エンタープライズはオミクロン・セータへ立ち寄った。三十数年前、この惑星でデイタは発見された。デイタ自身の話によれば、デイタにはコロニーの住民たちの知識が蓄積されているという。当のデイタは自分の部屋でくしゃみの練習をしていた。だが、ぜんぜん似ていないので入ってきたウェスリーに笑われる。
デイタとウェスがブリッジに戻ってきた。スキャンの結果では惑星の表面に生命体は存在していないようだ。くわしい調査のため、デイタを含む上陸班が組織された。
惑星に降下した調査班が見たものはバクテリアすら存在していない死の世界だった。デイタは自分がU.S.S.トリポリの乗員によって発見された場所へ皆を案内する。ジョーディは付近の岩が人工物であることに気づく。カモフラージュされた何かの建物の入り口だった。
内部は高度な設備を備えた研究所だった。ある部屋の壁には子供たちの絵が飾ってあり、どの絵にも逃げ惑う人々の姿と樹木のような宙に浮かぶ物体が書かれていた。
デイタはこの部屋がサイバネティックスの権威、ノニエン・スン博士のものであることを思い出す。そして置かれていたカプセルの中からデイタを作る際に利用されたと思われる「型」が発見された。壁の装置を操作すると、格納庫のパネルが開く。その中には分解されたデイタそっくりのアンドロイドの部品がしまわれていた。デイタは「自分の分身?それとも兄弟?」と喜ぶ。
上陸班はエンタープライズに帰還した。持ち帰ったアンドロイドの部品を組み立てることになった。作業を見守るデイタはビバリーからピカードのもとへ行くよう言われる。
デイタが作戦室へ出頭すると、ピカードがライカー、ジョーディたちともう一体のアンドロイドについて話している。デイタの存在とコロニーの住民たちの失踪になにか関連があるのだろうか?話の途中でデイタはビバリーに呼ばれる。
ビバリーからアンドロイドを組み立てるために体の構造を調べたいと頼まれたデイタは背中にスイッチがあるとビバリーに打ち明ける。驚くビバリーだが、秘密は守ると約束する。
機能停止されたデイタとアンドロイドの構造が比較され、順調に組み立てが進んでいる。様子を見に来たピカードが「どちらが先に作られたのか?」とつぶやくと、アンドロイドが突然目を開け、デイタだと答えた。驚くピカードたち。アンドロイドは「デイタが不良品だったので僕が作られた。ロアと呼んでくれ」と続ける。嬉しそうなデイタ。
作戦室。「デイタを不良品と呼ぶなんて」と不安そうなピカード。当のデイタはそのように感じていない。そしてもう一人の兄弟が現れてもピカードと艦隊に変わらぬ忠誠を誓うとピカードに告げだ。
デイタがブリッジに戻ると、ロアが操縦席に座り、ライカーたちから艦の航法について色々教えてもらっている。ロアの頬は時々痙攣していた。彼の口調は砕けていて、まるで人間のようだ。冗談を言ってウォーフににらまれる。その様子を見ていたデイタは複雑な表情だ。
ロアとデイタはブリッジを離れ、自室にむかう。デイタが「あの媚びるような態度は何だ。人間を見くびるな」と言うと、ロアは「わかっている。僕の能力を嫉妬しないでくれ」と言い返す。デイタがスン博士のことを尋ねると、ロアは博士の批判を始めた。咎めるデイタに、ロアは「我々は博士に作られた。人間よりも優れているのになぜ今の状態に満足しているのだ」と答える。だが、デイタは誘いにのろうとしない。
ロアは、本当は自分が先に作られたと告白する。そしてあまりにも人間らしかったのでコロニーの住民たちに嫉妬されはじめ、機能停止させられたと説明を続ける。そしてデイタがもっとすぐれた存在になるのを手伝おうと約束した。
デイタが部屋を出て行こうとすると、ロアはコンピューターを使ってもいいかと彼に尋ねる。デイタが出ていったあと、ロアは端末の前に座り、満足そうな表情でデータの検索を始めた。
研究室の子供の絵とロアの話からオミクロン・セータのコロニーは水晶生命体に襲われたと推測された。水晶生命体はすべての有機生命体を破壊し尽くす悪魔のような存在だ。ロアを探しに自室に戻るデイタ。
