1999年9月中旬の日記

旅は始まったばかりです。自分に何が必要なのか。何がしたいのか。そして何に対して責任がとれて、何ができるのか。そういうことをもう一度考えてみた10日間でした。(1999年9月21日記)

9月11日(土) 理系音痴に開き直る愚劣な文化人。
[更新情報]トランスセクシュアル関連のページへのリンクをアップロードした。
[日記]教育関係のホームページをあれこれ見ているうちに、京都大学の上野健爾先生の書かれた文章(日本評論社『数学のたのしみ』No.9より)がアップロードされているのを見つけた。1998年の6月に教育課程審議会の審議のまとめが出され、2次方程式の解の公式が中学数学から姿を消すことになったのを批判する非常にまっとうな論旨の文章。話題的には少々古くなってしまっているのだが、一読の価値のある内容だ。
この文章の冒頭に教育課程審議会長の三浦朱門の発言が引用されている。上野先生の文章をそのまま引用すれば、「たとえば数学では『曾野綾子のように「私は2次方程式もろくにできないけれども、65歳になる今日まで全然不自由しなかった」という』数学嫌いの委員を半数以上含めて数学の教科内容の厳選を行う必要がある」というような内容の発言。この三浦朱門の発言に対しては上野先生がきちんとした反論をされているので、それを参照していただきたい。銀河がここで呆れたのは曾野綾子の「私は2次方程式もろくにできないけれども、65歳になる今日まで全然不自由しなかった」という発言の方だ。
銀河自身は決して理系が得意とは言えない文系人間だが、理系が不得手だということを恥じるどころか理系音痴に開き直る文系人間は最低だと思う。一般にこういう人たちは自然科学の分野でどういう研究成果が出ているかを知らずに(それどころか高校の理科の教科書に書いてある程度のことも知らずに)平気でとんちんかんな発言をする。「分数がわからない大学生」のルーツ、ここにありということか。いや、公的団体の役職に就いて他人に影響を与える発言力を持つ人間だけに、罪はなお重い。曾野綾子は日の丸や君が代が好きで愛国心を大切になさるお方だという風評だが、ご自身の愚劣な発言がパートナーである三浦朱門に影響を与えることによって、確実にこの国が滅亡の方向への進路をとっているとはご存じないのか。
[BGM]J.M.Harmony,"Let It Beatles." ラフカディオ・ハーンの紀行文『クレオール物語』の舞台にもなっているフランス領マルチニーク(カリブ海の島)のポピュラー音楽、ズーク。このアルバムはズークのオールスターグループがビートルズの楽曲をとりあげたもの。ズークって必ずしも深みのある音楽ではないけれども、邪魔にならないだけにBGMとしては快適。
[読書記録]関田かをる『小泉八雲と早稲田大学』(恒文社)。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)には前々から興味がありくわしく研究してみようと思っていた。たまたま近所の書店の新刊コーナーでこの本を見かけたので資料として購入、目を通してみた。東大解雇後、早稲田大学に破格の待遇で迎えられ、急逝までの半年を早稲田の講師として過ごしたハーン。その前後の事情やハーンと大隈重信、坪内逍遙、高田早苗らの早稲田人との交友を、貴重な資料を渉猟しながら実証的に明らかにした労作。思わぬ拾いものの一冊だった。

9月12日(日) 長*さんと一緒に十朱幸代の舞台を見に行った。
[日記]暑いっ。今朝起きたら、なんだか銀河の顔、いつもよりずいぶん可愛かった(ような気がした)のに、外に出たらすぐに汗でびしょびしょになってしまった。
今日は長*さん(銀河の彼氏)と一緒に十朱幸代の舞台を見に行った。なんでも長*さんが十朱幸代の妹さんと高校で同級生だったとかいう縁らしい。場所は天王洲アイルのアートスフィアっていう劇場。現場に到着するまで長友さんも舞台の内容を把握していなかったのだが(チケットは窓口に預けてあった)、劇場の入り口には『マディソン郡の橋』っていうポスターが貼ってあった。何年か前にベストセラーになった例のあれで、十朱幸代と古谷一行が主演、鎌田敏夫が脚本、山田和也が演出という顔ぶれだ。会場は満員。
