Star Trek the Next Generation 2nd season


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魅せられて
Manhunt

第2シーズン 第45話
宇宙暦:42859.2

連邦会議に向かう途中、アンデードIII号星から二組の使節団が転送されてきた。そしてトロイの母親であるラクサナもエンタープライズにやってきて、ピカードに激しく迫る。

魅せられて-あらすじ-


ある意味ではピカードの天敵ともいえるラクサナが転送されてきた。性欲が四倍以上になってしまう「ベタゾイド期」にさしかかっていた彼女はピカードに迫りまくる。そして彼に断られると、今度はライカーに目をつけた。

結局アンデード人が登場したのは立っているシーンとベルミキュラを食べるシーン、そしてラストのラクサナにやり込められるシーンだけだった。このベルミキュラ、なんとなくスターウォーズでルークたちが基地の下水処理場に落ちてしまうシーンを連想させる。

キャスティングプロデューサーに「さあ、もし出演させてくれるなら、髭でもなんでも剃るよ」と詰め寄ったMick Fleetwoodは、その甲斐あってか、使節団の一人として出演し、「ベルミキュラ」というアンデード星の食べ物(材料はゼラチン、おがくず、着色料)をびちゃびちゃ音を立てながら食べるという経験 もできた(髭も剃ったようだ)。


「しまり」はないが、ファンサービスの要素が強いエピソード。

デイタはホロデッキでは相変わらず「南米から来たカルロス」と呼ばれている。初めてこう呼ばれたのは「宇宙空間の名探偵」

良く分からないのがラクサナが転送されてきた際に「足がない」と騒ぐくだり。彼女が転送嫌いだという設定でもあったのだろうか?(ご存知の方は連絡ください)。

「ディクソン・ヒル」の世界について。脚本家はチャンドラーの「さらば 愛しき女よ」等をベースにしたようだ。そう言われてみれば「大富豪の婦人が・・・・」というのはいかにも、である。ディクソン・ヒルはハメット風というよりはチャンドラー風のような気がする。ST TNG COMPANIONによれば流れているBGMは"Moon Light Serenade "、"Let's Get Away from It All"、"How High the Moon"。
ヒル(=ピカード)の友人であるバーテンが「これから自分に恨みを持っている男がやってくる」ということでヒルに助けを求める。だが、結局問題の招かれざる客は登場しなかった。その男の正体はミスター・ホムだったというオチだとでもいうのだろうか? (そんなワケはないでしょう・・・・)

Quotes:"What a handsome race." - Worf


監督:Rob Bowman
Cast
アンデード人の大使:Mick Fleetwood (Fleetwood Mac)
レックス(バーテン):Rod Arrants
マデリーン:Rhoda Aldrich
スレッジ・ベンダー:Robert Constanza
スカーフェイス(ヒルのオフィスを訪れる男):Robert O'Reilly(後のエピソードではガウロンを演じている)


魅せられて


エンタープライズにアンテード星から二人の大使が転送されてきた。惑星パシフィカで開かれる会議で彼らの連邦加入が協議されることになっていた。転送室に現れた魚のような顔をした二人の大使は身動きしない。彼らは転送されたり宇宙空間を旅する間は自らの体を硬化させて過ごすということだった。また、彼らはバーミキュラという食べ物を樽のような容器に入れて持ってきていた。中にはナメクジのようなものが詰まっており、ウェスリーは絶句してしまう。ただ、ウォーフだけはアンテード人のことを「美しい」と感じているらしかった。

ブリッジ。小型輸送船から通信が入った。交信が始まる前からディアナは何かを感じ、「大変だわ」とつぶやく。 交信が始まり輸送船のパイロットが「VIP待遇の乗客が乗船している」と説明した。パイロットが話しおわらないうちに、そのVIPが口を挟んできた。ビューワーに映し出された人物を見てピカードたちはぎょっとする。ラクサナだった。彼女もパシフィカでの会議にベタゾイドの全権大使として出席することになっているらしい。ラクサナは「ジャン・リュック、いやらしい想像はよして」とにっこり笑う。ライカーたちは冗談とは知りつつも、ピカードの顔を見る誘惑に勝てなかった。

