ライカー、デイタ、ウォーフ、ジョーディ、ポラスキーがデイタをしている。ここまではウォーフの一人勝ちだ。「ポーカーフェイスにやられた」とぼやくポラスキーたち。新たにカードを配りはじめたとき、緊急信号が入ったとら呼び出しがはいる。デイタたちはゲームの途中でブリッジに向かった。緊急指令の内容は「現在の任務を中止し、指示された座標に向かえ」というものだった。何がおこったのか把握できないまま、エンタープライズは発進した。
指定された座標はボラリス星系付近だが、なぜか惑星ではなく星系の外だった。ピカードたちが不思議に思っていると、艦隊司令部から連絡が入った。ビューワーに映し出されたブロメック提督は特命大使とランデブーするようにと指示したものの、大使の任務に関しては一切説明せず、一方的に通信を打ち切ってしまった。大使は2mほどの探査機に乗ってくるらしい。一刻を争う任務を帯びているようだ。やがてエンタープライズのセンサーにワープ9で飛行する探査機の姿が捉えられた。エンタープライズと探査機が並び、探査機は艦内に転送された。
ライカーとポラスキーが転送室へ行き、転送機が開けられた。中には一人のヒューマノイドが横たわっていた。メディカル・トライコーダーでスキャンしたポラスキーが首をかしげていると、大使の方から動きはじめ、ヘルメットを取った。特命大使はクリンゴンの女性だった。ポラスキーは彼女がクリンゴン人特有の医療情報にあわないことに気付く。大使は自分はクリンゴンと人間のハーフだと説明、ライカーたちは目を丸くする。
観察ラウンジ。ライカーとともにケイラー大使が入ってきた。ピカードが乗員たちの紹介を始めるが、ケイラーはウォーフを知っているようだった。だがウォーフの態度はそっけない。ケイラーはウォーフの態度に気を悪くした風でもなく、「なつかしいわ」と微笑んだ。
ケイラーは今回の任務の説明を始める。数十年前、連邦とクリンゴンが交戦状態だった頃のクリンゴン艦「トング号」から自動発信されたメッセージが受信された。メッセージの内容は「帰還する。われわれは目覚めるだろう」というもので、冷凍睡眠状態だったクリンゴン人が覚めようとしているらしい。クリンゴン帝国が連邦と同盟を結んだことを知らない彼らはすぐにでも連邦に対し攻撃を開始するだろう。ケイラーの任務は彼らの艦を撃墜するというものだった。はじめから現在の状況を彼らに説明するつもりはないらしい。ピカードは彼らの艦を発見するまでなんとか別の方法を探るべきだとケイラーに告げ、ウォーフに協力させることにした。ケイラーが退室した後、ウォーフはピカードに彼女の手伝いは他の乗員にさせてくれと頼むが、逆に「仕事上の事情がなのか?」と聞かれ、任務に従うことにした。
客室へ向かう途中、ディアナから「クリンゴンと人間の間に子供ができるの?」と聞かれたケイラーは「複雑だけど可能よ」と答える。ディアナも自分が人間とベタゾイドのハーフだと打ち明けた。ケイラーは二つの種族の悪いところに苦しんできたと話す。
服を着替えたケイラーはウォーフが仕事をしている部屋を訪ねた。彼女は仏丁面のウォーフに「もっとくつろげ」というがウォーフは「早く仕事をしろ」という。改めて「私を見ようともしないのね」と言うとウォーフは「見なくても覚えている」と顔を背けたままは答えた。「六年前に逃げ出した」と言われたウォーフはようやく彼女を見た。ケイラーは「私たち六年前を引きずっているみたいね」と言いながらウォーフを見つめる。しかしウォーフは「私は違う」と言い、コンピューターへ向かう。
情報が足りないというウォーフ。しかしケイラーは「もう情報は揃っている。クリンゴン相手に説得を試みるだけ無駄だ」と答え、二人は口論を始めてしまう。ケイラーは「トングを撃墜する以外にない」と言い捨て、ウォーフの部屋から出ていってしまった。