原作は当然読んだことがないので(ふつうアメリカでベストセラーになった通俗小説なんて読まないよねえ)ストーリーも知らなかったのだが、田舎の農家の45歳の主婦が夫と子供の留守の間に、たまたま仕事でやってきた52歳のカメラマンと4日間だけの恋に落ちるという話。で、役者が達者なだけに、これが結構おもしろかった。子供たちが母親の死後に田舎の家に戻ってきて、母親の遺書を読みながら昔を思い出し現在の自分たちの境遇を語るという設定で、現在の子供たちの語りと25年前の母親の恋とが同じ舞台上で展開していくという凝った作り。でも小説や映画が苦手な長*さんにはさっぱり意味がわからなかったようなので、休憩時間にパンフレットを買ってきて説明してあげた。
最大の欠点は、2人が運命的な恋に落ちる肝腎な瞬間に説得力がなかったこと。これは役者のせいではなく、演出の責任だろう。だけど、こういう機会でもなければ商業演劇なんて見ることはなかっただろうから、貴重な体験をさせてもらった。帰りは長*さんとお茶を飲んで、早めに帰宅。
[BGM]Gram Parsons,"Grievous Angel." とうもろこし畑の主婦の話だったから、カントリーを。26歳で夭折したカリスマ。死の直後の74年にリリースされたセカンドアルバム。Emmylou Harrisとのハーモニーが美しい。

9月13日(月) 『子供の科学』が75周年。
[日記]帰宅途中に立ち寄った書店でぶらぶらしてると、『子供の科学』(誠文堂新光社)99年10月号の表紙に創刊75周年記念の文字が踊っているのを見つけ、懐かしくなって1冊購入した。銀河がこの雑誌を購読していたのは、小学校2年から6年まで。奈良から福岡に引っ越してきたばかりの小学校2年の4月に、父親に連れられて出かけた福岡の繁華街で買ってもらった(たしか新天町の積文館書店)のが初めてだった。
当時(30年以上前だね)の花形記事は何と言ってもアマチュア無線。無線機を持っている同級生がうらやましくて仕方がなかったなあ(もっとも同級生のものじゃなくって、お兄さんのものだったみたいだけど)。うちの父親(職業は大学の先生)は勉強に役立つものは何でもすぐに買ってくれたから、天体望遠鏡も顕微鏡も計算尺も平凡社の百科事典も文学全集も(ついでに情操教育のためのピアノとオルガンも)、とにかくうちにはなんでもあったけど、無線機とカメラは勉強にはあまり関係ないからって買ってもらえなかったの。
あとは、鉄道模型の記事とか、鉱石ラジオの作り方とか、切手交換のページとかもあった記憶が。この頃の銀河は数学者になりたかったから、数学パズルのコーナーなんかも好きだったな。それに、特に興味がなかったことにも、『子供の科学』の記事が契機となってのめり込むことも多かった。地質学に興味を持って4年生の夏休みに油山(地元の山ね)で石や土を採取して書いた自由研究のレポートが市の大会だかなにかの賞をいただいたのも、『子供の科学』がきっかけだった。中学に入学すると、タイトルに「子供の」ってついてるのがイヤで買わなくなったんだけどね(その頃になると新書版の科学の本などを買うようになった)。
今日買った10月号をパラパラ読んでると、懐かしいだけじゃなくてすごくおもしろい。最新の科学の話題がわかりやすく書かれていて(当たり前か)勉強になる。これは時々買ってみなくちゃ。
ところで、1924年に『子供の科学』を創刊した原田三夫氏について、北海道大学科学史研究室のホームページここに簡単な解説があります。ご参照を。
[BGM]Hassan Hakmoun and Zahar,"Trance." モロッコのトランス音楽。というと勘違いする人もいるかもしれないが、transじゃなくってtrance(「神がかり」とか「陶酔」って意味ね)。モロッコのグナーワ(Gnawa)っていうスーフィズム系の宗教音楽。純粋にトランス状態に至ることだけが目的の音楽だけに、つんのめるハチロクのビートとジミー・ペイジを思わせる弦楽器(モロッコのシンティールという伝統楽器を電気化したもの)のソロが強烈。そういえばジミー・ペイジはモロッコ音楽の影響を受けているんだよ(ツェッペリンの3枚目とか4枚目)。ニューヨークでも活躍していたHassan Hakmounの93年のリアルワールド盤。テクノもラップもロックもジャズも全部入ってる。超愛聴盤。

