本というよりはムック、特集本といった方が正しいですね。
『夜想』というシリーズの第33番目が『鉱物』でした。
カテゴリは「Reference(参考書)」としましたのは、鉱物事典や鉱物学入門なども掲載されていますし、かなり広い範囲での鉱物にまつわる知識、雑学なども得られるから。
もちろんそれだけではなくて、美麗な鉱物の写真(写真は一部、『Lazur 透きとおる石』と同じです)、鉱物店の凡地学研究社(2002年春に閉店…)との対談、澁澤龍子、長野まゆみなど作家陣による寄稿や、鉱物をモチーフにしたイラストの数々、また「ヒーリングパワー」から「鉱石による放射線治療」なんていう記事もあって、鉱物に関わるあらゆるジャンルを網羅した読みごたえのある一冊です。
特に私が気に入っているのが「夢みる鉱物」という記事。鉱物写真と共に古今東西の書物から引用された、鉱物にまつわる印象的な一節が集められています。「この一節の前後ってどんな物語なんだろう」と気になって、つい引用元の書物に手が伸びてしまうのでした。
この記事の鉱物写真がモノクロというのが惜しいとはじめは思いましたけれど、今ではモノクロの方がかえって想像力が広がると感じるようになりました。
こんなに充実した内容でお値段は1456円+税。お手ごろです。
発行されたのは1996年。ペヨトル工房は解散してしまいましたから、現在は容易に入手することはできませんが・・・あるところにはある、かも。ペヨトル工房のホームページに、数店の取り扱い書店情報がありますので、気になる方は、バックナンバーが残っているお店を探してみてくださいね!
2004-04-02