ここではPCそのものの構造説明と、一般的にありがちなトラブルの回避方法、PCの強化方法をなどについて触れてみましょう。
まずPCを外から見ると見えるのはケースです。このケースの中に様々な機器が納められておりPCの骨格を作っています。しかし普通に売られているPCケースのネジをとってふたを開けてみると、意外に中は物が詰まっていません。私のPCを例にしますと以下のようになっています。 マザーボード:いわゆる基盤。ボードの規格によって扱える電圧やクロック数が決まっており、古いPCの性能を上げようと思ったら交換が必須条件になってしまうパーツです。平べったい板状の物から箱状になっている物まで様々です。人の体に喩えれば神経かな?ベースクロッックと電圧の管理を行っているので、PCの性格はここで決まると言っても過言では無いかもしれないです。なお、マザーボードの規格管理を行う部分をチップセットと言っています。 で、ここで何をするのかと言えば、神経にあたるものなので、各種機器との間の情報伝達がマザーボードの仕事です。この伝達速度の速さを表すのがFSB(ベースクロック)で、1996年頃には50MHz位だったのが、年々高速化していき、2001年4月現在では100MHz〜400MHzといった数値にまでなっています。 この基盤にIDE、PCIバス、ISAバス、CPUソケット、USBコネクタ、RGBコネクタ、パラレルコネクタ、シリアルコネクタといった接続装置が組み込まれていて、HDD・CRT・RAM・ROM・プリンター・CPU等を接続していきます。 CPU:PCの頭脳になる部分です。クロック数(MHz単位で表される)が高い物ほど計算速度が速く複数の作業をこなすことが出来るCPUになり、同時に扱えるソフトも増えますが消費電力も多いです。作動中はかなり熱くなりますので放熱対策をしっかりしたほうが性能を維持できます。近頃ではGHz単位(1GHz=1000MHz)のCPUが登場しています。 ただしマザーボードのベースクロックや電圧又はメモリーが足りないと、規格のMHz数まで働いてくれなかっりします。最悪OSを破壊する事にもなりかねませんので必要環境を満たしているか確認して下さいね。また差込の形状違いもあるので基本的に使い回しが難しいパーツです。 以前は Socket5/7/370 Slot1/Aなど多数の規格がありましたが、2001年4月現在はSocket370/A PGA423の3種類が主流になっているようです。 RAM:ランダム・アクセス・メモリーの略。容量が大きいほど同時に展開できるソフトが増えます。ソフトに作業させるテーブルみたいな物です。ソフトが大きいほど作動させるテーブルも大きくないといけません。容量の目安としてはCPUのクロック数の8割程度あると、性能をフルに発揮させることができる様ですが128MBあれば通常は不都合なく使用できるはずです。 これもマザーボードのFSB高速化に対応して、動作速度が次々と上昇した製品が多いです。現在主流の製品は3種類で[SDR DIMM] [DDR DIMM] [RIMM]になります。それぞれマザーボードの規格などで使えるものが限られますので購入時には気を付けましょう。 ROM:リード・オン・メモリの略。PCの基本動作を覚えていてくれる部分で、電源が切れてもHDDと連動してPCの設定を保っていてくれます。書き込みは基本的に不可なのですが動作ログを中に残しており、前述のマザーボードの動作や規格を決定している大切なパーツです。PCのBIOS設定などが保持されている部分ですね。 HDD:ハードディスクドライブの略。データーの記録装置でウィンドウズなどの巨大なOSを納めています。その他のソフトも丸ごと納めておくことが出来るので、わざわざCD−ROM等からアプリケーションを起動する手間がはぶけます。 このHD上で作業することも可能ですが、基本的にはメモリー上で作業しないと話にならないほどアクセススピードは遅いので、位置づけとしては押入のような物だと考えてください。 空き領域がドライブの1〜2割は空いていないとフリーズしてしまうケースが多いので要注意! FDD:フロッピーディスクドライブ。いわゆる外部記憶装置で、近頃は大容量のZIPドライブ・MOドライブ・DVD等の記憶装置が出てきています。 CD−ROMドライブ:多くのソフトを配信している大容量配信メディアです。書き込みが出来る物もあるのですが、他の大容量ドライブが増えたためか配信専門になりつつあった・・・・・・・のですが、書き換えの出来るCD-RWという製品が安くなってきたので記録メディアとしても注目されています。 VRAM:ビデオメモリーのことで画像の表示力を補助してくれています。最近の高画質かつ動きの多い画像表示には欠かせない装備になっています。