成功法則は失敗法則だった

 ここまでの種明かしで、手法Aと手法Dの内容も特徴もはっきりわかりました。
 そこで、もう一度、あの広告メールの内容を検証してみましょう。
 あの広告メールにはウソは書かれていませんでした。
 すべて実際の正しいデータが使われていました。
 なのに、手法Aだけが飛びぬけて優秀な手法であるかのように思わせる内容になっていました。
 なぜ、そのようなことになったのでしょうか。

 まず、1通目のメールです。
 このメールでは、各手法のプレーヤー1000人のうち、何人がプラスになったかを見せています。

 
 

 これは、手法Aを選んだ場合が最も勝率が高いことを表しています。
 
 2通目のメールでは、プラスになった人の中でそれぞれの手法の占める割合を円グラフで表現しています。



 これは、成功した人だけを取り上げて、どの手法を使ったかを調べたものです。
 成功者の中では、手法Aを採用した人が圧倒的に多いことを示しています。

 なぜ、このようなことになるかは、全体のグラフを見れば明らかになります。
 先に、最終の収支金額ごとの人数のバラつきをグラフで示しました。



 
 このグラフの、プラスの部分だけを切り取ると、こうなります。



 プラスの部分だけを見てみると、手法Aが圧倒的に人数が多く、手法Dはほんのわずかだというのが分かります。
 あの広告メールのような、極端な結果が出てしまうのは、こういうからくりだったんです。
 
 3通目のメールでは、一番の成功者はどれだけ稼いだかを調べています。

手法A 手法B 手法C 手法D
7280$ 1052$ 380$ 90$



 手法Aの最高額だけが突出しています。
 この金額は半端な数字ではないので、インパクトは大きいですね。
 でも、からくりを知ってしまった今となっては、これも不思議でもなんでもないことです。
 手法Aは結果のバラつきが大きいので、金額の大きい人を探すと、まれにとんでもなく高額な人が見つかるんです。
 その幸運な人は高額を稼いだことは間違いありません。
 でも、高額を稼いだ人がいたからと言って、そのまま手法Aの優秀さの証明にはなりません。
 とんでもない高額な人がいるということは、とんでもなく大損した人が存在するということなのですから。

 さて、それぞれの手法の実態が分かった今、あなただったら、手法Aを選びますか。
 こんなに危なっかしい手法には簡単に手を出せないのではないでしょうか。
 
 確かに、広告メールに示されているデータにウソはありませんでした。
 しかし、一部分だけを切り取って、手法Aが優秀だと錯覚させるように誘導するところがまやかしだったんですね。
 あの広告メールは、このギャンブルの全体像を意識させないようにするために、わざと一部分だけを強調していたわけです。
 一部だけをクローズアップすることで、全体が見えないようにするというのは、詐欺テクニックの定石です。

 「え? 結局、詐欺に騙されないようにしましょうってこと?」
 いいえ、ここは詐欺被害防止のサイトではありません。
 これと同じことは、私たちの身の回りで当たり前に起きているんです。

  



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