さて、手法Aの収支結果の分布を見てきました。
これを見ているだけでは意味がわからないので、手法Dの収支結果も見てみることにしましょう。
結果は以下の通りです。
<手法Dの収支結果>

一目瞭然、手法Aとの違いは明らかですね。
手法Dの場合も、同じく−500ドルぐらいを頂点に山形を形成しています。
ここまではおなじ。
でも、決定的に違うところがあります。
それは、山の高さと裾野の広がり方が違うということです。
手法A=なだらかな低い山。
手法D=切り立った高い山。
両方のグラフを模式図的に同じグラフに表現すると、このようになります。

手法Aと手法Dでは何が違うかというと、バラつきが違うということです。
手法Aの場合は、−5320ドルになってしまった人がいる一方で、7280ドルも稼いだ人がいます。
7280ドルも稼いでしまう人がいるなんて、ものすごく運のいい人ですね。
たった10ドルずつ賭けていくだけで7280ドル。
それも、ただ1つの数字にひたすら賭け続けるだけ。
こんなことで7280ドルも稼げたら、ホントにラッキーですよね。
でも、手法Aの場合、逆に運の悪い人がいます。
最悪の人は、5320ドルも損をしてしまったのです。
たかがルーレットごときでこんなに失ってしまうなんて、後悔しきりでしょう。
一方、手法Dの場合は、もっとも損が大きい人でも−1370ドル。一方で最も稼いだ人でもたったの90ドルです。
ほとんどの人は、500ドルぐらいの損で終わっています。
とびっきり運がよくでも90ドルの儲けしかありません。
そのかわり、とびっきり運が悪くても、1370ドルの損で済みました。
もう、特徴は明らかですね。
手法Aは、とんでもなく大勝ちする可能性がある反面、とんでもなく大損する可能性があります。
手法Dは、大して儲かりそうにない反面、大損する恐れもなさそうです。
| 手法A |
大勝ちする可能性あり
大損する恐れあり |
| 手法D |
大勝ちする可能性なし
大損する恐れなし |
これを、リスクという視点で見ると、手法Aはリスクが大きい。手法Dはリスクが小さい。ということになります。
ようやくここで、「リスク」と話がつながりました。
この事例をリスクマネジメントの視点で検証していくと、さらに面白い発見があるのです。
では、次に、あの広告メールの内容を検証しなおしていきましょう。

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