9月14日(火) 久しぶりのレンタルルームとスケルトンのカップヌードル。
[更新情報]資料室(トランスセクシュアル関連ドキュメント)からThe Standards of Care for Gender Identity Disorders (Fifth Version)へリンクを張った。
[日記]学期中の銀河は週4日労働(週休3日)で火曜日と土日が休み。ここのところ疲れ気味だったので、今日はホルモンを打ちに行くのをパスして夕方まで自宅で睡眠。6時過ぎに新宿で長*さんと合流し、夕食をいただき6週間ぶりにレンタルルームへ。もっとも巨人ファンの長*さんはテレビで中日戦(上原くんのプロ入り初完封)を観るのに夢中だったけど。10時過ぎに別れ、長*さんは「ジュネ」へ。銀河は帰宅。
最近の日記ではあまり長*さんのことを書いていなかったので、ある方から問い合わせのメールをいただいたんだけど(なんという問い合わせだ)、相変わらずほぼ毎日会ってますので、ご心配はいりません。
今日のネタは、9月13日に関東・関西・中部で限定販売が開始された「日清カップヌードル スケルトン」。iMacのヒットがなければこんな商品が世に出ることもなかったんだろうけれども、こういうチープさは意外と好きです。くわしいお知らせは日清食品ニュースリリースで、試食レポートと写真はASCII24ここでご覧になってください。近くのコンビニで見かけたら一個くらいは買ってもよいかもしれませんね(話のネタに)。
明日(9月15日)は「TSとTGを支える人々の会(TNJ)」の会合に出席します。
[BGM]Donal Lunny,"Coolfin." ケルト音楽界の大ベテラン。ソウル・フラワー・ユニオンの最近のアルバムにゲスト参加していることでも知られている元気なおじさん。どういう意味で元気なのかはここではちょっと書けないなあ(笑)。音楽の方も、今のアイリッシュ・フォーク・ミュージックのなかではいちばん生き生きしているんじゃないかな。ケルトの大衆伝統音楽をコンテンポラリー・ポップ・ミュージックとして提示することに見事に成功している。ロックやヒップホップと同じ地平にある音楽だ。ハンガリーのMarta Sebestyenも参加。
[読書記録]波多野裕造『物語 アイルランドの歴史』(中公新書)。アイルランド史の復習のため。ひととおりのことを押さえるのにはちょうどよいか(そもそもアイルランド史の本なんてほとんど出ていない)。アイルランド人のアメリカ移民について知りたかったのだが、それについてはあまり触れられていなかったのが残念。ケネディーやレーガンもアイリッシュ・アメリカンだし、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の父親もアングロ・アイリッシュ。アメリカ合州国の政治や文化、さらにはポピュラー音楽の成立にも、アイルランド系住民の果たした役割は想像以上に大きいはずなんだけどなあ。

9月15日(水) 「TSとTGを支える人々の会」の催しに出席した。
[日記]午後4時に新宿で芹沢香澄改めTくん(本人が芹沢香澄という名前で呼ばれるのをイヤがっているので)と待ち合わせ。「TSとTGを支える人々の会(TNJ)」の催しがおこなわれる都内某所(今日は非公開の集まりなのでどこなのかは言えません)へ移動。まずは会場の場所を確認する。会場の名前を聞いた時点ではピンと来なかったのだが、現場に着くと、某ミュージシャンのライヴや女子プロレス観戦(笑)で来たことのある会場だと判明する。開始までTくんとお茶。昨夜電話したときにまたひとりで悩んでいた様子だったので、いろいろと話を聞く。たぶんこれ以上ひとりで悩んでいても進展はない。積極的にさまざまな場に顔を出して、似たような性別違和(用語についてを参照)を抱いている人たちと交流する必要があるんだろう。そのようなことをアドバイスする。だからこそ銀河はTくんをこのような集まりに誘い出しているんだしね。
