Star Trek the Next Generation 1st season


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突然の訪問者
The Neutral Zone

突然の訪問者
The Neutral Zone 第1シーズン 第26話
宇宙暦:41986.0

ロミュランとの会見のため、中立地帯へ向かうエンタープライズは、二十世紀の地球の宇宙船が漂流しているのを発見する。その中には冷凍睡眠中の三人の男女が乗っていた。


突然の訪問者-あらすじ-


惑星連邦の前哨基地が破壊され、ロミュランに疑いがかかる。そして宇宙艦隊の司令を受けて中立地帯へ向かうエンタープライズは旧式の有人カプセルを発見した。

結局だれが中立地帯の基地を破壊したのかは明らかにされない。後のエピソードでその答えが明かされるのだが......


発見された三人に関する描写は容易で満足できないが、各キャラクターがそれぞれの役割でうまく動いている。制作サイドも進むべき方向がようやく見つけられたのではないかと感じられる作品である。



カーク船長時代のスタートレック(TOS)を知っている人はなぜクリンゴン人ばかりでロミュラン人が登場しないのだろうかと不思議に思っていた。(バルカン人初登場は「宇宙戦士への道」)このエピソードの中でほんの少し、挨拶程度にしか登場しないロミュラン人だが、彼らの艦(ロミュラン・)ウォー・バードは非常に存在感があった。新たな展開を迎えそうな予感にわくわくさせられるエピソードである。
ご存知の通り、新型エンタープライズの時代に惑星連邦とクリンゴン帝国は同盟を結び、強力な敵役の種族が減ってしまった。とりあえずフェレンギ人も登場したが、好戦的な種族ではなく、コミカルな描き方をされていく。ポスト・クリンゴンともいえるカーデシア人が(唐突に)登場するのは第4シーズン。彼らにしても単に好戦的という設定ではなく、このあたり違いが「イケイケだった」1960年代後半と「やや陰りの見えてきた」1980年代後半を象徴しているようで興味深い。


監督:James L. Conway
Cast
Thei副司令官:Anthony James
セボック司令官:Marc Alaimo
ソニー・クレモンド:Leon Rippy
クレア・レイモンド:Gracie Harrison
ラルフ・オッフェンハウス:Peter Mark Richman




突然の訪問者


宇宙基地に戻っているピカードに代わってライカーが指揮を執っていたエンタープライズは、漂流している大昔の地球のカプセルを発見する。ライカーは放っておくよう命じるが、デイタが調査を行いたいと言い出し、ウォーフと二人でカプセルへ向かった。

カプセルの内部には冷凍睡眠装置がいくつも安置されていた。ほとんどの装置は故障し、なかの人間は死んでいたが、まだ生前の状態を保っている一人の女性と二人の男性が発見された。

やがてピカードがエンタープライズに帰還し、ライカーはデイタたちに戻ってくるよう命じる。

最近、中立地帯付近の基地が攻撃される事件が続いていた。トメド事件以来50年以上も沈黙を保っていたロミュラン帝国の仕業である可能性が高い。今回エンタープライズは中立地帯の偵察と、ロミュランとの外交交渉を命じられていた。武力衝突は避けなくてはならない。

ビバリーは例のカプセルから発見された三人を解凍するとピカードを医療室に呼ぶ。彼らは20世紀に流行した冷凍睡眠を受け、将来医学が発達してから蘇生されるのを待っていたらしい。そして、その目的はついに果たされたのだ。ピカードは重要な任務を控えた状況で、あらたに問題を抱えることに難色を示すが、現実を受けいるしかない。まず、一人目の女性が女性が目を覚ますが、ウォーフを見て気絶してしまう。ピカードは「24世紀へようこそ」と言って笑う。

やがてカプセルから回収されたデータから三人の氏名と職業が判明、あらためて意識を回復させられた。女性はクレア・レイモンド、主婦。傲慢そうな男性はラルフ・オッフェンハウス、金融業。少しくだけた様子の小柄な男はエルキュー・サミュエル・クレメンズ、音楽家。彼らは自分たちがどのような状況におかれているのか知るとさまざまな反応を示しはじめた。

一方、ピカードはトロイからロミュラン人に関するレクチャーを受けていた。かなり手強い相手であるのは間違いないだろう。

作戦室でピカードを中心にロミュランとの接触に関する対策が話し合われた。ライカーはロミュランが連邦の最新鋭艦との対決を望んでいると考え、ウォーフもその意見に同意する。そこへラルフから艦内通信が入った。そしてピカードにすぐくるよう要求した。

ピカードは客室へ向かい、金をはじめとするすべての状況が変わってしまったと説明する。突然クレアが泣き出してしまう。彼女は自分の息子がどうなったのか心配でならないとこぼす。

トロイはクレアの部屋を訪れ、彼女の気持ちを聞き出す。そして、息子の心配をする彼女のために、コンピューターを使って、彼女の子孫の検索を始めた。

そのころクレメンズは医療部に行ってビバリーに「何かくれ」とせがんでいた。

検索の結果、現在クレアの十代あとの子孫が生存していることが判明した。かえって孤独感を感じてしまったクレアは「一人にしてくれ」とトロイに頼む。

クレメンズは自室にデイタを呼び、パーティをしないかと持ち掛ける。彼はデイタを気に入っているようだ。そこへピカードからブリッジに戻るよう連絡が入った。いまロミュランと休戦状態で、これから接触することになりそうだと聞かされたクレメンズは心配そうな表情になる。

エンタープライズは中立地帯へ入っていった。そこにあるはずの科学基地は跡形もなく消えていた。なにか新型の兵器によって破壊されたのだろうか?

20世紀の三人が一室に集まり、艦内の緊張が高まっていることについて話し合っている。ラルフは自分の目で確かめると言い残し、部屋を出ていってしまう。 ラルフはコンピューターからピカードの位置を聞き出すと、ブリッジに向かった。

ブリッジではロミュランにどう対処すべきなのか決めかねていた。センサーに謎の物体が感知されるが、その姿は見えない。一瞬センサーにはっきりとした信号が捕らえられたものの、次の瞬間にはすぐに消えてしまう。ロミュラン艦に偽装装置があることは明らかだ。

いつのまにかブリッジに現れていたラルフが口を開く。ライカーはラルフをブリッジから連れ出すよう保安部員に命じるが、彼は抵抗する。

突然、ロミュラン・ウォーバードが偽装を解いて姿を現した。ピカードは交信を求めると、ロミュランのセボック司令が応答してきた。どうやら連邦の基地を破壊したのはロミュランではなく、そればかりかロミュランの前哨基地も何者かに破壊されているらしい。

ピカードは共通の敵を見つけるまで協力し合わないかと持ちかけ、セボック司令も同意する。ウォーバードは「我々は戻ってきた」と捨てぜりふを残し、去っていった。

クレアは自分の子どもが、自分の夫そっくりに成長していたことを知り驚いていた。トロイは自分の家族なんだから会いに行けば、とアドバイスし、クレアも納得する。

ピカードはクレメンズとラルフにこれから地球に送られることになったと説明する。ラルフは不安から冷静さを失っていたことを認め、「これからどう生きていけばいいのだろう」と尋ねる。ピカードは「生きがいは自らを磨くことだ」と彼を諭す。クレメンズは相変わらず能天気に「これからも歌を歌っていくさ」と笑うのだった。

三人を地球へ送っていくはずだったチャールストン号は都合で地球への到着が遅れるらしい。その遅れはこれからの三人の人生を考えれば取るにたらないことだろう。

そしてエンタープライズは新たな任務に向け、出発した。




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