実は成功法則を見つけるのは簡単なんです。
なぜ?
だって、成功した人を見つけて、その人のやったことを調べればいいだけだから。
たとえば、あるビジネスで大成功した人いたとしましょう。
その人のやったことをいろいろ調べて、それらしいことを取り上げれば成功法則になります。
「その人は、いつもいろんなやり方を試していた」
↓
「成功法則発見! 試行錯誤が成功のポイントだ」
「その人は、周囲の反対することにあえて挑戦した」
↓
「成功法則発見! 強い信念をもって実行することが成功のポイントだ」
と、こんな感じです。
成功者がたまたまそういう行動をとっていただけで、成功法則になってしまうんです。
これだったら、成功法則を見つけるのは簡単ですね。
成功事例を見つけてきて、後付けの解釈で理由を探せばいいんです。
こういうのを「後知恵」と言います。
その人が根っからの楽天家だったら、楽天家であることが成功の秘訣にできます。
その人が几帳面な人だったら、緻密に計画を実行していくことが成功の秘訣です。
その人が自分の目標を紙に書いて貼り出していたら?
そう、目標を紙に書いて目につくところに貼るというのが成功法則になります。
これから創業するという人を連れてきて、その人が成功するかどうかを当てるのは非常に難しい。
その人をいくら調べて情報を収集したとしても、成否を予言するのは無理です。
でも、成功してしまった人だったら、もう評価は確定していますから、その人の何を取り上げてもすべて成功法則になります。
それが本当に成功法則かどうかなんて誰も検証できませんから、何でもありです。
つまり、後知恵の集大成が成功法則なのです。
これらの成功法則は、よく考えれば、法則でもなんでもなかったりします。
試行錯誤が成功のポイント?
成功のために試行錯誤を重ねるのは当たり前です。
失敗を重ね、ようやく苦労して成功するということは、誰もが経験すること。
こんなこと法則として教えてもらわなくても誰でもやってますよね。
成功者は、成功したから過去の試行錯誤に意味があったと解釈されますが、必ず試行錯誤で成功に至るわけではありません。
時には、試行錯誤を繰り返すだけで成果が出ないこともあります。
むしろ、こちらのケースのほうが多いかもしれません。
でも、成功しなかった試行錯誤は表面化しないので、人目に付かないだけです。
もしも、成功しなかった人にだけインタビューしても、みんな試行錯誤したと答えるでしょう。
本当に成功法則を見つけようと思ったら、成功者と失敗者を比較して、成功者にあって、失敗者にない特徴を拾い上げなければならないはずです。
でも、そのようなことをしようとする人はいません。
なぜでしょうか。

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