6時10分に開始。今回の催しのテーマは「ハウ・ツー 戸籍の性別訂正の申し立て」。参加者は(当事者ばかり)100人程度。TG/TS(用語についてを参照)の当事者をいっぺんにこんなにたくさん見たことなんて初めてだし、テーマのせいか、9月3日の公開シンポジウムに比べて、SRS(用語についてを参照)を済ませていると思われる方や、どこから見ても男性としてパスしているFTM(用語についてを参照)の方、どこから見ても女性としてパスしているMTF(用語についてを参照)の方が多かったので少々気後れする。でも、裏方の仕事をしてらっしゃった窪田理恵子さんが隣に座ってくださったので安心した。
最初に弁護士の長瀬幸雄先生が戸籍の性別訂正の申し立てをする際にはどういう点に気をつけるべきなのかを説明してくださる。長瀬先生のお話にはレジュメが用意されていなかったので、銀河なりに理解した要点をメモをもとにまとめておく。
(1)裁判官は性同一性障害(以下GID)(用語についてを参照)について何も知らない、場合によっては偏見を抱いている可能性もあるという前提のもとに、GIDとはどういうものかをわかりやすく説明する。特に、性自認(用語についてを参照)というのは趣味嗜好や性的快楽の問題ではなく、自分の自由な選択でどうにかなるものではないということ(つまり男としてでも女としてでも生きられるけれども自分は男の方を選ぶというような問題ではないということ)を、学術論文等を利用して立証する。性的自己決定権の問題だとするようなやり方ではうまくいかないだろう。
(2)自分がGIDであるという証明書、SRSを済ませている場合はその証明書を添付する。
(3)自己の生活歴を記述する。これまでの人生で生物学的性と性自認が食い違うことでどのような苦痛を受けてきたか、生物学的性と戸籍上の性が食い違うことでどのような苦痛を受けてきたかを、幼少時から現在までできるだけくわしく説明する。
(4)戸籍法113条「戸籍の記載が法律上ゆるされないものであること又その記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる」の「錯誤」にあたると主張する。
(5)憲法で保証されている基本的人権(憲法13条)を侵害していると主張する。その際、憲法もしくはヨーロッパ人権条約に違反するという理由で戸籍の性別訂正を認めたヨーロッパ諸国(ドイツ、フランス、ベルギーなど)の判例を添える。
(6)埼玉医大の答申以後、ガイドラインに沿った形でSRSがおこなわれるようになり、マスコミや世論が総じてそれを妥当なものとして受け入れる風潮にあることを(参考資料を添付して)記述する。
次に精神科医の塚田攻先生(亀田総合病院)が申し立てに必要な精神鑑定について説明してくださる。これにはレジュメが用意されていたのでここではくわしくは書かないが、診断書と違って精神鑑定書はきわめて厳密で客観的なものであり、数十ページに及ぶものになるということだった。最後にMTFTSのローズマリーさんが名の変更許可申し立てと戸籍訂正許可申し立てをして却下された経験を語ってくださった。質疑応答では、判例集には記載されていないが日本でも1974年に戸籍の性別訂正が認められた例があることが話題になった。
まるで大学の講義を受講しているようで、非常に勉強になった。でも将来的にはともかく、現在の日本では戸籍の性別訂正が認められるとしても、SRSを済ませ完全にパスしている人に限られることだろう。そういう意味では今回のテーマは現在の銀河にとってはどこか遠い世界の話のようで、正直言って少々呆然としてしまった。根が勉強好きだから時にはこういうのも良いんだけど、別に勉強をするためにここに来ているんじゃないんだけどなあ。とにかくまずはSRSということなんだろう。