自室に戻ったケイラーは怒りを押さえ切れず、ガラス製のテーブルを叩き割ってしまう。そこへディアナがやってきた。ディアナはホロデッキで憂さ晴らしをしてきたら?と進める。
服を着替えたケイラーはホロデッキへ行き、ウォーフのエキササイズ・プログラムを再生させた。腕に武器をはめ、中へ入っていくと遠くから怪物たちの声が聞こえてきた。
ブリッジ。ウォーフがいらいらした様子で武器コンソールをいじっている。見かねたピカードはウォーフを呼び、もっと気楽にしろとアドバイスをし、休憩を命じた。
ウォーフはブリッジから退出、通路の途中でホロデッキの方へ目をやった。
その頃、ケイラーは敵を求めてホロデッキの中を慎重に空いていた。突然、背後から敵が襲い掛かってきた。だがケイラーはあっけなく倒してしまう。さらにもう一体、骸骨のこうな頭部をもつ怪物が現れ、ケイラーは首をつかまれ、柱に押さえつけられてしまう。彼女は全身の力を振り絞り怪物を押しのけると、一気に敵を殴り倒してしまった。
彼女の戦い振りを見ていたウォーフは彼女の方へ近づいていく。「たいしたことはないわね」と言われた彼は側に落ちていた武器を拾うとコンピューターにレベルを上げるよう命じた。さっきケイラーが倒したはずの怪物たちが起き上がり、二人に襲い掛る。二人は必死に戦い、敵を倒す。ウォーフの方はそうでもないが、ケイラーはかなり興奮していた。ウォーフが近づくとケイラーは剣を振り上げ、彼に切りかかってきた。ウォーフは彼女の腕をつかみ、向こうへ投げ飛ばす。激しい息使いの彼女はようやく我に返った。二人は無言で向き合い、お互いの匂いを嗅ぎ合う。激しく握り締めたお互いの手からは血が流れ出していた......
しばらく後、すっかりくつろいだ様子のケイラーと怒ったような表情のウォーフ。ケイラーが冗談を言うとウォーフは「相変わらずだな」という。ウォーフはいきなり「愛の言葉」を始める。ケイラーは驚き、荷物をまとめはじめる。そして「私は結婚なんてしない。古臭い慣習に囚われるなんて」と言い捨て出て行こうとするとウォーフは「愛の言葉」を続けようとする。だが、ケイラーは出ていってしまった。
エンタープライズはクリンゴン艦、トング号の漂流しているらしい宙域に到着した。彼らが目覚め、周辺の連邦基地を攻撃しはじめる前に所在を突き止めなければならない。
ケイラーは過去の記録を調べていた。デイタとともにやってきたウォーフは「始めるのが少し遅いが、やる気になったのはいいことだ」という。ケイラーはデイタに目をやり、「一人になるのが恐いの?」とウォーフに言う。彼には答えることができない。ケイラーは「あのまま儀式を続けるつもりだったの?あなた自身は自分の人生をどうしたいの?」と続ける。彼女はウォーフの答えを待たず、デイタに「あなただったらどうする?クリンゴンと人間、どちらが合理的?」と質問する。デイタは首をひねりながら「現時点ではどちらが正しいのか答えることはできません」と答えた。ケイラーは「そうね」といい、トング号のことに話題を移した。
観察ラウンジ。ケイラーはピカードたちに二つのプランを提案した。もしトング号の乗員たちが目覚めていない場合は、そのまま眠らせておき、エンタープライズより遅れてここへ来ることになっているクリンゴン艦に引き渡せばよい。もう一つはすでに冷凍睡眠から目覚めている場合。放っておけば連邦に対する攻撃を開始するだろうし、説得しても無駄だろう。そして、もしエンタープライズ側からトング号を無力化すれば自爆してしまうだろう。ピカードはなんとしてもトング号を破壊する自体は避けなければ、と皆に言う。その時、ブリッジのデイタからトング号がセンサーで発見されたと連絡が入った。
ブリッジに戻ったピカードは艦をインターセプトコースに乗せ、防御スクリーンを張るよう命じた。ケイラーはフェイザーを用意するよう提言するが、ピカードは「そのような自体は避けたい」と却下した。クリンゴン人たちはすでに目覚めているのか?
