鯨飲馬食(げいいんばしょく)。 解釈:多量に酒を飲み、大食すること。 類義:暴飲暴食(ぼういんぼうしょく)。 形影(けいえい)相同じ。 解釈:形によって影が現れるように、人の心の善悪は、行いによって現れる ということ。 形影、相弔う。 解釈:自分と自分の影が互いに安否を尋ね合う。訪れる人もなく一人ぼっち で寂しく暮らすこと。 類義:形影自ら相憐む。 敬遠。 解釈:うわべは敬っているような態度をして、実は近づくのを避ける様子。 意識して避けること。 類義:敬して遠ざく。 傾蓋(けいがい)旧の如し。 類義:白頭(はくとう)新の如く、傾蓋(けいがい)故(こ)の如し。 謦咳(けいがい)に接す。 解釈:お眼にかかる。尊敬する人や身分の高い人に直接面会したり話を聞く こと。「謦」も「咳」も咳払いの意。 傾蓋(けいがい)の友。 解釈:一度会っただけで、すっかり親しくなること。 芸が身を助けるほどの不仕合せ。 解釈:全盛時代に習い、身につけた芸を、落ちぶれてから売り物にして世を 渡るような不幸な状態をいう。 参考:芸が身を助ける。 荊棘(けいきょく)の道。 解釈:苦難に満ちた人生のたとえ。「荊棘」はイバラのこと。 鶏群(けいぐん)の一鶴(いっかく)。 解釈:多くの凡人の中に一人傑出した人物が混じって際立っていること。 類義:鶴立鶏群(かくりつけいぐん)。紅一点(こういってん)。掃溜(は きだめ)に鶴。 経験は学問に勝る。 解釈:実際に物事に当たって得たものは、理論より身につくものである。帰 納法的思考。 類義:亀の甲より年の劫(こう)。習うより慣れよ。 経験は馬鹿をも賢くする。 解釈:どんなに愚かな者も、経験を積むことによって次第に賢くなる。それ ほど経験は貴重なものだという意。 鶏口(けいこう)となるも、牛後(ぎゅうご)となる勿れ。Please do become the mouth of the cock, and do not become cow's back. 解釈:大きな集団で人の後につくより、小さな集団でその長となれという意。 中国蘇秦(そしん)が韓(かん)王を説いて、秦に屈せず戦うように勧めた故 事による。 活用⇒小団体の長になれ、大団体の一員になるな。Please do become the representative of a small group, and do not become the member of a large group. 類義:大鳥の尾より、小鳥の頭。鶏口牛後。鯛の尾より鰯の頭。 反義:寄らば大樹(たいじゅ)の陰。 傾国(けいこく)。 解釈:絶世の美女の形容。美人は君主の心を迷わせ、国を滅ぼすことから、 世にも稀な美しい女性を指す。 類義:傾城(けいせい)。 荊妻(けいさい)。 解釈:愚妻。自分の妻の謙称。中国後漢(ごかん)の梁鴻(りょうこう)の 妻孟光(もうこう)が、質素で何時も荊釵(けいさい。イバラのかんざし)と 布裙(ふくん。布のもすそ)を身に着けていた故事による。 敬して遠ざく。 解釈:敬っているが、なれなれしくはしない。転じて、尊敬している振りを して、実際は疎んじていること。 類義:敬遠。 閨秀(けいしゅう)。 解釈:「閨」は女性の部屋の意。学問や芸術に優れた婦人の称。 芸術は長く、人生は短し。 解釈:芸術作品は作者の死後も長く後世に残るが、人間の命はあまりにも短 いものだ。 傾城(けいせい)。 解釈:一目見ただけであまりの美しさに迷って、国を滅ぼすほどの美人の形 容。また、遊女のこと。 類義:傾国。 傾城に誠なし。 