交換するとPCの画像表示が良くなる事が多いです。 後付で付けるグラフィックボードやビデオボードは極めて性能のいい物を積んでいます。とくにAGPスロットを使った製品は高性能なので、マザーボードが対応していればそちらがお勧めです。 CRT:ディスプレイのことですね。15インチ程度が一般的ですが、16〜18インチの大きいサイズの物が増えてきています。一般にブラウン管使用の物をCRT、液晶使用の物は液晶ディスプレイと呼びます。後者はノートパソコンに標準装備ですが、近頃はデスクトップ型にも増えてきました。 電源:文字通り電源で、主に家庭用電源をマザーボードが必要とする電力や電圧に変換する役目をしています。 ・・・・・・・なんか分かったような分からないような単語が続きましたが、普段はそれほど気にしなくても良い部分ですね。パソコンを強化して使いたい場合に以上の装備を交換したりすると、劇的に動作が良くなったりします。 |
2:OSってなに? おもわずタッ○おじさん状態に陥りそうですが、オペレーティングシステムの略で、プログラムを動かすための速記術辞書が入っていると考えてもらえばよいでしょう。画面上に表記された文字や画像を伝うことでプログラムを起動するタイプが多いと思います。 OSの最大の仕事と言えばPCの動作を管理することです。WindowsやMacは巨大なOSで画面上に出ているポインターやショートカットで操作してしまえます。クリック一発で開くソフトはそのためにOSがソフトを起動するための手順を肩代わりして行ってくれています。ショートカットやスタートメニューが速記文字でクリックが辞書を開く動作に当たると考えてもらえば良いと思います。こうした情報を統括しているのが「レジストリ」で、これが狂うと正常作動しなくなりますのでファイル移動には気を使って下さい。 近頃はPC−UNIXといったOSも普及してきておりLinuxなどが有名です。対応ソフトが今後増えるかな?っと考えていますがWindowsやMacに比べると操作設定が難しい部分があります。ただし非力なマシンにむち打って使うぐらいなら割と動作が軽い利点を生かしてみるのも良いかもしれないです。 なお、普段は意識していませんが、PCの基礎動作を決めるマザーボードの動作管理をしているのがBIOSで、これも一種のOSです。 |
事をWindows3.0〜9xシリーズに絞るとトラブルは必然です!プログラムが動作するときに一時ファイルとしてレジストリのマークを残していくことによってHDDがいつの間にか狭くなるし、いくらメモリーを増やしてもシステムリソースが足りなくなって「メモリー不足です」といきなりな警告出してプログラムを強制終了してしまう。新しい機器を接続するとアプリケーションが立ち上げられなくなるetc。非常にに始末の悪い動作をすることが多いですね〜 でもこうしたトラブルはちょっとしたPC設定やソフトで回避できたりする事を知っていますか? HDDやCD−ROMの構成などで起きるトラブルを回避するには、器具接続のドライブ設定を固定してやることが必要です。新しくMOドライブを増やした時なんかに今までの構成が知らぬ間に変更されてしまうことがあります。それによってせっかくインストールしたソフト類が使えなくなってしまう事があります。これはドライブの構成を勝手に変更しないように固定設定してやることで回避できます。でもここら辺の設定は結構難しいです・・・・・・・・・ そんな訳で私が愛用しているのが「ノートンユーティリティーズ」ってソフトでして、ドライブの構成エラーやアプリケーションの起動情報の入ったレジストリ、移動や消失してしまったショートカット先なんかをまとめて見つけてくれちゃう便利なソフトです。Windows上のツールでは回避できないトラブルも多いので、こうした市販ソフトを積極的に利用してみて下さいね。レジストリの無駄な書き込みも削除してくれるのでお奨めです。 んで、皆さんもやたらと経験があるであろう「メモリー不足です」の警告・・・・・・・・これはどれだけメモリー増やしても無駄なんですよね〜(ため息)これはメモリーを増やしてもWindowsがシステムリソースに置き換えてくれないからなんです。もう一つはメモリー上で作業していたアプリケーションを終了してもメモリーの上から何故かどいてくれない事で起きます。これによって作業環境は足りているはずなのに何故か不足するという事態が起きます。これの回避方法は3つばかりあります。 一つ目は常駐しているプログラムを少なくすること。出来る限り少なくしていくことでシステムリソースの消費が押さえられます。とにかく大量の常駐プログラムが組み込まれているWindowsのことですから使わない物は立ち上げないことが肝心です。起動時にタスクバーに並んでいるプログラムが常駐プログラムです。