Star Trek the Next Generation 1st season


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宇宙戦士への道
Coming of Age

第1シーズン 第19話
宇宙暦:41416.2

ウェスリーがアカデミーの入学試験を受けることになった.一方、エンタープライズではピカードの友人である提督とその部下が、ピカードの「艦長としての適性」に関して査察をはじめていた.


宇宙戦士への道-あらすじ-



ピカードの旧友でもあるクイン提督とその部下、レンミック少佐がエンタープライズに乗船してきた.だだ提督の表情は固く、ピカードに査察を行う旨を伝える.「陰謀の証拠」をつかもうとするレンミック少佐は高圧的で、乗員たちの不満は次第に高まっていく.
そしてラスト近く、ピカードは提督からスターフリートの高級士官達の陰謀を暴くよう要望され、ストーリーは「恐るべき陰謀」へ引き継がれる.

まだ宇宙艦隊に入る心の準備ができていないウェスリーは、異星人とのコミュニケーションに関するユニークなテストはパスするものの、結局、不合格になってしまう.ホロデッキでウェスとウォーフが自分の恐怖について話すシーンが印象深い.


そこそこの面白さでやや冗長なシーンもある.おそらくメインのストーリー展開が明確に後のエピソードと関連している初めてのエピソード(もちろんずっと後のシーズンへつながる話はこれよりも前にある).しかしスタッフ側も「新スタートレック」の進むべき方向を模索していたのだろうか、「恐るべき陰謀」はあまりいい出来だとは言えない.登場する人物が生かされていないばかりか、「スタートレックらしさ」が失われている.

シャトルがシリーズ中初めて登場した、そうだ(未確認:詳しくはCompanionを参照).


監督:Michael Vejar
Cast
クイン提督: Ward Costello
デクスター・レミック少佐: Robert Schenkkan
チャン中尉:Robert Ito
モードック: John Putch
オリアナ:Taisa Valenza
テゥーシェニック:Estee Chandler




宇宙戦士への道


ウェスリーは通路で友人のジェイクと会う。彼は試験に失敗したらしく元気がなく、「僕の分まで頑張ってくれ」とウェスリーに言う。ビバリーからブリッジに来るように言われたウェスは仕方なく友人と別れる。

転送室。ウェスはレルバVII号星でスターフリートアカデミーの入学試験を受けるため、転送されていった。入れ違いにピカードの友人であるグレゴリー・キーン提督、彼の部下レンミック少佐が転送されてきた。だが、ピカードたちの歓迎を受けても提督の表情は固い。ピカードはライカーに艦内を案内させようとするが、提督は強い口調でそれを断り、ピカードと話がしたいと言い出した。その内容は個人的なものではなく、公式な任務に関するものらしい。

ピカードと提督たちは作戦室に向かった。提督はレンミック少佐が監査局の人間で、これからエンタープライズ内の不正を調査することになっているとピカードに説明する。少佐が出ていった後、ピカードはその真意を尋ねるが、提督は答えようとせず、調査が終わるまでこの艦に滞在すると言い残し出ていってしまった。

ウェスがなにかの装置をイジッテイルト、オリアナという少女が近づいてくる。彼女もアカデミーの入学試験の受験者で、ウェスリーのことを既に知っていた。ウェスがエンタープライズで実地経験を積んでいることがうらやましいと彼女は言う。そこへ残りの受験生、テゥーシェニック(バルカン人)とモードックも現れた。モードックはすでに有名な戦術を生み出した少年で、彼もまたアカデミーの受験生だと知ったウェスリーは驚いてしまう。最後にチャン試験官が入ってきた。今回の合格者はただ一人。いよいよ試験が開始された。

レンミック少佐がブリッジでパッド(携帯用のカード型端末)に何やら打ち込んでいる。彼は乗員たちと全く打ち解けようとせず、ブリッジは気まずい雰囲気につつまれている。我慢しきれなくなったライカーが作戦室のピカードの元へ行き、今回の調査の目的を尋ねるが、何も知らされていないピカードには答えることが出来ない。作戦室を出たライカーはレンミックから話をさせてくれと言われるが、邪険に断り、ブリッジから出ていってしまう。

テストは最終問題。モードックやウェスリーは無事解きおわっただが、オリアナは時間切れで解答できなかったようだ。モードックはウェスリーの検討をたたえる。オリアナはすっかり自信をなくし、ウェスたちにすらすら解けてうらやましいとこぼす。「そんなことはない。一生懸命努力した結果だ」と言い返すウェスは、彼女から「可愛いいのに」といわれ、頬を緩ませる。

