理由は簡単。
「パワーストーン」という名を冠しているため、少々近寄りがたかったから。
お恥ずかしながら、私、自他共に求める(?)超ニブチンなので、石のパワーというものは感じられないんです…。さらには無知だし。
ただ、無知である上に苦手意識があっては、新しい発見はないだろうな……という気持ちから、いざ手にとってみた、というわけです。
そうして、これまでの自分に「バカバカバカ! なぜもっと早く手に取らなかったの!」と激怒したのでありました。
本の表紙にはこう書いてありました。
「先達が語る鉱物にまつわる叡智」と。
むむ、叡智とな!?
「叡智」……それはすなわち、「物事の本質を見通す、深く、優れた知性(by 新明解国語辞典)」。
それもこの本には鉱物にまつわる叡智と書かれてあります。
慌ててページをめくったところ……そこには331種類もの鉱物についてのカラー写真(少々小さめですが)、鉱物の性質についての説明文、さらにはその石にまつわる言い伝えがぎっしりと詰まっておりました。
さらに、人間の文明に絡んできた石たちの歴史までもが、年表と共に分かりやすく記されていたんです。
さらにさらに、元素記号の由来(!)まで網羅してあるという、懇切丁寧ぶり。
読み物としても図鑑としても楽しめる、素晴らしい本でございました。
いやもう……パワーストーンという名前だけで遠ざかっていた自分がハズカシイです。本当に。
今ではすっかり、『楽しい鉱物図鑑』と並べて、常に傍らに置いているという状態です。
鉱物の綺麗な写真を眺めたいという方には少々物足りないかもしれませんが……パワーストーンについて知りたい方、鉱物についてもっと詳しく深く知りたいという方にお勧めの一冊です。
2001-06-21