このうち常に起動していないとまずい物を除いて起動しないように設定して下さい。 二つ目はメモリーをリフレッシュする事。リソースメーターを見ていてシステムリソースを消費しまくるアプリケーションを見つけたら、その作業の後では再起動をかけるとメモリーがまっさらに戻ります。でもそれが面倒な方はメモリ管理ソフトを採用して下さい。メモリー上の残留領域を解放して回ってくれます。ちなみに、近頃お奨めのメモリー管理ソフトとして、フリーソフトとして配布されているメモリークリーナがあります。Windows専用なのがもったいないです。Mac用も出してくれないかな〜 三つ目はHDDスワップを積極的に利用すること。メモリーをHDD上の仮想メモリー領域に積極的にアクセスさせて、無駄に容量を使わせないようにする事です。このやり方では仮想メモリーを自動設定にせず専用のドライブを作って領域を確保させ、そこにアクセスさせることで安定動作させることが出来ます。このやり方はメモリー管理ソフトを使っていると最大限の効果を出すようです。 突然固まったまま動かなくなるPC。これもメモリー不足から起きることが多いのですが、HDD上のトラブルでも起きることがあります。これはHDDの見かけの空き容量と実際の有効な空き容量が違うことが多いからです。 上で説明したメモリーのHDDスワップが起きるときですが、HDD上の連続した空き領域を使用します。したがってHDD上のデーターが整理されていないと有効に使える領域を見つけられずにパニックを起こします。これを防ぐ有効な手段が前述したスワップ専用ドライブを使用する方法です。また、HDの中身を整理するデフラグといったツールで見通しを良くすることが大事です。 あと、前述していますがドライブの1〜2割が開いているようにして下さいね。少ない空き容量だとHDDスワップを行うスペースが不足することが多いです。また、仮想メモリーを専用ドライブに固定してやってもアプリケーションが動作ログを一時ファイルとして残して回ることが多い為、そのスペースが不足するとWindowsがまともに動かなくなるケースが多いので、空き容量の確保は重要なポイントになります。 忘れちゃいけないのがコンピューターウイルスですね。インターネットに接続している以上はつきまとう危険ですので仕方ないですが、ある程度防ぐことは可能です。一つはブラウザのJavaやActiveXの設定を切っておくこと。またメールの添付ファイルは自動で開かないようにすること。オンラインソフトは信頼性の確保できるサイトからしかダウンロードしないこと。こうした事で多くは防ぐことが出来ます。でも最大の方法はウイルス対策ソフトを導入することでしょう。近頃はオンラインで最新情報をアップデート出来る物が多いので新しい種類のウイルスに対してもかなりの確率で対応できるようです。私は「ウィルスバスター2001」を愛用しています。 |
PCを使っている時になんとなくストレスを感じてしまうことがありませんでしょうか?処理オチするポリゴン、進まない画像処理、突如として重くなるPC動作、とぎれる音楽再生etc。 こういうときは不足している機能が問題になっていたりします。ちょっとした機能強化を試してみませんか?ただしメーカーが保証している増設環境を確認しておいてください。保証外の増設を行うことはユーザーの自己責任で行うことなのでサポート契約していても保証の範囲外になります。 メモリーを増やそう:@で説明したように、作業用のテーブルみたいな物がメモリーです。1996年頃のパソコンなら8MBも付いていただろうか?っといった感じでしたが、今や新品では64MBが標準。でも年々重くなるアプリケーションやOSを動かすのに必要だから増えてきたのが現実です。 さて、現状の64MBって数字ですが決して充分な数値とは言えません。これは@で説明したとおりCPUのクロック数の8割程度が最大限に動かす為には必要だろうと考えるからです。でも実際には狭いままですので、テーブルの大きさが足りなくなるとOSがどうするかといえばHDをメモリー代わりに使用するようになります。この時のHDとメモリーの速度差はなんと1:10近い物がありますので突如PC動作が重くなるわけですね。 作業環境を充分に確保する目安はWindows98を使用しているのであれば128MBは欲しい所です。大きいほど動作がなめらかになります。私は現時点で256MB搭載しています。 バスボードを活用しよう:CバスはNECの9800シリーズの専用ボードでしたが、PCIバス、ISAバスなんかは近頃の機種には標準的に付いています。ノートパソコンのPCカードもバスボードの一種です。デスクトップで近頃多いのはPCIかな?PCの機能強化に役立つ物が大量にラインナップされているのが魅力ですね。 