部屋ではロアがグラスに薬を溶かしこんでいる。そこへデイタが入ってきた。ロアは「より人間らしくなるために」乾杯しないかとデイタに持ち掛ける。グラスに口をとつけた途端、デイタはふらつきはじめる。ロアは「完全な自分を作ってくれた博士に、そして巨大な生命体に乾杯しなくては」と笑う。ロアは水晶生命体と交信できると打ち明ける。これからエンタープライズに水晶生命体を呼び寄せようとしているのだ。
ブリッジ。デイタが何者かと交信していることに気づいた。ライカーはウェスリーにデイタの様子を見に行くよう命じる。デイタの部屋ではロアがデイタの制服に着替え、水晶生命体と交信していた。誰かが来たことに気づいたロアはあわてて交信を打ち切る。ウェスリーが入っていくとロアはデイタの振りをして「ロアが襲ってきたのでスイッチを切った」と説明する。頬を痙攣させていることに気づいたウェスは思わず顔を強張らせる。それに気づいたロアは「真似をしていたんだ」と言い訳する。ウェスリーが出て行くと、ロアは医療用の道具を取り出し、デイタの顔を焼いて痙攣させ、自分の痙攣を止めた。
ブリッジ。ウェスリーの報告を聞いたビバリーは「本当にデイタがスイッチを切ったと言ったの?」と聞き返す。そこへデイタ(ロア)が現れ、ビバリーがスイッチのことを尋ねると、彼は「考えを変えた。乗員を信用できないなんて」と答える。
その時、エンタープライズのセンサーに急速に接近してくる巨大な物体が捕らえられた。例の水晶生命体だ。デイタ(ロア)が「きれいだ」とつぶやくのを聞いたウェスリーは、思わず彼の方を振り向く。
生命体はエンタープライズからの呼びかけには反応してこない。ウェスリーは思い切ってデイタを監視するようピカードに申し出るが、頭ごなしにしかられてしまう。
ライカー、ウェスリー、そしてロアがデイタの様子を見に行くことになった。部屋の扉を開けると、デイタがまだ倒れていた。ロアが背中のスイッチを操作するとデイタはうめき声をあげた。ロアは危険だからといって二人を部屋から出て行かせる。そして扉が閉まるとデイタの顔を蹴りはじめた。
ブリッジに戻ったライカーは「やはりロアが倒れていて、意識を回復しそうになった」とピカードに報告する。ウェスリーは「ロアがデイタになりすましているのかも」と行っても聞いてもらえない。
水晶体がエンタープライズに攻撃を開始した。ブリッジに現れたロアは自分に交信させろと言い出し、ロアが話し掛けると水晶体は攻撃を止めた。驚く乗員たち。さらにロアは「エンタープライズの力を見せつけよう」といって、貨物室から物体を放出、フェーザーで破壊することを提案する。ピカードが「実行しろ(Make it so)」と言うと、ロアには意味が分からず聞き返す。ピカードが顔をしかめ「やってみろ」と言い直すと、ロアはブリッジから出ていった。何を言っても聞いてもらえないウェスリーは我慢しきれず、ピカードにブリッジから退出する許可を求める。
ピカードに命じられてロアの後を追ったウォーフはターボリフトで彼に追いついた。しかしロアは扉を閉じるとウォーフを殴り倒してしまった。
デイタの部屋へ様子を見に行ったビバリーとウェスリーは、倒れているのがやはりデイタだと確認し、スイッチを入れた。
第3貨物室ではロアが水晶生命体と交信をしている。そこへデイタやウェスリーたちが入ってくるが、近くに来るまで気がつかない。
デイタは「一人っ子だったら良いのに」と話し掛ける。ようやく気づいたロア。彼は隙を突いてビバリーからフェーザーを奪う。そしてウェスリーを撃とうとするが思い直し、ビバリーに出て行けと命じる。ビバリーが通路へ出て行くと、ロアはフェーザーで彼女を撃ってしまう。その瞬間、デイタがロアに襲い掛かり、二人は乱闘を始める。やがてデイタがロアを転送台に投げ飛ばし、ウェスリーはロアを宇宙空間に転送してしまった。そしてロアからの指示を失った水晶生命体はエンタープライズから離れていった。