●保管について
レザーのフライトジャケットは生きているようなものなので、保管せずに
一年中着て、油や体温や水分で栄養補給するのがベストらしいのですが、真夏に革ジャンを着て歩くわけにもいきません。
革にとって大敵なのは「湿気」、「カビ」、「油脂分切れ」です。風通しの良い場所に、
太めのハンガーに吊るして保管するのが最上の方法です。ただ、革の厚みなどによっては、
伸びてしまったりヒビが入ってしまう場合もあります。そんな場合には、
防虫剤や防湿剤を入れた箱に保管して、湿気の少ない高所に置く様にしましょう。
たたむ際には革と革を出来るだけ接触させず、間にTシャツなどをはさんだほうが良いようです。
いずれの場合も、次のシーズンまで放っておくのは危ないですね。カビが
付いていないか、こまめにチェックしましょう。もし、カビが付着していた場合には、
濡らした布をよく絞って拭き取りましょう。
私は押入れに入れっぱなしにしておくのはちょっと怖いので、今期はパイプハンガーを買って、
吊るしておく事にしました。(そうすると今度は煙草のヤニが心配なんですが)
●オイル補給について
レザーのフライトジャケットから油脂分が失われると、表面が硬化して破れやすくなってしまいます。
そこで、時々はオイル補給をした方がいいらしいのですが、コーティングが甘い革に
ミンクオイルを塗ると革の感じが変わってしまうのでちょっと心配です。
中田商店ではオイルはお勧めせず、乾拭きで充分ではないかと言っていました。
私はあまりべっとりとは塗らず、気になったところだけをメインに、他のところは出来るだけ薄めに
塗るようにしています。当たり前の話ですが、ミンクオイルを塗って、一晩経ったら丁寧に
拭き取ります。残ったままだとミンクオイルが白くなって、粉をふいたみたいになってカッコ悪いです。
着用した状態で行うのがベストだとものの本に書いてありました。が、当たり前の話、
背中には手が届かないので、私はやっぱり床に広げて塗りこんでいます。
人間の肌にも良いんだから、「ニベア」みたいなものでいいんだという説もありますが、
やっぱり革はミンクでしょうね。
雨や雪で濡れてしまった時は、まず陰干し。水分が乾く時に油脂分も飛んじゃうので、
乾く前にちょっと多めにオイルを塗って、乾いたら
余分なオイルを拭き取ります。
●クリーニング
レザークリー二ングは基本的にはしないほうが良いようです。
マッコイズでは「マッコイズでは基本的にはレザークリーニングはお勧めしません。」と言い切っています。
私の友人は、定期的にレザージャケットをクリーニングに出しており、その革ジャンも良い感じなんですが、
やっぱりちょっと革の感じが変わっちゃうかなと思ってます。
私もクリーニング屋のおばちゃんにクリーニングを勧められたのですが、お断りしました。
(けしてクリーニング代が7000円もしたからではありません。)
ただ、上着なのでそんなに汗臭くなると言う事もないとは思いますが、匂いがついちゃったら
どうしようかなと心配してます。
あと、防水スプレーについてですが、私は使っていません。以前、革鞄買った時に、
メンテについて聞いたら、
「革も呼吸していて、防水スプレーは目詰まりさせて、呼吸が出来なくなるからあまりお勧めしません。
オイルの方が良いでしょう」
と言われたからです。あんなに厚い革を使ってる鞄でもそうなんだから、ジャケットなんぞは
推して知るべし。
シープスキンのメンテナンス
B-3、B-6、そしてD-1に代表されるシープ・シアリング・ジャケット。
個人的にはこれがフライトジャケットの醍醐味だと思ってるんですが、
その風合いを維持するためには、メンテナンスが大変です。シープの場合は、
バキバキに破れてるヴィンテージ、よくありますもんね。
構造上の特徴は、革自体が裏返して使用されていることです。
つまり、ジャケットの表面は羊革の裏にあたります。だから、その着用上の取り扱い方法や
アフターケアはホースハイドやゴートスキンなどのほかの革製フライトジャケットとは違うんですね。