ライカーは先程の、作戦室での無礼をわびる。ターボリフトから降りてきたレンミックがライカーに時話を聞かせろと頼み、断る理由もないライカーは彼に従う。作戦室に入ると、レンミックはピカードが艦長日誌を捏造した可能性があると切り出す。怒り出すライカーだが、隠蔽工作だと言われ、しぶしぶレンミックの質問に答えはじめる。

次にレンミックに捕まったのはジョーディ。コジンスキーの件を持ち出されるが、不可抗力だったと答えるが、逆にピカードが皆の反対を押し切ったのではないかと反論されてしまう。トロイに対してはスターゲイザー事件のことを尋ね、なかば強引にピカードが心身喪失だったと決め付ける。レンミックの質問は巧妙で、どう答えても彼の狙いどおりに結論付けられてしまう。

エンタープライズのホロデッキ。ウォーフが入っていくと、ウェスリーが一人壁にもたれて考え込んでいる。今日の試験がおわったので艦に戻ってきたらしい。ウォーフが出て行こうとすると、ウェスは引き止め、「サイコテスト」のことを尋ねる。ウェスリーはテストで試されるはずの、「自分が一番恐れているもの」が何なのか考えていたのだ。ウォーフは余計なことは考えるなとアドバイスする。ウォーフにも恐いものがあると聞かされたウェスは思わず「クリンゴン人にもこわいものがあるの?」と聞いてしまう。ウォーフは表情を変えず「恐怖を知らなくてはダメだ」と説明する。彼の恐怖は、他人を信用しきれないこと。エンタープライズの乗員たちを今でも信じきれないと話すウォーフに、ウェスは言葉を返すことが出来なかった。

ブリッジでピカードたちが話していると、シャトル格納庫に何者かが侵入したと警報が入る。犯人はジーク・ガーランド(冒頭でウェスリーが話していたジェイク少年)だった。制止する間もなく彼はシャトルで艦を離れてしまう。警備体制の不備を指摘するレミック。ピカードがシャトルに通信をいれると、思いつめた顔をしたジェイクが「もう艦には戻れない。貨物船の乗員にでもなります」と応答してきた。その直後、シャトルが大きく揺れた。ジェイクが操縦を誤り、コントロールが失われてしまったのだ。このまま飛び続ければシャトルはレルバIII号星の大気圏に突入してしまう。「少年が死んだらあなたのせいです」と口を挟むレミック。ピカードは強い口調で「だまっていろ」と命じる。

ピカードはジェイクを励まそうとするが、ジェイク自身はパニック状態でもうあきらめかけている。たとえエンジンを再点火できても惑星の重力から逃れることは出来ないだろう。

シャトルをじっと見つめていたピカードは、シャトルをレルバIII号星に向けるようジェイクに命じる。驚くジェイク、だがピカードの強い口調におされ、命令に従う。ピカードはシャトルを加速させた後、大気圏ぎりぎりのところで機首を起こしてシャトルを弾き飛ばそうとしているのだった。乗員たちが固唾を飲んで見守る中、シャトルは惑星へ向かって加速していく。そしてピカードの指示で機首を反転させると、狙いどおりシャトルは惑星から離脱することに成功した。

歓声をあげる乗員たち。レミックも思わず「やった」と声を上げてしまい、ピカードと目があうと真顔に戻る。「なぜ少年がシャトルに近づくことができたのか」と問い詰めるレミックに対し、ライカーは「彼もスターフリートアカデミー受験のため十分訓練をしていた」と答える。そしてピカードは「少年は時には冒険をしたくなるものだ」と付け加えた。この件も報告書に加えるといわれ、思わずかっとなるライカーだが、ピカードになだめられ、ぐっとこらえる。

アカデミーの通路をウェスとモードックが歩いている。前から歩いてきた士官が道を尋ねてくる。二人が道を教え、その場を離れようとする時、ウェスと男の肩がぶつかってしまう。ウェスが謝まるが、男は「わざとやったな」と怒り出してしまった。そこへチャン試験官がやってくる。ウェスがその場を取り繕うとすると、男はさらに怒ってしまう。一瞬考えたウェスリーは「悪いのは君の方じゃないか」と怒鳴りはじめる。すると男はニヤリと笑い、立ち去ってしまった。一部始終を見ていたモードックは男の反応を不思議がる。あの男は手に「水掻き」を持つソルダン人で、彼らは遠回しな態度を嫌うとウェスリーは説明する。話を聞いていたチャンはこれがテストの一つだったと二人に告げる。あっけにとられる二人。そしてモードックはソルダン人に水掻きがあったなんてとぼやく。

観察ラウンジ。デイタはレミックから不正が行われている証拠として艦長日誌を突きつけられる。だがデイタは耳を貸そうとしない。そして、ウォーフ、ビバリーもレミックに哀れむような態度で接する。