会場では久しぶりにお会いした代田早苗さんとゆっくりお話をすることができてうれしかった。パスしている人はパスしている人同士、中途半端な人は中途半端な人同士、「エリザベス」(アマチュア女装クラブ)出身者は「エリザベス」出身者同士つるんでいる様子なのが、なんだか可笑しかった。二次会は20人弱で近所の居酒屋。Tくんを窪田理恵子さんの隣に座らせて、理恵子さんにいろいろとアドバイスをしていただいた。11時半に散会。帰宅してから、自助グループのなかでの自分の身の置きどころなどを考えているうちに眠れなくなってしまった。
[BGM]It's A Beautiful Day,"It's A Beautiful Day." ヒッピー文化華やかなりし頃のサンフランシスコに登場した異色グループ。一応サイケデリック・ロックなんだろうけどね。もっともっと評価されてしかるべき名盤。

9月16日(木) したいことはわかっているから。
[日記]授業は午前中で終わり。午後3時前に新宿に到着。長*さんの事務所のお片づけを手伝い、少し居眠りをしてから、新宿西口の居酒屋「やまと」で夕食をいただく。ヴェローチェでコーヒーを飲んで帰宅。
今日は昨日からずっと引きずっていることを考えていた。「ガイドライン」、自己責任、自助グループ。存在は知っていたし関心も持っていたのだから、本当は2年前から「TSとTGを支える人々の会(TNJ)」の活動に参加しておくべきだったのかもしれない。今の銀河はまわりにだれもいないところをひとりで走っている感じがする。でも、したいことはわかっている。やり方も知っている。そのための準備も少しずつ始めている。だったらひとりで走り続けるだけだ。
次回の「TSとTGを支える人々の会(TNJ)」の催し(10月2日)も出席する予定です。

9月17日(金) 10日遅れのりののお誕生日のお祝い。
[日記]今日も授業は午前中で終わり。いったん帰宅し、6時過ぎに新宿西口のヴェローチェで長*さんと合流。今日は緑川りのちゃんと3人でジンギスカンを食べに行く約束になっているのだ。長*さんのお誕生日のお祝いのとき(8月18日の日記を参照)にりのが駆けつけてくれた上に、ネクタイまでプレゼントしてくれたことに対するお礼と、9月7日がりののお誕生日だったので、そのお祝いも兼ねて長*さんが招待したのだ。りのの仕事が予定よりも早く終わりそうだという連絡が入ったので、7時に四谷3丁目の交差点近くの「唐人凧」四谷3丁目店へ移動。お座敷を確保する。長*さんの行きつけは「唐人凧」新宿店(長*さんと銀河がいつも行く居酒屋「嵯峨野」は同じビルのひとつ上の階にある)の方なのだが、今日はりのの会社に近い四谷3丁目店を選んだのだ。すぐにりのも到着。ジンギスカン食べ放題飲み放題コース(2時間の時間制限)に挑戦。
ジンギスカンって、子供の頃に食べたことがあるはずなんだけど記憶も定かでないほど昔の話。ほとんど初体験と言ってよい。羊の肉って何となく敬遠していたけれど、恐る恐るお肉をひとかけら口にしてビックリした。柔らかくて超美味。羊の肉と言ってもいろいろあるそうだけど、ここの店のジンギスカンは本当においしい。お勧めです。次から次へ出てくるお肉を十分に堪能する。「ジンギスカン大食い伝説」(「エリザベス」20周年記念北海道旅行のときの話らしい)が残っているりのも、朝からずっと楽しみにしていただけあってどんどん食べる。大きなお皿で3皿。そのうち半分はりのが食べた。デザートのライチのシャーベットもおいしゅうございました。ところで支払いの時に少々緊張。というのも食べ放題飲み放題で男性4000円、女性3500円という料金設定だったからだ(胃袋は男だしなあ)。でも請求は11500円。長*さんとりのが4000円、銀河が3500円という計算だ。ものすごく安心する。りの、今度は女の子モードでおいでね。
9時に新宿厚生年金会館の近くにある長*さんと銀河の行きつけのスナック(ごくふつうのスナックね)へ移動。りののことが大好きな長*さんは終始上機嫌だったけど、やがて疲れていつも通り睡眠モードへ。そのあとは、りのと2人で、去年の今頃の思い出話や最近のお互いの状況などを語り合った。しょっちゅう会っていた頃は気がつかなかったけど、今はこうして2人で話をする時間がとても貴重でかけがえのないものだということが実感できる。いろんなことを話したが、どんな内容だったかをここに書くのももったいないくらいだ。11時にお開き。帰りの山手線、銀河の降りる駅までりのと一緒だった。