ゴートやホースのジャケットの表面に使われた革(いわゆる銀面)にはコーティング加工が
施されているので、多少の擦れには対応できますが、シープスキンはやはり裏使いされているだけあって
ほかのレザーに比べると弱いことは確かみたいです。
結局は、大事に着ましょうってことでしょうか。
●オイル補給
革が持つ油脂分は、もともと革自体がもっている脂となめしの際に加えられる油分とがありますが、
着込んでいくうちにその油分も失われてしまいます。そこで革をいつもべストな状態に保つためには、
適度な油分補給が必要となってくるわけです。雨などの水分から革を守るためにも定期的な油分の補給は
有効です。
私は、革の鞄に定期的にミンクオイルをぐいぐい塗りこんでいますが、
最近ちょっとくらいなら雨を弾くようになりました。
補給方法は、まず手のひらにのばしたオイルをジャケット全体に薄く
のばすように塗り込む。塗り終わった後のフライトジャケットは通気性の良い場所に
一昼夜ほどおいて、余分なオイルを乾いた布で拭き取ります。
アジャスターベルトの裏側にオイルを塗っちゃうと、変色します。
●シープファーのアフターケア
シープ・シアリング・ジャケッ卜のライナーは、羊の表革のウールです。
汚れやすいとこなので、私は着た後は必ずブラッシングするようにしています。
汚れが目立ってきたら、シミ抜き用のクリーナーや
ベンジンを布に含ませて軽く叩くようにしてファーにつける。で、汚れが浮いてきたら、
乾いた布で拭き取ります。このへん所謂染み抜きと一緒ですね。
また、雨や汗などで濡れたまま放っておくと、バクテリアの発生を促進
してしまうので注意。もし濡れてしまった場合には、タオルなどの吸湿性の良い布で
全体の水分を吸い取って、あとは形を整えてからお約束の陰干し。また、
カビが発生してしまった場合には、濡らした布を固く絞ったもので早めに拭き取って、
やはり陰干しをする。
ちなみに私は革ものにカビをはやした事はありませんが、
友人は靴にカビが生え、カビキラーを使ってレザーソールのストレートチップを1足駄目にしました。
ナイロンジャケットのメンテナンス
●クリーニング
ナイロンジャケッ卜はレザー物よりクリーニングは簡単です。私も定期的にクリーニングに
出しています。ですが、もし古着をイメージして
着込みたいのであればクリーニングには出さない方が良いようです。
ニットやインターライニングは汗などにより縮みが出ます。そして
その縮みにアウターシェルが引っ張られることによって、古着に見られる独特の風合いが
醸し出されるからです。クリーニングは、やはりその風合いを損ねることもあるので注意したいところです。
一度、N-3Bをクリーニングに出したのですが、何故だか、なんかくたっとした感じになってしまいました。
MA-1の方は、あまりダメージはなかったです。多少インシグニアが薄くなる以外は。
表面の汚れなどは 薄めたべンジン液か中性洗剤で汚れた部分を拭き取る程度で良いようです。
(ナイロンはベンジンでダメージを受けないのかどうかは未確認。)
なんかこぼしたような汚れの時は消しゴムを使っていますが、あまり効果はありませんでした。
ドライクリーニングに出す場合には、パーク系より石油系をお薦めとものの本に書いてありました。
パークロルエチレン系と、石油系で溶剤が違います。石油系じゃないとだめなものは、
指定してあると思います。
●ムートンのアフターケア
B‐15などに施されたムートンファーの襟は、柔らかいブラシで埃などを払い落とします。
悩みの種は抜け毛だけ。B-15Cのボアがだめになったら、B-15C/MODにしましょうなどと書いてある本が
あったが、そんなリペアしたらアルファのMA-1買えるっちゅうねん。
コットンジャケットのメンテナンス
●保管
B-10などのコットン製のフライトジャケットも、風通しが良くて日の当たらない場所に保管します。
当たり前ですが、コットンも日焼けしやすいし、日焼けは治りませんからね。
