エンタープライズは昆虫のような生命体、ファラーダ星人とのコンタクトを間近に控えていた。彼らの言語は複雑で、最初の挨拶を正確にこなすことができるかどうかがコミュニケーションの成功の鍵を握っている。作戦室ではピカードがディアナ相手に発音練習をしていた。疲れきった様子のピカードにディアナは少し休憩するようすすめた。
ホロデッキに向かったピカードは20世紀前半のサンフランシスコを再現させた。彼の役はディクソン・ヒル、私立探偵だ。
ピカードがオフィスに入ると彼(ヒル)の秘書が帰る支度をしている。彼女は彼の制服姿をからかい、伝言を伝えると帰っていった。ピカードが小説の中の世界の雰囲気に浸りながら、自分の部屋に入っていくと、中にはブラッドーレーという女性が待っていた。彼女はピカードを見つめ、口を開く。「助けて」。
ブラッドーは何者かに命を狙われていた。彼女は金に糸目を付けないから命を守ってくれとピカードに頼む。そして「もし相手がレッドブロックなら、例のブツは持っていないわ」と言い残し、彼にキスをすると帰っていった。
ピカードは名残惜しげにホログラムデッキを出ていった。入れ違いに一人の男がオフィスにやってきて、勝手にピカードの部屋に入りってしまう。直前まで声がしていたのにも関わらずに誰もいないことに驚く。通路に出たピカードはホロデッキの停止をコンピューターに命じた。
観察ラウンジではブラッドレーにつけられたキスマークをつけたままのピカードがホロデッキでの出来事を興奮気味に話している。一緒にホロデッキで昔の雰囲気を楽しまないかとビバリーを誘ったピカードは、彼女に頬のキスマークをふいてもらい、やっとそのことに気づく。あまりファラーダ星人のことには触れられないまま会議は終わった。
デイタにはなぜピカードが昔の小説の世界、それも私立探偵に惹かれるのか理解できないとジョーディにぼやく。そして、ジョーディにすすめられ、コンピューターで「ディクソン・ヒル」のことを検索する。
ピカードはトレンチコートに身を包み、歴史学者のウェイランと共に再びホロデッキに向かった。そこへ変装したデイタも加わった。三人は新聞屋のおやじと話を始める。デイタを見て驚くおやじ。デイタはとっさに南米出身とごまかす。ピカードは新聞にブラッドーレー殺害の記事があることに気づく。そこへ刑事が二人やってきて、ピカードを殺人容疑で連行していった。
その頃、エンタープライズはファラーダと遭遇していた。ファラーダは艦をスキャンし、艦長であるピカードとの対話を要求してきた。
服を着替えたビバリーはホロデッキに入って行こうとするが、扉の様子がおかしい。ファラーダにスキャンされた影響だろうか?警察に行き、ピカードが尋問を受けているとデイタから聞かされた彼女は無邪気に喜ぶ。
ライカーに命じられてピカードを探しに来たジョーディはホロデッキの制御プログラムにまったくアクセスできないことに気付く。報告を受けたライカー、そして母の身を案じるウェスリーはホロデッキに向かう。
ピカードの尋問はまだ続けられている。ピカードもいい加減飽きてしまい、刑事に怒鳴られる。待合室のビバリーは警官から娼婦に間違えられてしまう。
ようやく釈放されたピカードが待合室にに戻ってきた。待っていたビバリーの姿に目を奪われれてしまう。その後、ピカードたちはオフィスに戻った。部屋の中には先程の男がまだ待っていた。彼の名はフェリックス・リーチ。ピカードたちを見るなり銃を向けた。
ホロデッキの不調はやはりファラーダのスキャン光線が原因のようだ。修理が終わるまで彼らはピカードを待ってくれるだろうか?
ホロデッキ内では銃を向けられたピカードたちが「リアルだ」と喜んでいる。銃を持ったリーチが「例のブツをよこせ」という。ウェイランは気取ってそんなものは見つからないと答えると、リーチはいきなり発砲した。倒れるウェイランの姿を見て喜ぶビバリーだが、ウェイランは本当に撃たれていた。ホロデッキの安全装置が働いていない!ピカードが隙を突いてリーチの銃を奪うと、彼は慌てて部屋を出ていった。ピカードはホロデッキから出ようとするが、アーチが現れない。ウェイランは今にも死んでしまいそうだ。
リーチとともにボスのサイラス・レッドブロックが入ってきた。銃を突き付けられたピカードたちにはどうすることもできない。そこへヒルの友人の刑事がやってきた。彼もすぐに銃を突き付けられてしまう。
ピカードはレッドブロックたちに自分たちは未来からやってきた、お前たちは幻だと説明するが、誰も信じようとはしない。困ったことにレッドブロックは「それなら試しに撃ってみよう、幻ならしなないはずだ」と言い出し、ビバリーに銃を向ける。
ピカードは「ブツを渡そう」とレッドブロックに申し出るが、もともとそんなものはない。「それには、まずウェイランを救わなくては」とピカードは言う。
ブリッジのライカーは緊急事態をファラーダに説明しようとするが、交信してもらえない。そこへホロデッキの異常の原因となっている部分が判明したとジョーディから連絡が入った。ウェスによれば修理作業は非常に微妙で失敗すれば中の人間は分子レベルまで分解されてしまう可能性が高いという。ライカーは修理を行うよう命じた。
ホロデッキ。突然オフィスが吹雪の雪原に変わったかとおもうと、アーチが現れた。レッドブロックとリーチはデイタの制止も聞かず、通路に出てしまう。ピカードの話が事実であると知り喜ぶ二人だったが、じきに足元から消えてしまった。デイタとビバリーはウェイランを連れ医療部に向かった。残されたピカードは友人の刑事に別れを告げる。「あんたが行ってもこの世界は、俺の家族は残るのか?」と聞かれたピカードには「わからんよ」と答えるしかなかった。
スーツを着たままブリッジに直行したピカードはファラーダに交信を求める。そして「正確な挨拶」に成功する。ファラーダはピカードたちを正式に外交相手として認めた。