ああ言えばこう言う。Speaking of "That", I answer with "This". 解釈:言を左右にすること。あれこれと理屈を並べたり、言葉尻を捉えたり して、口答えをすること。 活用⇒Aと言えば、Bと言う。Speaking of A, B say. It is said B if it is said A.[我想] 類義:右と言えば左。山と言えば川。 合縁奇縁(あいえんきえん)。Uncanny relationship. 解釈:縁とは不思議なもので、人と人との間に気持が通い合うのも、通い合 わないのも、皆この縁の働きによる。 活用⇒相縁帰縁。愛するも、愛しないのも、全て因縁による。I love partners. I do not love partners. It depends on fate entirely. 類義:縁は異なもの。偕老同穴(かいろうどうけつ)の語らいも縁次第。何 事も縁。 参考:愛縁機縁(仏教用語)。偕老同穴(人生儀礼に関する祝詞)。 愛多ければ、憎しみ至る。Hatred arises when love becomes deep. 解釈:人に可愛がられることが多ければ、必ず他の人から恨まれる。特別な 寵愛(ちょうあい)は身の破滅を招くことにもなりかねないから、注意しなけ ればならないという意。 活用⇒愛が強ければ、憎しみが生まれることもある。If love is strong; hatred can be born. 挨拶は時の氏神。The person who greets it is like the time god. 解釈:喧嘩や口論の仲裁をしてくれる人は、ありがたい氏神様と同じだから、 仲裁人の調停には、速やかに従うのがよい。 活用⇒声掛けは鎮守様。[守]争いがあったときは、祖先の神に仲裁をお願 いしよう。Let's ask ancestor's gods for arbitration when there is a fight. 類義:地獄で仏。仲裁は時の氏神。 愛してその悪を知り、憎みてその善を知る。The evil of good and evil is conscious when loving, and the good of good and evil is conscious when hating it. 解釈:愛や憎しみのために理性を欠くことなく、善悪を正しく区別し、長所 短所を冷静に見極めるべきである。 活用⇒愛しているときも、憎んでいるときも、理性を失ってはいけない。 When you hate it when you love it, do not lose control of oneself. 愛想(あいそ)づかしも金から起きる。The talk about breaking up is caused by having money or not. 解釈:女が男と縁を切ろうとするのも、金が思うように貰えないために、い や気がさすのが主な原因である。 活用⇒富める者に離別なし、離別話しに困窮あり。[守]裕福だと別れるこ とを忘れるが、困窮すると別れたくなる。It comes to want to separate if becoming poor when it is affluent though it is forgotten to separate. 類義:金の切れ目が縁の切れ目。 相対(あいたい)の事はこちゃ知らぬ。I do not know relations of two people. 解釈:当人同士が差し向かいで決めた事は、第三者の関知するところではな い。相談などを持ち込まれても、自分には関係のない事だとして撥ね付けると きにいう。 活用⇒二者の密約、我知らず。[守]二者の約束のことは、人々は分からな い。The people do not understand the promise of two people. 参考:鮎・鯛・鯒(こち)の魚名を秀句にしたもの。 開いた口には戸は立たぬ。I cannot prevent it if told. 解釈:人は、他人の迷惑などお構いなく勝手な評判をするもので、これは防 ごうとしても防ぎきれない。 活用⇒口外、風に舞う。[守]口外された言葉は、風が舞うように広がる。 The word mum, dancing spread like the wind. The word let out extends so that the wind may dance. 類義:下種(げす)の口に戸は立てられぬ。人の口に戸は立てられぬ。 開いた口へ牡丹餅(ぼたもち)。The bean jam rice cake ([botamochi]) entered an open mouth. 解釈:努力も苦労もしないのに、向こうから幸運が舞い込んでくること。 活用⇒努力をしなくても、幸福になった。It became happy though it did not make an effort. 類義:大鴨(おおがも)が葱(ねぎ)を背負って舞い込む。棚から牡丹餅。 寝耳に小判。 相手変われど、主変わらず。The attendant is replaced, but the master is not replaced. 解釈:相手はその度ごとに変わっても、対するこちらは何時も同一人である こと。 活用⇒主従二人のうち、従者だけが時々交代する。Among two master and servant, only attendants are sometimes changed. 相手の無い喧嘩はできぬ。The quarrel without the partner is not possible. 解釈:どんな乱暴者でも、相手が無ければ喧嘩にならない。喧嘩を売る者が いても、それを買う者が無ければ喧嘩は起こらない。