転送室では正装したピカードたちがラクサナを待っていた。やがて転送されてきたラクサナはアンテード人たちを見てびっくりしてしまう。彼らも大使だと教えられると「皿の上に並んでいる方がぴったりだわ」と言い出す。おくれてミスター・ホムもラクサナの荷物とともに転送されてきた。ラクサナはピカードに荷物を運ぶ名誉を与えると言うが、苦い経験のあるピカードは断る。するとライカーが「自分が運びましょう」と言いながら荷物を持ち上げようとするが、重過ぎて持ち上げられなかった。全身の力を込めなんとか持ち上げることに成功したライカーはよろよろとラクサナを部屋まで案内した。ピカードがラクサナの部屋から出て行こうとすると、ラクサナは今夜、ベタゾイド式のディナーを開くから出席するようにと誘った。その後、ラクサナとディアナは久しぶりの再会を祝い、お互いの男女関係について、軽い口論を交わした。

ブリッジではウェスリーとライカーたちがラクサナとピカードたちのやり取りを思い出し、笑っている。そこへピカードがやってきて、「一応全権大使なのだから敬意をはらうべきだ」と苦い顔で注意した。ピカードは転送室のポラスキーに通信を入れ、アンテード人たちの様子を尋ねた。まだ硬直状態のままのようだ。ピカードは「ディナーには正装で出席するように」と言い残し、作戦室へ戻っていった。だが、ライカーたちは招待されていなかったらしい。にやっとするライカー。

正装したピカードが酒を持って通路を歩いている。ラクサナの部屋へ入ると、ホムしかいない。呆気に取られているとホムがピカードの酒を取り上げ、飲み干してしまった。ピカードは「ライカーたちも来るんだろう?」と不安げに尋ねると、ホムは黙ったまま首を振り、にっこり笑ってピカードの後ろを指差した。ピカードが振り返ると、そこには情熱的な服に着替えたラクサナがいた。

二人はテーブルにつき、食事ははじめた。はじめから積極的なラクサナのペースになってしまう。たまらずピカードはデイタに通信を入れ、助け船を求める。呼ばれるままにラクサナの部屋へ来たデイタは情況を理解できないまま、べらべらと話し続ける。ホムやラクサナの退屈などお構いなしだ。
その頃、ディアナとポラスキーはラクサナのことを話しながら通路を歩いていた。ディアナによればラクサナは今「ベタゾイド期」にあり、情熱的になっていると説明する。それを聞いたポラスキーは大喜び。
デイタはラクサナたちに宇宙学の講義をしていた。そこへディアナがやってきた。ピカードはいいチャンスとばかりに部屋から逃げ出す。ピカードはデイタに礼を言うが、やはりデイタはどんな情況だったのか理解していなかった。

ディアナはラクサナにどんな「時期」にあるのか質問した。ラクサナは答をはぐらかし、「名誉ある儀式」の相手にピカードを選ぶと言い出した。
「絶対に断る」。作戦室でディアナからラクサナのことを聞かされたピカードは目を丸くした。この時期のラクサナはテレパシー能力が落ちているらしい。「性欲が普段の四倍以上になる」聞いたライカーは、とても嬉しそうに笑っている。その性欲がピカード一人に向けられようとしているのだ。なんとかしてくれ、とディアナに頼むが、それはできないと断られてしまう。「それなら忙しい振りをして逃げ切るしかないな」とピカードは自分に言い聞かせるようにいった。

ピカードはホロデッキへ行き、ディクソン・ヒルのプログラムを再生するよう命じた。オフィスの前には一人の男が新聞で顔を隠すように立っていた。ピカードは男を一瞥し、そのままオフィスへ入っていく。デスクに座っていた秘書のマデリーンはピカードの顔を見ると、溜まった伝言を伝えた。仕事がないから給料ももらえないとぼやく彼女をなだめ、ピカードは自分の部屋のドアを開けた。そしてラジオをつけ、デスクに足を投げ出し、背を伸ばした。
その頃、ディアナはラクサナにピカードが多忙であることを伝えていた。話を聞いたラクサナは一瞬、怒った様子をみせるが、「ピカードでは年寄りすぎたし次の作戦をねらなくちゃ」とホムと話しはじめる。

ピカード(=ディクソン・ヒル)のオフィスにスェード・ベンダーと名乗る男が入ってきた。どうも知り合いの男が女を殺した疑いをかけられ、ピカードに恨みをもっているようだ。スェードはいきなりピカードに銃を向けた。ピカードはあわててプログラムを終了するよう、コンピューターに命じた。そして「暴力とは縁の無い、もっと雰囲気のあるものがいい」とコンピューターに命令し直した。
再びピカードに面会を求める人物がやってきた。今度はいかにも訳ありげな若い男だ。男はピカードのむなぐらをつかみ、「やってもらいたい、仕事があるんだよ」と怒鳴る。ピカードはかっとした顔でコンピューターにプログラムの消去を命じ、改めて「暴力の無い」ものをだすように命じた。