解釈:遊女は多くの客を相手にして商売をしているので、本心が分らず、頼 りにならないこと。 類義:傾城に誠あれば、三十日に月が出る。傾城の誠と琴箱のそらぬは無き もの。 蛍雪(けいせつ)。 解釈:苦学。辛苦して学問に励むこと。中国晋(しん)の車胤(しゃいん) は貧しくて灯火の油が買えず、蛍の光を集めてその光で書を読み、孫康(そん こう)は雪を集めてその光で書を読んだ故事による。 類義:蛍雪之功(けいせつのこう)。蛍窓雪案。 用例:蛍雪の功を積む。 兄(けい)たり難く、弟(てい)たり難し。 解釈:どちらが優れているか優劣がつけられないこと。負けず劣らずという 意。中国漢の陳元方(ちんげんぽう)の子長文(ちょうぶん)と陳季方(ちん きほう)の子孝先(こうせん)の二人が父親の功績を論じて、優劣を競い合っ たが、それぞれに優れて決着がつかなかった故事による。 類義:伯仲(はくちゅう)の間。 逕庭(けいてい。径庭)。 解釈:大きな隔たりがあること。「逕」は狭い小路、「庭」は広い場所の意。 兄弟(けいてい)牆(かき)に鬩(せめ)げども、外(そと)、其の務 (あなどり)を禦(ふせ)ぐ。 解釈:「牆」は垣根、「鬩」は諍い(いさかい)、「務」は侮り(あなど り)。兄弟喧嘩はしていても、外から侮辱を受ければ、心を合わせて防ぎ守る ものである。 類義:兄弟、讒鬩(ざんげき)すれども、侮人(ぶじん)を百里にす。 芸人に年なし。 解釈:芸人(役者)はどんな年齢の役であっても演じることができる。また 年と共に芸に磨きがかかる。 類義:役者に年なし。役者は魔物。 啓発(けいはつ)。(論語) 解釈:「啓」、「発」は開く、教えるの意。無知の人の目を開き、教え導く こと。 芸は道によって賢し。 解釈:芸はその道一筋に修めることによって精進する。また、専門、商売に よってそれぞれそのことをよく知っていること。 類義:馬は馬方。蛇(じゃ)の道は蛇(へび)。商売は道によりて賢し。田 作る道は農に問え。餅は餅屋、酒は酒屋。 芸は身につく。 解釈:財産や地位は、境遇の変化により身を離れることもあるが、芸はその 人から離れることはなく、能力として用いることができる。 類義:財を積む千万なるも、薄芸身に随(したが)う。 参考:Business is the salt of life.(職業は生活の塩である) 芸は身の仇(あだ)。 解釈:なまじ習い覚えた技芸を持っているため、かえって身を誤ること。 類義:芸は身を破る。粋(すい)は身を食う。 反義:芸は身を助く。 芸は身を助く。 解釈:身についた技芸があれば、それで身を立てることができ、また困った ときには暮らしの助けにもなる。 類義:芸は身につく。 反義:泳ぎ上手は川で死ぬ。芸は身の仇。 桂馬(けいま)の高上がり。 解釈:「桂馬」は将棋の駒の一つで、他の駒を飛び越して斜め前に進むこと ができるが、前後左右に動けないため、進み過ぎると動きがとれなくなること がある。身分相応な地位について、もろくも失脚するたとえ。 類義:桂馬の高飛び、歩(ふ)の餌食。 鶏鳴狗盗(けいめいくとう)。 解釈:鶏の鳴き真似をして人を騙したり、犬のようにこそこそと物を盗んだ りする卑しい者。小才覚(こさいかく)のある者のこと。中国孟嘗君(もうし ょうくん)の故事による。 鶏肋(けいろく)。 解釈:鶏の肋骨のように、大して役には立たないが、捨てるには惜しい物、 事柄。 ゲーテの名言 人をほめれば、その人と対等になれる。 どのような時であっても、異見を立てようという気になってはならない。無 知の人と争えば、賢者も愚者になってしまうだろう。(「西東詩集」、箴言の 書二七番) |