最後にピカード。惑星イドでウェスリーを救うために第一級優先条項を破ったことを指摘されるが、あえて反論しようとしない。「もうやめろ」とピカードが言うと、レミックは「これ以上調べると罪がばれるからですか?」と言い返す。ピカードは席を立ち、「唯一の過ちはこんな調査をゆるしたことだ」と言い捨て部屋から出ていった。

ピカードはキーン提督の部屋を訪れ、調査をやめるよう頼む。提督はすでに調査は終わったといってレミックを呼ぶ。ピカードは「友情はおわりですか?」と尋ねると、提督は「こんな事態は避けたかったが、どうしても必要だったのだ」とかたい表情のまま答えた。

ウェスリーたちが端末の前で試験を受けている。難問らしくモードックたちも苦戦しているようだ。「できっこない」とぼやくモードックにウェスリーはヒントを教えてしまう。そしてモードック、ウェスリー、テゥーシェニックが解きおわったとき、テストは終了した。試験会場にチャンが入ってくる。モードックはウェスリーに答えを教えてもらったと告白するが、チャンは「知っているよ」とニコニコしている。あとはサイコテストのみ、ウェスリーは不安そうだ。

レミックが提督の部屋に入ってきて報告を始めた。エンタープライズでの不正は発見されず、そればかりか確かな連帯感にあふれていたと話すレミック。退出を命じられたレミックは、今の勤務が終わったらこの艦に乗船したいとピカードに言い、出ていった。

「詳しく話すことは出来ないが、連邦艦隊の内部でクーデターの兆候がある」と提督は話しはじめる。そして信頼できる人物を手元に置くためにピカードを提督に昇進させ、スターフリートアカデミーの校長にしたいと持ち掛けた。今回の調査の目的は、ピカードが信頼に足る人物である確証を得るためだった。ピカードはしばらく考えさせてくれと尋ね、退出した。

ウェスが廊下でサイコテストの順番を待っている。やがてテストの終わったモードックが震えながら部屋から出てきた。彼の様子を見てしまったウェスリーはさらに緊張してしまう。

チャンに部屋に入るように言われたウェスリーは恐る恐る部屋に入っていった。だが部屋の中には椅子が一つあるだけで誰もいない。突然部屋の外で爆発音がした。ウェスが思わず部屋から飛び出すと、近くの実験室で事故が起きていた。実験室の中は煙がいっぱいで、大きなパイプの下敷きになった老人と、足がすくんで動けなくなってしまった若い男が助けを求めていた。爆発まであとわずかであることを警報が伝える。どちらを助けるかまよっていたウェスリーはパイプの下敷きになった老人を助ける方を選んだ。老人を出口の方に引きずりながら、若い男を励ますウェスリー。ウェスリーがなんとか廊下まで老人を引きずり出した時、実験室の扉は大きな音を立てて閉まってしまった。

チャンがやってきた。慌てたウェスリーが実験室の中に一人閉じ込められていると訴えるが、チャンは笑っている。さっきまでうめいていた老人は立ち上がり、ウェスリーに握手をすると立ち去ってしまい、実験室の中からは若い男が出ていた。目を丸くするウェスにチャンはこれがサイコテストだったと告げる。ウェスリーの恐怖は「死に直面することができるか」、テストはウェスリーの父親が死んだ時と同じような状況だった。放心状態のウェスリーの肩をたたき、チャンは立ち去っていった。

レミックは提督より一足先にエンタープライズを去っていった。作戦室に入ってきたライカーにピカードは提督からアカデミーの校長に推されたと打ち明ける。喜ぶライカー。だがピカードは「散歩することにした」と言い、部屋から出ていってしまった。あとに残されたライカーは顔をしかめる。

スターフリートアカデミーの合格者はモードックだった。ウェスリーは僅差で彼に敗れてしまった。答えを教えてもらったと抗議するモードックに「それも考慮した結果だ」とチャンは答える。受験者たちはお互いをたたえあい、わかれていった。

エンタープライズ。儀礼用の制服に着替えたピカードが通路を歩いていると、ジェイク少年が近づいてくる。顔をそむけて通り過ぎようとするジェイクをピカードは呼び止める。ジェイクは無謀な行動を詫び、助けてもらった礼を言う。ピカードは「それが仕事だ。最後に頑張ったことを忘れるな」と励ます。

観察ラウンジではウェスリーが一人で窓の外を見つめている。ピカードに提督の歓送会に参加しないのかと尋ねられたウェスリーは、「そんな気分になれない。皆の期待を裏切ってしまった。」と答える。ピカードは「精一杯やったのなら、それでいい。来年も頑張れ。実は私も一度落ちた」と言う。そして驚くウェスリーに歓送会に出席するよう命じた。

ピカードは転送室まで提督を見送った。「説得できなくて残念だよ」と言い残し、提督は転送されていった。




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