SCSIボードは結構おなじみで、外付けHDやスキャナーやMOといった機器を接続できる便利なボードです。Macが撤退しちゃったみたいですけど・・・・・・・・・・ グラフィックボードやサウンドボードはお奨めです。画像処理の関係はVRAMの能力がまともに出るのですが、これが交換不可能な機種もあって(私がそう・・・・)こういうときに代わりに動作してくれるグラフィックボードはありがたいです。また音源が不足しているPCでサウンドボードを使うと音飛びが防げたりするので非常に便利です。ちなみに近頃のパソコンにはグラフィック関連カード専用のバスとしてAGPスロットを備えた機種が多いです。 思い切った事をするならIDEボードがお奨めです。これはマザーボード上のIDEコネクター不足を解消するだけではなく、HDやCD-ROMドライブとの交信速度を上げる機能を持っています。もう少しの快適さが欲しいときに利用してみるのも良いでしょう。 以上、いくつか説明してみましたが、だいたい2〜3本しかスロットがないので、本当に必要なものに絞って選択した方が良いでしょう。私はSCSIボードを採用しています。 CPUを交換してみよう:最近のCPUの早いこと。1996年頃には最高でも100MHzしかなかったクロック数が今や1GHzを突破しています。1998年位のPCでも200MHz前後が珍しくないですので、CPU交換によるクロック数アップが大幅なパワーアップにつながることが多いです。 CPU交換時に気を付けるのはデーターのバックアップを取っておく事です。なにせ適応機種に入っているくせに個体差で動かなくなる事もあるそうなので。後はできれば冷却ファンや放熱板を含めてセットになっているアクセラレーターの状態で購入した方が無難でしょう。今まで付いていた物を流用するには放熱能力が不足して緊急停止したり、最悪CPUがやけ切れたりしますので。また起動時に必要なメモリーが確保されているかも確認しましょう。 後はマザーボードの電圧管理やベースクロック数がどうなっているか調べましょう。CPUはマザーボードの電圧が足りないと駆動してくれません。電圧を調節できるマザーボードもあるようですが、不足している場合は荒技として「ゲタ」と呼ばれるパーツで電圧を引き上げることが出来るそうです。もっとも自分では試していないので確認できませんが。また、最大の性能を発揮させたければベースクロックが問題になります。 CPUの性能はマザーボードのベースクロックを何倍できるかにかかっていますので、最大400MHz駆動の6倍の物であればベースクロックが66MHzなら約396MHzで駆動しますが、50MHzでは約300MHzでしか駆動しません。このベースクロックはマザーボードのジャンパピンの組み替えで上げ下げ出来る物があるので調べて下さいね。あと、2次キャッシュが組み込まれたCPUの場合、マザーボード上の2次キャッシュを切っておく必要がある場合もありえますので気を付けて下さい。ちなみに私はゲタまでセットになったHK6−2/400MHzを使用していました。 なお最新の機種などではベースクロックは100以上に跳ね上がっており、100/133/200/266/400等があります。 マザーボードを交換してみよう:これは大手術になってしまうんですが、ベースクロック数や電圧が不足している場合にはマザーボードを交換してみるのも一つの手です。ただし、これをやると設定を最初からやりなおす羽目になるので覚悟して下さいね。 原則としては今使っているCPU・メモリー・HD・バスボードを流用できるものにするのが賢いです。そうでないとその他のパーツまで買い換えなきゃいけないので、PC1台自作しているのと同じになってしまいます。事実上別なPCに組み替えてしまう作業になるので私はあまりお奨めしませんけど、ジャンパピンによるクロック変更が出来ないボードなら仕方ないかな?と思っています。 HDDを交換してみよう:これも大手術ですがHDを積み替えてしまうのも一つの手です。なにせ安い!昔では信じられないほど高速かつ大容量なHDが出ています。3万も出せば60GBぐらいのHDが手に入るとは、とても以前では考えられません。スピードも昔のHDとは比べ物にならないくらい高速なので、交換するとビックリするくらいのスピードでアプリケーションが立ち上がったりします。 HDを交換する場合に注意するのは、自分の使っているPCのBIOSがどこまでの容量をサポートしているか調べることです。大容量のHDに対応していない場合、HD全体を一つの領域として使用するのは無理になります。また、新しいHDの回転速度が今まで使っていた物より早ければ、必ずマスターに設定して下さい。そうしないとトラブルの原因になりやすいです。 |
以上本当に簡単ではありますが、トラブルを回避しつつPCを強化する方法を中心に紹介してみました。