[BGM]PANTA&HAL『マラッカ』。元頭脳警察(と言っても知っている人なんてあまりいないだろうけど)のPANTAさん(大学生の頃とある事情で面識があったので「さん」付けにします)、79年発表のアルバム。ムーンライダーズの鈴木慶一がプロデュース。歌詞のメッセージ性とサウンド構成のバランスが絶妙。日本ロック史上屈指の名盤と言ってもよいだろう。77年に交通事故で亡くなったマーク・ボラン(Tレックス)に捧げた「極楽鳥」に落涙。 

9月18日(土) 動物占いをやってみた。
[日記]ホームページの更新やメールの返事書きで朝6時まで起きていたので、夕方までたっぷり睡眠。6時に新宿へ出て長*さんの事務所へ。長*さん、今日はパチンコで昨日使った分(昨日はジンギスカンもスナックも長*さんが3人分払ったの)を軽く回収したんだって。すごい。安くておいしい居酒屋兼定食屋(この店は銀河は初めて)で夕食をいただき、歌舞伎町の「上高地」(喫茶店)でお茶を飲み、9時には帰宅。仕事の原稿書きに集中する。
先日、西武新宿駅の駅ビルにある書店で買い物をしたとき、レジの横に山積みになっていた動物占いの本、ついふらふらと買ってしまった(コンビニなんかでも、レジの横に置いてあるちょっとしたお菓子とか、ついつい買ってしまうことがあるよね)。で、『人間まるわかりの「動物占い」』(小学館文庫)。陰陽五行説をもとにしたオリジナルの占いってことらしいんだけど、生年月日からすべての人を10種類の動物に分類するというもの(流行ってるようだからみなさんご存じですよね)。さっそくやってみたら、銀河はなんと「虎」だって。わーん、可愛くないよお。どれどれ、「ほどよいバランスを取る感覚はバツグン」で、「頼まれると断れない」「面倒見のいい」「姉御肌」で、いつも「休まず働いてい」て、「言葉のキツさは、自他ともに認めるところ」で、「何でも一応、そつなくこなしてしま」うけど「器用貧乏」で、「思いこみの強いところがあるので「私は間違っていない!」と押し通してしまう」ことがあるんだって。うーん、結構当たってるかもしれない。ちなみに長*さんは「チータ」。せっかちな長*さんにピッタリなんで、笑ってしまった。
ちなみにWeb上でも、動物占いオフィシャルホームページというところで無料で簡単な占いができる。ご興味がおありなら、話のネタにどうぞ。
銀河は占いなんて全然信じてないし(よく「私はB型だから」とかすぐに血液型占いの話をしたりする人を見ると、銀河は「バカじゃん」って思ってしまうの)、人間なんていろんな面を持ってるから、どんな占いでもどこかしら当たってるように思えちゃうのは当たり前。でも、エンターテインメントとして楽しむんだったら、この「動物占い」って結構よくできていて、おもしろいと思うよ。
[BGM]カオリーニョ藤原と彼のボサノムーチョ『演歌BOSSA』。関西の音楽シーンでボサノバ・ギタリストとして活躍してきた藤原カオルが案出した「浴衣着のボサノバ」。一流のラテンミュージシャンをバックに、思わず脱力するほど超ポジティヴな歌詞。解説には「五木ひろしが着流しで「イパネマの娘」を唄う」ような音楽だと紹介されているけど、これはキワモノの外見をした本物。最高です。
[読書記録]西江雅之『ヒトかサルかと問われても "歩く文化人類学者"半生記』(読売新聞社)。大学時代、週に1回の西江先生の講義が楽しみでならなかった。講義の内容も文化人類学という学問の本質をさまざまな民族の習俗を例にとってわかりやすく解説してくださるものだったが、講義後西江先生についていって一緒にお昼をいただきながらいろんなお話を聞かせていただくのが楽しかった。早稲田の政経を出たあと英文科に編入、大学院では演劇専攻で映画を研究、その後フルブライト奨学生としてUCLAで言語学を学び、今は文化人類学者って経歴もすごいけど、とにかく俗世間を超越した多芸多才な人。この本は、ネコの真似をして屋根から飛び降りたら簡単に宙返りができた幼少期から始まる半生記。直接先生から聞かせていただいたエピソードも多いけど、とにかくおもしろく読める本です。

