鐘鋳(い)るまでの土鋳型。 解釈:目的を果たすまでは、粗末な物で我慢することをいう。 類義:鐘を鋳るまで泥鋳型。 金請けはするとも、人請けはするな。 解釈:借金の保証人になる方が、人の保証人になるよりまだましである。 類義:借請人に立つとも、人請人に立つな。 金が言わせる旦那。 解釈:金があるときは、世間の人から「旦那、旦那」ともてはやされるもの だが、それは人格によるものでなく、金の力によるものであるということ。 類義:金さえあれば飛ぶ鳥も落ちる。金は威光の元。人間万事金の世の中。 金が恨みの世の中。 類義:金が敵(かたき)。 金が敵(かたき)。 解釈:金銭が災いとなって身を滅ぼすことがある。金銭が絡むと、味方でも 敵となることがよくあるという意。 類義:金が恨みの世の中。金が敵の世の中。金と女が敵。銀(かね)は命の 親、命の敵。 金が金を儲ける。 解釈:資本となっている元金が利子や利益を生み出すこと。 類義:銀(かね)が金を貯める。金が金を創る。金が金を呼ぶ。 金が子を生む。 解釈:金に利子がついて増えていくこと。 類義:金が金を儲ける。 金が物言う。 解釈:世の中は、金さえあればどうにでもなるということ。 類義:金さえあれば、飛ぶ鳥も落ちる。金の光は阿弥陀(あみだ)ほど。地 獄の沙汰も金次第。成るも成らぬも金次第。 金さえあれば、飛ぶ鳥も落ちる。 解釈:この世の中、多少のことは金さえあればかたがつく。 類義:成るも成らぬも金次第。 金宝より子宝。 類義:子に過ぎたる宝無し。 金で面(つら)を張る。 解釈:金銭の力で、反対する者を押さえ込むこと。 類義:小判で面を張る。 金と塵は、積もるほど汚い。 解釈:金持というものは、財産が増えるほどけちになるものだという意。 類義:金と痰(たん)とは溜まるほど汚い。金持と灰吹は溜まるほど汚い。 金と水とは世界の湧き物。 類義:金は湧き物。 金に糸目を付けぬ。 解釈:金額の大小を問わずに、惜しみなく金を使うこと。 類義:金に飽かす。 金に親子はない。 類義:親子の中でも金銭は他人。 金の貸し借り不和の基。 解釈:金銭の貸し借りというものは、赤の他人の間ではさほど問題が起こら ないが、親しい間ではとかく問題が起きて、不和のもとになりやすいことの戒 め。 類義:親子の中でも金銭は他人。金の切れ目が縁の切れ目。金を貸せば友を 失う。 金の切れ目が縁の切れ目。 解釈:親しい間柄でも金銭で繋がっている部分があるので、金がなくなれば、 付き合いが絶たれる場合がある。 類義:愛想(あいそ)づかしも金から起きる。 鉄(かね)の鎖も引けば切れる。 解釈:意志の強い者でも、誘惑に負けることがあるという意。また、困難に 思えても、やってできない事はないという意味にもいう。 金の光は阿弥陀(あみだ)ほど。 解釈:金の力は絶大であるということのたとえ。仏の力よりも、時として金 の力の方が、人の心を捉える。 類義:阿弥陀も銭で光る。地獄の沙汰も金次第。銭ある時は鬼をも使う。 金の光は七光(ななひかり)。 解釈:金さえあれば、絶大な威力を持つことができることのたとえ。 類義:阿弥陀も銭で光る。金が物言う。金さえあれば行く先で旦那。金さえ あれば天下に敵なし。銭ある時は鬼をも使う。 鉄(かね)の草鞋(わらじ)で尋ねる。 解釈:どんなに歩いても擦り切れない草鞋で探すということから、根気強く 歩き回って探すことのたとえ。 類義:鉄の下駄で尋ねる。金の草鞋で探す。 金は危ない所にある。 解釈:大金を手に入れるには、危険が伴うものである。 類義:金儲けと死に病に、易い事なし。 反義:金は湧き物。 銀(かね)は命の親、命の敵(かたき)。 解釈:金のお蔭で、人が助けてくれるときもあれば、逆に金のために、身を 滅ぼすこともある。 類義:金が敵。金が敵の世の中。 金は浮き物。 解釈:金というものは絶えず巡り渡るものであるから、金持が何時までも金 持でいられるとは限らない。 類義:金は天下の回り持ち。金銀は回り持ち。 反義:金は片行き(かたいき)。 金は片行き。 解釈:金があるところには自然と金が寄ってくるし、反対に無い所へは、い くら働いても金が寄ってこないものである。 類義:金と子供は片回り。 反義:金は浮き物。金は天下の回り持ち。 金は三(さん)欠く(かく)に貯まる。 解釈:金は、義理・人情・交際の三つを疎かにするくらいでないと貯まらな い。つまり、人並の暮らしをするようでは、貯まらないものであるという意。 類義:金は不浄に集まる。 