喧嘩の相手になるなとい う戒め。 活用⇒もしその争いにルールが無かったら、一人になって考えてみよ。If it were not in dispute that the rules, I'll consider becoming one. Think by becoming one person if there is no rule in the fight. 類義:相手無ければ訴訟無し。一人喧嘩はならぬ。 相手見てからの喧嘩声。Judge a partner; and of the quarrel speak. 解釈:相手が弱そうだと分かり、急に居丈高(いたけだか)になること。空 (から)威張りのこと。 活用⇒空威張り。Bluff. 愛は小出しにせよ。Give the love bit by bit. 解釈:あまりに激しい愛は長続きしない。少しずつ長く愛せよという意。 類義:熱愛は冷めやすし。 参考:Love me little, love me long.の訳。 愛は憎悪の始め。The love is the beginning of the hatred. 解釈:愛することも、なれすぎると、それが憎し合うもとになる。愛するこ とにも節度が必要であるという戒め。 活用⇒愛は嫉妬に始まり、嫉妬に終わる。Love, jealousy begins, ends in jealousy. Love starts from envy, and ends in envy. 愛は、不可能を可能へと導くであろう。[守]Love will lead to the impossible possible. 類義:情熱があれば、不可能はない。君の情熱は、不可能を可能にするだろ う。 愛別離苦(あいべつりく)。Agony of separation. 解釈:仏教でいう四苦八苦の一つで、親子・兄弟・夫婦など愛する人と生別 ・死別するようになる苦しみのこと。 愛惚れ自惚れ片惚れ岡惚れ。Love loves you, and I am loved, and a piece love you, and waste loves you. 解釈:惚れ方にもいろいろある。相思相愛、ひとりよがり、片思い、憧れの 恋慕など。 活用⇒愛し方には、いろいろある。There is it in how to love in various ways. 逢い戻りは、鴨の味。The reencounter tastes of the duck. 解釈:一度別れた男女が元に戻ると、その交情は前にも増して細やかなもの であるということ。 活用⇒再会すると、愛は甘くなる。Love becomes sweet if meeting again. 類義:従兄弟(いとこ)同士は鴨の味。 逢うは別れの始め。It is the parting beginning to meet. 解釈:物事に始めがあれば、必ず終わりがあるように、人も会えば必ず別れ る時がくる。親子・兄弟・夫婦といえども、いずれ互いに死別する運命にある ように、結局は、出会いが別れの始まりといえる。人生の無常をいう。 活用⇒逢えば、必ず別れる時がくる。Time to part by all means comes if I meet. 類義:逢うは別れのもと。会者定離(えしゃじょうり)。 合うも不思議、合わぬも不思議。It is strange that it is correct, it is strange that it is not correct. 類義:当るも八卦、当らぬも八卦。 逢えば五厘の損がいく。Five RIN are lost if encountering it. 解釈:人と付き合えば、必ず費用がかかるということで、大阪地方の言葉。 類義:触らぬ神に祟りなし。触り三百。 仰いで天に愧(はじ)ず。It is not shameful to the heaven even if looking up. 解釈:自分にやましいところが無ければ、少しも恥じることはないというこ と。 活用⇒自分に恥じることがあったら、天神に問え。[守]Ask the god when I am ashamed. 類義:俯仰(ふぎょう)天地に愧(はじ)ず。 青は藍より出でて藍より青し。Blue can catch from "Indigo plant", and is bluer than "Indigo plant". 解釈:かつて、染料の青色(紺色)は、植物の藍の葉から取っていたが、そ の染料で染めたものは、元の葉より青かった。転じて、弟子が先生(師匠)よ りも優れていることのたとえ。 類義:藍より出でて藍より青し。氷は水より出でて水よりも寒し。出藍(し ゅつらん)の誉れ。 赤子のうちは、七国七里(ななくにななさと)の者に似る。When it is a baby, it looks like the person of seven country seven village. 解釈:赤ん坊のうちは、見方によってどこの誰にでも似て見えるものであり、 本当のところは大きくなるまで分からないということ。 赤子の手をひねる。Baby's hand is twisted. 解釈:抵抗する力のない赤ん坊の手をひねるように、容易くできることのた とえ。弱いものをいじめること。 類義:赤子の腕を捩じる。 赤子は泣き泣き育つ。The baby grows up while crying. 解釈:赤ん坊が泣くのは、むしろ健康の印(しるし)だということ。 活用⇒赤子の泣くのは自己主張。The baby cries to self-insist. 「強者は必ず勝つのか/自己主張」[守] 類義:泣く子は育つ。 赤子を裸にしたよう。It seems to have made the baby naked. 