9月19日(日) 原稿書きに没頭の一日。
[日記]午後、美容院に行って髪の毛を染め直し、アイロンをかけ前髪をカットする。あとは一日中お仕事。冬期講習のテキストの講師用マニュアル(解答や長文の全訳や教え方のポイントが書いてあるもの)の原稿書き。慶應義塾大学の環境情報学部の問題の解説を書くのに手こずる。
悪い問題ではない(だからこそテキストに採用したのだが)。でもネイティヴ・スピーカーの英語講師が「アメリカの大学生の読解力テストにちょうどよい」と評し、解いてみるといくつか間違ってしまう(ネイティヴ・スピーカーの英語講師がだよ)問題を、日本の高校を卒業したばかりの子供たちに出題するのはねえ。志が高いのは良いけど、現実を知らなさすぎだよ。おまけに全部が選択式問題だ。難しい問題だからできる子でもせいぜい80点、偶然あたる問題もあるからできない子でも40点、たいていの子は60点のあたりに集中する。これじゃあ差があまりつかない。結局、英語ではなく実質的にはもう一科目の小論文の方の出来で合否が決まることになる。同じ慶應でも文学部の問題はよく練られた良問なんだけどなあ(辞書持ち込み可で120分かけてじっくりひとつの長文問題に取り組ませる)。
授業準備の方もまだ終わっていないから、今晩はあまり睡眠時間がとれないかもしれない。
[BGM]The Beatles,"Yellow Submarine Songtrack." ビートルズの4人を主人公にしたアニメ映画『イエロー・サブマリン』(1968年)の完全版のヴィデオ化に伴い、挿入曲15曲を新たにリミックスしデジタル・リマスタリングしたもの。オリジナルのマスター・テープのみならずそのもととなったリダクション前のテイクにまでさかのぼって作業がおこなわれたというだけあって、鮮烈でダイナミクスの強調されたサウンドに衝撃を受ける。中期ビートルズはやっぱり凄いよ。全オリジナル・アルバムのリミックスを強く望む。

9月20日(月) 村田高美さんに会いに「たかみ」へ。
[日記]夜の授業が終わった後、大久保の居酒屋で長*さんとお食事。長*さんはこれから商品のお届けを兼ねて「たかみ」(いわゆる女装スナック)に行くという。いったんは帰宅しようと思った。でも長*さんともう少し一緒にいたかったし、高美さんにはすごく会いたかったし、今日は他にお客さんがいない様子だった(長*さんが電話して訊いてくれたの)ので、長*さんの後についてフラフラと「たかみ」へ。中澤清美ちゃん(ふだんは週末スタッフなんだけど今日は特別にご出勤)と月曜日の常連、桂木美穂ちゃんに会う。久しぶりなのでいろいろと話し込む。美穂ちゃんは12時前に帰っちゃったけど、長*さんは寝ちゃったしお客さんもあまり来ないので、高美さんや清美ちゃんとおしゃべりをする。カクテルを始めたというので、アレクサンダーを注文。銀河はお酒がほとんど飲めないし(ビールならコップに3センチくらいで限界)、ふだんは絶対に飲むこともないんだけど、すごくリラックスしてたんで飲んでみる。ふた舐めくらいで酔っぱらってしまい、頭がふわふわしたまま、あれこれしゃべりまくる。とんでもGID(窪田理恵子さんのホームページ裏トランス用語集を参照)の某氏の話題で盛り上がったみたい(よく覚えてないの)。その後は長*さん(ずっと眠ってた)と抱き合った状態で、おしゃべりをしたりウトウトしたり。朝まで長*さんと一緒に過ごすのもずいぶん久しぶりだった。閉店後は「シエン」(喫茶店)へ。何ヵ月かぶりの朝帰り。
[BGM]Faye Wong,"The Best of Best." 北京出身。香港を中心とした中国語圏のトップスター。もちろんオリジナルアルバムも素晴らしいが、代表曲がぎっしりと詰まったベストアルバムはBGMには最適。この人の最大の魅力はなんと言っても、天空を浮遊するような透明感のある声だね。


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