができるのです。
 さらにウィルスバスターなどのソフトにはスパムメールの判定機能がついており、判定に引っかかったメールには〔meiwaku〕という文字列が加わります。これにより、これらの文字列がついたメールは、そのまま削除するようにメールソフトを設定しておけば、煩わしいメールを見る必要もなくなります。
 ただし・・・・・・・これらの機能は絶対的な物ではありません。大切なメールであってもちょっとした事で引っかけてしまうこともあるのです。そこで行って欲しいのが必着設定です。
 ISPのサービスややフィルターソフトには問題のないアドレスを登録しておけば、スパムメールの判定を行わなくなる設定ができます。ここに友人や取引先のメールアドレスは登録しておくといいのです。そうしておけば、大事なメールが破棄されてしまうこともありません。

 最初の登録は面倒ですが、是非やってみましょう。


3:スパムメールをブロックしよう

 たしかにフィルターを利用することで、スパムメールの選り分けはしなくてもよくなりましたが、実際にスパムメールが来ていると受信にも時間が掛かってしまいます。そこで利用するのがBIGLOBEなどで提供しているブロックサービスです。

 これらは特定のキーワードに反応して、メールをサーバー上で削除してくれるサービスです。

 まず設定のコツですが、件名で先に挙げた〔未承認広告〕〔未承諾広告〕をブロックするようにします。さらに〔出会い系〕〔援助交際〕等のNGワードもブロックするようにします。これだけでかなりのスパムメールをブロックできます。

 さらに意味のない文字列を使ったりしている悪質な業者の場合は、ヘッダーの中のホストやIPアドレスを弾く方法を使います。ヘッダーは届いたメールのプロパディで見ることができます。以下に上げるヘッダーはスパマーを助成している悪質ISPの物です。

Return-Path: <*****************@pop21.odn.ne.jp>
Received: from rcpt-mafgw.biglobe.ne.jp by biglobe.ne.jp (RCPT_GW) id HAA09772; Thu, 28 Jul 2005 07:31:27 +0900→Day27 22:31:27 (JST)
Received: from biglobe.ne.jp by rcpt-mafgw.biglobe.ne.jp (kttd/4913190505) with SMTP id j6RMVQY4009764 for <*******@***.*******.ne.jp>; Thu, 28 Jul 2005 07:31:27 +0900→Day27 22:31:27 (JST)
Received: from rcpt-impgw.biglobe.ne.jp by biglobe.ne.jp (RCPT_GW) id HAA12462; Thu, 28 Jul 2005 07:31:26 +0900→Day27 22:31:26 (JST)
Received: from smtp.odn.ne.jp
(92.80.113.221.ap.yournet.ne.jp [ 221.113.80.92 ]) by rcpt-impgw.biglobe.ne.jp (kmfn/1311190705) with SMTP id j6RMVJBr012302 for <*******@***.*******.ne.jp>; Thu, 28 Jul 2005 07:31:25 +0900→Day27 22:31:25 (JST)
Date: Thu, 28 Jul 2005 07:31:25 +0900→Day27 22:31:25 (JST)
Subject: [spam]=?ISO-2022-JP?B?kouK1IK+gq+CzIn1inmBYw==?=
From: ****************@pop21.odn.ne.jp
To: *******@***.*******.ne.jp
Message-ID: 20050728073124
Content-Type: text/plain; charset="ISO-2022-JP"
Content-Transfer-Encoding: 7bit
MIME-Version: 1.0
X-Biglobe-VirusCheck: Thu, 28 Jul 2005 07:31:26 +0900→Day27 22:31:26
X-Authority-Analysis: AcEEno4ABAAFABgAOwA4AAA=
X-Biglobe-spamcheck: 100.00%
X-UIDL: 799492719268725F925662085Fc99998CO5F255

 注目して欲しいのは赤く表示したIPアドレスの部分です。一番上の行を見るとODNユーザーから送られてるように偽装されていますが、赤で表示したIPアドレスを見ると本当は「yournet」から送られた物であることが分かります。つまりブロックすべきは〔ap.yournet.ne.jp〕なのです。この場合は、ヘッダーの中の〔Received〕に〔ap.yournet.ne.jp〕が入っているメールをブロックすると、このISPからのメールは一切届かなくなります。ぶっちゃけこのISP使ってるような所はろくな所無いのでスパッと切っちゃって結構です。

 他のスパムメールの中にはIPアドレスだけで、ホスト名が乗っていないところもありますが、その場合はIPアドレスをブロックしてください。

 ただしこれらは全て被害者である我々が行える受動的な防御策でしかありません。スパムメールに対して能動的に反撃するにはどうしたらいいでしょうか?