解釈:元々弱い者が、一層弱々しく頼りなげに見える様を形容していう。 垢(あか)で死んだ者は無い。Nobody died because it was dirty with dirt. 解釈:風呂嫌いが言い訳に用いる言葉。また、風呂嫌いに対する皮肉。 類義:垢に食われても死にはせぬ。 垢はこするほど出る。The dirt appears so as to rub it. 解釈:垢はこするほど出るように、人の欠点も探し出せばきりがないという こと。 活用⇒皮膚の垢は絶えず再生されるので、放っておくと人に知られる。 [守]Because the dirt of the skin is always reproduced, it is known that it leaves it to the person. 類義:叩けば埃が出る。 垢も身の内。Dirt is in the body. 解釈:「腹も身の内」と語呂を合わせたもので、長湯している人を冷やかす 言葉。 明るけりゃ、月夜だと思う。I think that it is a moonlight night when bright. 解釈:考え方が単純で、物事を深く考えない人をからかっていう。 類義:団子さえ食えば、彼岸だと思う。 垢(あか)を洗って痕(あと)を求む。It searches for the mark washing dirt. 解釈:垢を洗ってまで隠れた傷跡を探し出すように、他人の小さな欠点をあ ばき出すこと。 類義:毛を吹いて疵(きず)を求む。藪(やぶ)をつついて蛇を出す。 商い三年。Three years after it does business. 解釈:商売も、始めてから三年経たなければ、利益を上げるまでには至らな い。三年は辛抱せよということ。 類義:顎(あご)振り三年。売り出し三年。 商い上手の仕入れ下手。Stocking is unskilled though it is good at business. 解釈:客に買わせるのは上手いが、仕入れが下手で、利益が上らないこと。 商いは牛の涎(よだれ)。Business is like cow's slaver. 解釈:商売は、牛の涎が細く長く切れ目なく流れ出るように、利益を急がず 気長に辛抱せよという意。 商いは数でこなせ。Business must make up by numbers. 解釈:一つ一つの利益を少なくして、沢山売るのが商売のコツである。 商いは門門(かどかど)。Do business by the section section. 解釈:商売は、客を見て、それぞれに応じた品物を売るのがコツである。 類義:商売は道によりて賢し。餅は餅屋。 商いは草の種。Business is a grass seed. 解釈:商売には種類が多いこと。 類義:商売は草の種。 商いは本(もと)にあり。Business is in the capital. 解釈:商売が成功するかしないかは、資本の大小によるという意。 明家(あきや)で声嗄(か)らす。The person of the vacancy is loudly called. 解釈:人が住んでいない家で、声が嗄れるまで案内を求めても無駄なように、 いくら努力しても人に認められないこと。 類義:明家で棒振る。縁の下の力持ち。縁の下の舞。楽屋で声を嗄らす。 明家の雪隠(せっちん)。Lavatory of vacancy. 解釈:「雪隠」は便所。人の家を訪ねて、いくら呼んでも応答がないとき、 「声なし」にかけて、「肥(こえ)なし」と洒落た言葉。 活用⇒監視カメラに映らない客は、客ではない。The guest who doesn't reflect in the surveillance camera is not a guest.[守] 諦(あきら)めは心の養生(ようじょう)。The mind is supported when giving it up. 解釈:失敗や不運を悔やんで、何時までもくよくよしているのは健康によく ない。諦めが肝心だということ。 呆(あき)れが礼に来る。 解釈:あまり呆れて、呆れの方から礼に来るということで、呆れることを誇 張して言ったもの。 類義:開いた口が塞がらない。呆れが湯気に上る。肝(きも)も興(きょう) もさめ果てた。 商人(あきんど)と屏風は直ぐには立たぬ。 解釈:時には自分の感情を曲げて客と付き合わなければ、商人として成功し ない。また、商人は正直一方では利益が得られないという意。 類義:商人と屏風は曲がらねば立たぬ。人と屏風は直ぐには立たず。 商人に系図無し。 解釈:商人の出世は、家柄ではなく手腕であるということ。 商人の子は算盤(そろばん)の音で目を覚ます。 解釈:それぞれの生活環境の中で習い性となり、敏感に反応することのたと え。 類義:乞食の子は茶碗の音で目を覚ます。武士は轡(くつわ)の音で目を覚 ます。 商人の空誓文(そらせいもん)。 解釈:商人の約束事には駆け引きや嘘が多く、中々信用できないこと。 商人は元値(もとね)。 解釈:商人が客に品物を勧めるとき、これでは元値が切れるなどと言うこと から、商人の元値には駆け引きが多く信用し難いこと。 類義:商人の空値(そらね)。商人は損と原価(もと)で暮らす。商人は損 をして、何時かは倉が建つ。 商人は金に頭を下げる。 類義:一文高(いちもんだか)の世の中。 商人は木の葉も錦に飾る。 解釈:つまらない品物でも、飾って立派な物のように見せ、客に売りつける のが商人の手腕である。 商人は損と原価(もと)で暮らす。 解釈:商人は、[損をした」「原価で売っている」などと言いながら、実は 儲けててるという意。 類義:商人の元値。 商人は損をして、何時か倉が建つ。 解釈:商人は儲からないなどとこぼしながら、何時の間にか倉を建てるほど 金持になっているという意。 |