その際には、太めのハンガーに掛けておくのが良いでしょう。クリーニング屋さんから
もらった針金ハンガーに吊るしておくと、肩に針金の後がついちゃったりしますからね。
ムートンの襟やインナーのアルパカ素材、ニットパーツなどは
虫食いしやすい部分です。その虫食いを防ぐためには、防虫剤や防湿剤は必須アイテム。
箱に入れて保管する場所も湿気の少ない高所を選んで置いておくようにしましょう。
●クリーニング
コットン製フライトジャケットも、ナイロン製フライトジャケットと同じでドライクリーニングによる
ケアが簡単です。ただし、インシグニアなどのマーク部分の薄れを気にする人には、
ちょっと辛いかもしれません。私は作業着にコットンのC-1ベストをよく着ていまして、
これはわりと頻繁にクリーニングに出すのですが、却ってくるたびにAFマークは褪せています。
コットンはクリーニング表示によりますが、うっかりしてると水洗いされちゃいますから注意。
先日コットンジャケットをクリーニングに出す時、ドライになるか水洗いになるかを確認したのです。
水洗いするのならうちでしたって同じ事ですからね。するとクリーニング表示を確認したおばちゃんに、
「あ、これは単体洗いになるから600円ね」と言われてしまいました。(ちなみに普通の
ドライクリーニングは300円)買ったばかりではあったけれども、そんなに高いジャケットではなかったので、
「600円もするのならやめよかな」と言ったら、
「だめだめ、縮むし、色褪せするから」と、とっととクリーニングに出されてしまいました。
うーん、商売上手。
ちなみにこのおばちゃんはB-3を買って3シーズン目には
「それそろそろクリーニングに出した方がええんちゃうん」と言い、
新しいシャツを初めてクリーニングに出すと、
「あ、おニューやね」と言うなかなか侮れない奴です。
・Flight Jacket Connection | 国書刊行会 | |
・飛行服発達史 | 潟潤[ルドフォトプレス | |
・フライトジャケットブランドカタログ '97〜 | 潟潤[ルドフォトプレス | |
・フライトジャケットカタログ | 成美堂出版 | |
・ジャンパースタイル | 潟潤[ルドフォトプレス | |
・REAL McCOY #01〜 | 潟潤[ルドフォトプレス | |
・革ジャン物語 田中凛太郎著 | 扶桑社 |
・フライトジャケットバイブル イカロス出版
これはなかなか読ませましたね。フライトジャケット系はカタログ物や
歴史描写が多いので硬い文体のものが多いのですが、この本はファッション雑誌のような
柔らかい文体で書いてあり、楽しめました。
中でも「マッコイズA-2の登場は、レプリカの在り方を変えただけではなく、
フラジャケの神様までをも変えてしまった。」のくだりには大爆笑。
読み物として面白いです。
ただ、「コントラクター」を「コンストラクター」と間違えているところに
薄っぺらさを感じます。
・フライトジャケットブランドカタログ
潟潤[ルドフォトプレス
まあ毎年出ているワールドフォトプレスのカタログです。2000年版というだけで、 お決まりで買ってみました。 今年の特集は「銀幕の空の勇士たち」と称して、フライトジャケットの出てくる映画を取り上げています。 私は映画好きじゃないのと、未公開物が多かったので、あまり参考にはなりませんでした。
・Class 13 ザ・リアルマッコイズミリタリーエキップメント総目録
潟潤[ルドフォトプレス
多分リアルマッコイズを持ってない奴だけが本屋で買うんでしょうね、これは。
#01は思い入れたっぷり、アイテムもたっぷりでなかなか良く出来た「本」だったんですが、
年を経るごとに、薄く、コメントも面白くなくなっていきますね。まあただのカタログなので
しょうがないって言えばしょうがないんですが、だんだん商売っ気出してきたな。
それにしても儲かっていいなー、マッコイズ。
●FLIGHT JACKET TOP
●FLIGHT JACKET
●RIDERS JACKET
●NYLON JACKET
●LEATHER豆知識