4:スパムメールに反撃しよう

 スパムメールへの反撃を行うにあたって絶対にしてはいけないことがあります。

  1. 苦情を書いて返信しない。これはしても意味がありません。メールアドレスが生きていることをスパマーに知らせるだけです。さらに偽装アドレスの場合は、何の関係もない人に苦情メールが行くだけです。
  2. 配信停止を希望される方は〜を信用しない。これもメールアドレスが生きていることをスパマーに知らせるだけですので意味がありません。
  3. IPアドレスのみの物は素直に諦める事。これは最初からスパム業者やゾンビPCを利用した物なので苦情を書くだけ意味がありません。苦情を書くとかえって増えます。

 以上をふまえて反撃編と行きましょう。

 先に挙げたヘッダーを〔迷惑メール(spam)対策用メールヘッダ解析 hdpar 〕などを使って解析を行うと、実際に送られてくるホストは多岐にわたります。
 BIGLOBE・OCN・ODN・NTTPC・SO-NET・nifty・KDDI・FreeBit・USEN等々、海外のホストも含めると呆れるほど多岐にわたります。

 スパマーに対する反撃はまずこれらのISPに対してメールを添付して苦情を申し入れる所から始まります。そうすると真面目に迷惑メールに取り組んでいるISPはすぐに対策を施してくれます。対応の遅いところでも1週間ほど苦情を入れ続けているとアカウント停止などの対応をしてくれます。これは効果的です。スパマーの利用できるルートをシャットアウトできるのですから。
 しかし中には全く対応してくれない業者もいます。こうしたところがスパマー助成ISPです。今のところFreeBitはどれだけ苦情入れても対応してくれませんので、完全にホストそのものをシャットアウトしています。まともなISPではスパムメールを届けることができず、こうしたISPしかルートが無くなればスパマーにとっては痛手になります。
 海外ホストの場合は英語に自信がある方は、苦情を出してみるのもいいでしょうが、そもそもそこに友人がいること自体がそうあることではないので、素直にブロックサービスを利用してもいいかと思います。

 さて問題はIPアドレスのみのスパム事業者やゾンビPCへの反撃です。
 これへの反撃は個人でするのは難しいのですが、スパマーの一番の痛手となることはなんでしょか?それは出した迷惑メールがネットの中を流通しなくなることなのです。
 実は迷惑メールが流通しだした頃から、ずっとヘッダー解析をしてきてある結論が出ています。それは一番悪質なスパマーはホストを利用しないで自前のサーバーかゾンビPCからの直接送信を行う。ということです。
 つまりIPアドレスだけでホストを経由していないメールをネット上でカットすれば、大半のスパムメールは流通しなくなるのです。
 そこで今現在利用しているBIGLOBEに対し、ねばり強く要望をだしていたところ、ホストを通さない大量直接発信のメールをカットするシステムを構築することが発表されました。これによって今後はこうした直接発信タイプのスパムメールも減ると思われます。サービスの開始が待ち遠しいですね。


5:終わりに

 個々の努力で反撃するにはインターネットが巨大すぎ、スパムメールに対しても自分たちではどうしようもないと考えるかもしれません。しかし、大事なのはネットは自分だけでなりたっている訳じゃないと自覚することです。
 スパムメールで困っている人みんながスパマーの使うISPに苦情を出せば、ISP事業者も対処しないわけにはいきません。諦めることなくひとつひとつスパムメールの芽をつみ取っていきましょう。


昔々の書き物

1:PC基礎講座(2001年4月21日小変更):ここではPCの構造やトラブル回避、お奨めの強化方法を中心に上げています。

2:画像ファイルあれこれ(1999年12月26日):お奨めの画像形式とツールの紹介です。

3:PCメンテナンス(2000年2月19日):PCがなんだか調子が悪い時のメンテナンス方法を中心に上げています。

4:Windows2000導入レポート(2000年12月9日小変更):Windows2000の導入に興味のある方だけではなく、Windowsそのもののレポートもしています。

 ここに載っている事例については私のPC環境による物なので、必ずしも皆さんの環境全般に通じる物かどうかは保証の限りではありません。滅多に起きないことではありますがメンテナンス方法を参考にして調子が悪くなったからといって、責任をとれる物ではありませんのでご承知をください。ちなみにPCの改造を行うこと自体が自己責任で行わなければいけませんので、保証期間内であっても保証対象外品となりますのでお気をつけください


お役立ちリンク集♪

むーちゃんから教えてもらった便利なHPです。

マルチメディア用語辞典「座右」