DC12V安定化電源(パソコン用電源の利用)

ドーム観測所で使用するDC12V用電源を製作しました。
観測所では赤道儀や冷却CCDカメラなど、DC12Vを使う用途が多くあります。
今まではそれぞれにAC-DC変換アダプターを用意していましたが、市販の安価なものは出力アンペアが
低く、電圧の安定性にも今ひとつ不安でした。
 
市販されている一般的なAC‐DCアダプ
ター。出力Aの低いものが大半です。

特に冷却CCDカメラは電圧低下を起こすと、たちまちノイズが出たり不安定な動作をするようになるの
で、冬場にエアコンやファンヒーターなど多く使用している時期は、かなり問題になります。

市販の安定化装置は出力の大きいものだと値段が高くて、ちょっと購入を迷ってしまいますが、身近に
安価で信頼の置ける電源を見つけました。それは普段お世話になっているパソコンの電源装置を流用する
ことでした。

 
秋葉原のジャンク屋で100円で購入して
きました。

工作した電源装置はAT用を使用しました。いま出ている電源の多くはATXですが、オフ/オンスイ
ッチが付いているATの方が加工が簡単です。

 
オフ/オンスイッチです。ボタンを
つけた方が見栄えが良いかもしれ
ません。

まず電源の仕様の確認ですが、装置にラベルが張ってあると思います。

 
私のものは145Wで12Vが4.2アンペア
まで使用できます。

パソコン用の電源は、12Vの容量で最高20アンペアくらいまでのものがありますが、使用するアンペア数
は最高でも赤道儀が1A、冷却CCDが2〜3Aですから、これをまかなえるくらいあれば十分です。


電源装置の横から、パソコンの周辺機器につなぐための電源ケーブルの束が出ています。
通常、赤、黒、黒、黄の4本が接続用のコネクターに結線されています。各線の電圧は赤(+5V)、
黒(-5V)、黒(-12V)、黄(+12V)です。
12Vを取る場合、このうち黄色と隣の黒い線を使います。線を切らずにコネクターを流用すると加工が
簡単です。自作と言ってもこれだけの工作で、立派な安定化電源が作れます。


完成したものです。私は車のシガーソケットをつけて使用しています。この一台でEM200赤道儀と冷
却CCDカメラ用の電源をまかなっています。

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