ドアがばたんと開かれ、機関銃を構えた男が飛び込んできた。ピカードは再びプログラムを停止させた。コンピューターの「プログラムはディクソン・ヒルの世界で起りうることに制限される」という説明を聞いたピカードは、自分の要求が無理なものであることに気づき、ため息をついた。

転送室。ウォーフがウェスリーにアンテード人がいかに威厳に満ちているが説明している。だがウェスリーには気持ち悪い生物にしあ見えないようだ。そこへラクサナとホムが入ってきた。ラクサナはターゲットを探しに来たようだが、この二人は条件に合わないようで、すぐに出ていった。ウェスリーたちにはなにがなんだかわからなかった。

ホロデッキ。ピカードは自室を出て秘書に「さようなら」と声をかけるが、返事はない。先程プログラムを停止したままだったのだ。プラグラムを再開させると、秘書は「バーにはいかないの?」と尋ねてきた。伝言の中に「バーに来るように」というものがあったようだ。一瞬考え込んだピカードは秘書のマデリーンを誘う。マデリーンは「珍しいわね」と笑いながら誘いを受け、銃を渡した。そして二人はバーへ出かけた。
バーはさびれていた。カウンターにつくなりバーテンが、ナチス・ドイツの話をはじめた。それを聞いたピカードは第二次世界大戦の結果を話しはじめるが、当然バーテンとマデリーンはきょとんとしている。出され酒を一口飲んだところで、ピカードを金を忘れて来たことに気づく。バーテンはつけにしてくれるようだ。バーテンがピカードを呼んだのはジミー・クーゾという男が原因だった。以前、ピカードとこのバーテンがクーゾ逮捕のきっかけとなったのだが、そのクーゾがこのバーに来るらしい。

アンテード人たちは医療部に移され、蘇生されようとしていた。またブリッジにラクサナたちがやってきていた。ラクサナはライカーをターゲットに選んだようだ。

医療室。アンテード人の蘇生が開始された。

ブリッジ。ライカーがピカードのところへ行こうとすると、ラクサナが声をかけた。ラクサナはパシフィカでライカーと結婚の儀式を行うと皆に宣言した。ライカーは冗談だと思っているようだが、ディアナは心配そうな顔でラクサナとライカーを見つめた。ラクサナはライカーにはしゃべらせず、一方的に「心配はない」と言い、ピカードのいるホロデッキへ向かった。ディアナは「なぜ母を止めなかったのか」と責める。一連のやり取りを聞いていたデイタは自分もホロデッキへ行きたいと言い出し、ラクサナの後を追った。

ホロデッキのバー。クーゾがやってきた、かと思ったら、ライカー、デイタがやってきた。アンテード人が蘇生しかけていると聞いたピカードは出て行こうとするが、マデリーンたちに「クーゾはどうする」といわれ、ライカーたちに一杯やっていけと誘う。ピカードはライカーたちを紹介した(デイタは相変わらず南米人だ)。バーテンからなにか問題でもあったのかと聞かれたライカーは「大富豪の婦人から結婚を迫られている」と説明、それを聞いたバーテンは「言い話じゃないか」と言う。しかしライカーにとっては重大事だった。

着飾ったラクサナとホムはライカーを探してホロデッキへ向かった。ピカードがここに隠れていたと知ったラクサナは機嫌が悪い。だがラクサナは心の読めないバーテンが気に入ったようだ。彼女は相手がホロ映像だとは気づいていない。ラクサナとバーテンは奥の小さなテーブルへ移り、話をはじめた。「本当のことを話した方がいいのでは?」と尋ねられたピカードは二人をみながら、「もう少し楽しませてやろう」と答えた。
その頃、医療室ではアンデード人が騒いでいた。バーミキュラが食べたいらしい。そしてポラスキーからありかを教えられると、魚のような二人の大使は必死に食べはじめた。

ピカードは「会議に遅れる」とラクサナに告げた。彼女は仕方なく、バーテンに別れを告げた。

ラクサナとディアナたちが話しながらターボリフトから降りてきた。ピカードがホロ映像だと知っているのに教えてくれなかったとラクサナは怒っている。転送室へ入るとアンテード人たちが転送台に立っていた。これから会議場へ向かうところのようだ。ラクサナは「この二人は暗殺者よ」となんでもないように言い放った。スキャンしてみると彼女の言うように二人の大使の服は起爆性の物質で裏打ちされていた。ピカードはウォーフに二人を拘束するように命じた。

ピカードは転送台に立ったラクサナたちに危険を回避してくれた礼を伝え、「転送!」と命じた。そしてラクサナは、「また淫らなことを考えて...」と言いながらパシフィカに転送されていった。




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