反義:金は湧き物。 金は天下の回り持ち。 解釈:金というものは、常に世の中を巡り巡っているものだから、今は貧し くても、真面目に働いていれば、何時かは自分の所にも回ってくるものである。 類義:金は世界の回り物。金は天下の回り物。金は湧き物。宝は国の渡り物。 反義:金は片行き。 金は湧き物。 解釈:金というものは、運さえ向いてくれば、自然に手に入るものである。 金がないといって、心配することはない。 類義:金と虱(しらみ)は湧き物。金と水とは世界の湧き物。金銀は湧き物。 宝は湧き物。 反義:金は危ない所にある。金は三欠くに貯まる。金儲けと死に病に、易い 事なし。 金儲けと死に病に、易い事なし。 解釈:金を稼ぐということは、並大抵のことではないということ。 類義:金は危ない所にある。金を取る病と、命を取る病は怖い。 鐘も撞木(しゅもく)の当たりよう。 解釈:鐘の音は撞木の当たり方によつて、大きくも小さくもなることから転 じて、夫婦の間は、互いに、連れ添う人次第でよくも悪くもなることのたとえ にいう。また、こちらの出方次第で、相手の応じ方も異なることのたとえにも いう。 金持、金を使わず。 解釈:金を持っている者ほどけちなものである。 類義:金持はしわんぼう。 参考:無け無しの無駄遣い。 金持、喧嘩せず。 解釈:喧嘩すると損はしても得をすることはない。だから金持は人と争わな いということ。 類義:金持舟に乗らず。金持身が大事。 金持と灰吹は、溜まるほど汚い。 解釈:金持は、財産があればあるほど貪欲になり、けちになることのたと え。 類義:金と塵は積もるほど汚い。川濁らざれば太らず。掃き溜めと金持は溜 まるほど汚い。 金持の貧乏人、貧乏人の金持。 解釈:金持は金があればあるほど欲が深くなり、もっと多くの金を欲しいと 思う。貧乏人は少しの金でも満足するので、心の面では豊かである。 金を貸せば友を失う。 解釈:親しい友人に金を貸すと、それが原因で不仲になるということ。 類義:金の貸し借り不和の基。金を貸したのが縁の切れ目。 参考:Lend your money and lose your friend.の訳語。 金を攫(つか)む者は人を見ず。 類義:鹿を遂(お)う者は山を見ず。 禍福(かふく)、己による。 解釈:自分の気持の持ち方一つで、幸福にも不幸にもなるものである。 類義:禍福、門(かど)なし。 禍福は、糾(あざな)える縄の如し。 解釈:禍(わざわい)と福とは、撚り合わせた縄のように替わる替わる来る ものである。 類義:吉凶は糾える縄の如し。人間万事、塞翁(さいおう)が馬。楽は苦の 種、苦は楽の種。 冑(かぶと)を脱ぐ。 解釈:降参すること。 株を守りて兎を待つ。 解釈:古い習慣や一度成功した経験に捉われて、融通がきかないことのたと え。兎が跳んできて木の切り株にぶつかって死んだのを見た農民が、それから は働くのを止め、毎日株を見張って、兎を捕ろうとしたという故事による。 類義:何時も柳の下に泥鰌はいない。剣を落として舟を刻む。琴柱(ことじ) に膠(にかわ)す。能なしの能一つ。 画餅(がべい)に帰す。 解釈:画(え)に描いた餅は食べられない。実際には役に立たなくなること のたとえ。 壁訴訟(かべそしょう)。 解釈:誰に訴えるというものでもなく、一人で壁に向かってぶつぶつと言う こと。 類義:壁見参(かべけんざん)。 壁に馬を乗りかける。 解釈:急いで無理をすることのたとえ。また、出し抜けに行うこと。 壁に耳。 解釈:どこで誰が聞いているか分らないということ。密談の漏れやすいこと のたとえ。 類義:石に耳あり。壁に耳あり、障子に目あり。壁に耳、垣に目口。昼には 目あり、夜には耳あり。藪(やぶ)の耳。闇夜(やみよ)に目あり。 参考:Walls have ears.の訳語。 壁の穴は、壁で塞げ(ふさげ)。 解釈:失敗を一時しのぎで誤魔化したり、他の物で間に合わせてはいけない という戒め。 類義:壁の繕(つくろ)いは土でなければ出来ぬ。 果報(かほう)。 解釈:前世の報い。巡り合わせのよいこと。 果報は寝て待て。 解釈:運は人の力ではどうすることもできないから、人事を尽くした後は、 静かに運が来るのを待っているのがよいということ。 類義:福は寝て待て。待てば海路(かいろ)の日和あり。 反義:運を待つは、死を待つに等しい。蒔かぬ種は生えぬ。 参考:Everything comes to those who wait.(待つ人には全ての物が手に入 る) |