突然クリンゴン艦が攻撃してきた。そしてエンタープライズが反撃する間もなく遮蔽装置で姿を消してしまった。ケイラーは「唯一のチャンスを逃したようですね」と冷たくピカードに言った。
ジョーディがブリッジに呼ばれ、クリンゴン艦の探索を開始、間もなく発見した。旧式の遮蔽装置では現在のセンサーから逃れられないのだ。ケイラーは「戦いの中で死なせてあげてください」とピカードに懇願する。ピカードは黙っている。しばらく考え込んでいたウォーフはピカードに「一つだけ方法があります」と話し掛けた。
ウォーフのプランが採用された。位置を探知されていることに気付いていないトング号は逃げ切ろうとしていた。ピカードはエンタープライズをトング号の真っ正面に停止させた。防御スクリーンを張り待ち構えていると、トング号が遮蔽装置を解き、攻撃を開始してきた。だがエンタープライズには全く損傷はない。ピカードはトング号に通信をいれるように命じた。
ビューワーにトング号の乗員たちが映し出された。エンタープライズのブリッジの様子に驚いているようだ。艦長席にはクリンゴンの戦闘服を来たウォーフが、となりにはケイラーが座っている。ウォーフはトング号の艦長に向かって攻撃を止めるよう強い口調で命じるが、クリンゴン人たちは連邦の罠ではないかと疑っている。ウォーフは「防御スクリーンを降ろさなければ、艦ごと破壊する」と警告する。クリンゴン人たちはなかなかウォーフの指示に従おうとしない。ウォーフがビューワーに背を向け、フェーザーを発射するよう命じた直後、トング号は防御スクリーンを降ろした。トングの艦長は艦の指揮をウォーフに委ねると伝えてきた。ウォーフはクリンゴン帝国から派遣された巡洋艦プラーグ号が到着するまでケイラーがトング号を指揮することになると伝えた。そして「24世紀へようこそ」と付け加え、通信を切った。
作戦室からピカードとライカーが出てきた。ウォーフは艦の指揮権を返す旨を伝える。ピカードはウォーフが無事危険を回避したことに対し、ねぎらいの言葉をかけた。ライカーから艦長席の座り心地を尋ねられたウォーフは「最高でした」と答える。そしてケイラーから「なかなか様になっていた」と言われると、照れを隠すようにだまったまま、背を向けた。
転送室へウォーフとケイラーがやってきた。ウォーフは自分が操作するからとオブライエンを出て行かせた。なんとなく気まずい雰囲気の中、二人はこれからの自分の任務を確認した。ウォーフが何か言い出すのを待っていたケイラーだが、彼は口を閉ざしたまま。ケイラーは転送台に向かって歩きはじめるが、立ち止まり、振り返った。「卑怯だわ。何も言葉もかけないまま行かせるつもりなの?」とケイラーは言う。ウォーフが「それがおまえの望みだろう」と答えると、ケイラーは「嘘をついたの。昨日のことは無意味ではない」と言いながら近づいてきた。「あなたと誓いを交わしたいの」と聞いたウォーフは「俺も同じだ」と答えた。「簡単には逃げられないわよ」と笑うケイラー。互いの気持ちを確認した二人はお互いの手を握り合い、見詰め合う。ケイラーは手を放すと黙ったまま転送台にあがった。ウォーフは「ケイラー、お前がいて初めて満たされる」と言い、ケイラーは黙ってうなずいく。ウォーフはパネルを操作し、ケイラーはトング号へ転送されていった。