八千代市保育園父母会

連絡会ニュースNo.26

2000年 8月18日(金)発行

八千代市保育園父母会連絡会広報部

[受諾法人募集要領&大和田南第2回説明会]

受諾法人募集要領に『提言書』が添付されました。

〜1昨年来の取組が一定の成果を上げています。〜

受諾法人募集要領」が8月1日より配布されています。その書類の最後に、「八千代市子育て支援対策検討委員会」からの『提言書』が添付され、募集要領冒頭には、「別紙『八千代市子育て支援対策検討委員会からの意見及び要望に係わる提言書』をよく理解し積極的に実施する法人であること。」と明記されました。

1998年連絡会発足以来「保育園利用者,子育て家庭,市民全体にとって利点の見えない民営化には反対」の立場で、「八千代市子育て支援対策検討委員会」を設置させ、同委員会に参加しました。1999年8月10日の第4回検討委で、「どうしても押しとどめることのできない1園民営化ならば」とのスタンスで「受諾法人園(モデル園)展開に必要な条件」(リンク先参照)を提案しました。これが、やや抽象的な内容に後退させられたものの、前述の「提言書」となり、「募集要領」添付につながりました。一定の成果をあげられたのではと思います。

大和田南引継時期父母要望を尊重

当初は、「1月から3月までの3ヶ月、公私の保育士が合同保育をする」案でしたが、父母側からの要望により、「引継ぎ期間は3ヶ月を目安とする。」(募集要領に明記)と変わりました。これは、7月23日の第2回担当課説明会にて「最低3ヶ月で、父母の要望があれば、年度を越えることもありうる。」と説明されています。

「きちんと声をあげ組織的に運動していけば、改善の道は拓ける。」との思い新たです。

公立保育所の民営化 -どこが問題か-(リンク先参照)

受諾法人募集要領より

応募資格の項目より抜粋

(1)社会福祉法第22条の規定に基づき設立された社会福祉法人で、現に保育所を運営している法人

(2)八千代市の保育行政をよく理解し、積極的に協力する法人であること。

(3)別紙「八千代市子育て支援対策検討委員会からの意見及び要望に係わる提言書」をよく理解し積極的に実施する法人であること。

(4)次に該当する法人であること。

 @ 社会福祉法人:児童福祉施設(保育所)を経営し良好な実績を有する法人

 A 理事長の資格:社会福祉事業に熱意と識見を有すると認められる者

 C 施設長の資格:保育士の資格を有し、保育所に7年以上の勤務経験を有する者で最低基準14条に規定する帳簿を整備する能力を有する者

 D その他、別紙の受諾法人が満たさなければならない条件を満たしうる法人であること。

「八千代市立保育園の移管条件及び受諾法人選考基準について」より以下抜粋

【移管先】

(1)本市公立保育園の移管先は,社会福祉法第22条の規定に基づき,設立された社会福祉法人とする。

(2)八千代市の保育行政をよく理解し,積極的に協力する法人であること。

(3)下記の移管条件を満たし,受諾法人選考委員会において選考された法人であること。

【移管の方法】

(1)保育園用地については,使用貸借契約を締結し無償貸与とする。

(2)施設(建物)及び備品等については,譲渡契約を締結し無償譲渡とする。

【保育園運営】

(1)移管を受けた法人自らが,当該保育園を運営し管理すること。

(2)移管を受けた施設等は,保育園運営以外の目的に使用しないこと。

(3)引き継ぎ期間は3ヵ月を目安とする。

【保育事業等】

(1)乳児保育(産休明け)及び延長保育(当面は朝7時〜夕7時)を実施すること。

(2)障害児保育に積極的に取り組むこと。

(3)一時保育事業を実施すること。(当面は市のファミリーサポートセンター事業の実施状況を見てから実施を検討するものとする。)

(4)保育所地域活動事業を実施すること。

(5)休日保育試行事業を実施すること。

(6)保育内容については保育所保育指針(平成111129日付け児発第799号)を基本とし,移管前の保育内容を尊重すること。

(7)保護者とのコミュニケーションを図り、要望等については、責任を持って対応すること。

【保育園職員構成等】

以下の点については、市民に認知されるまでの概ね5年間は維持するものとし、その後においても保育事業実施に支障をきたさない職員構成とすること。

(1)当該保育園に勤務する職員配置については,市立保育園の配置基準に準ずるものであること。

<保育士の配置>

0歳児:31, 1歳児:51,

2歳児:61, 3歳児:151,

4歳児:251,5歳児:301

              とする。

<次の正規職員を配置すること>

園長、フリー保育士、看護婦、

栄養士、調理員、その他

(2)施設長の資格は以下のとおりとする。

 @保育士の資格を有すること。

 A当該保育園の施設長は、健全な心身を有し、児童福祉事業に熱意のある者であって、児童福祉事業の理論及び実際について訓練を受けた者とし、保育園に7年以上の勤務経験を有する者であること。

 B最低基準第14条に規定する帳簿を整備する能力を有すると認められる者であること。

(3)当該保育園に勤務する保育士の年齢構成に十分配慮し,少なくとも6年以上の保育経験を有する者が概ね1/3以上含まれていること。

以下略

「移行期間は概ね3ヶ月、引継ぎ時期は、当該園父母と相談の上決定」

〜第2回大和田南保育園保護者説明会[7月23日(日)市役所]にて児童支援課課長が回答〜

〔1〕第1回説明会検討課題に関して回答

@東大阪市は民営化後も市の保育士を民間園に派遣している。八千代市でも可能では?

回答:民営化には“民間移管”と“民間委託”の2つの方法がある。東大阪市は“民間委託”方式。“民間委託”は土地や建物は市のものであり市の管理・監督する部分が多く、制度上も“職員派遣”ということが可能である。しかし、現場の公私職員間で待遇面(給与・休日等…)の格差があるため、公私職員間の関係が“ギクシャク”するなどの問題もあったらしい。八千代市の場合は“民間移管”方式であり、これに市職員を派遣することは、地方公務員法に規定されている「職務専念義務」に反することになる。したがって、移行期間終了後に市の保育士を派遣することはできない。尚、移行期間後その状況次第では児童支援課から“出張”という扱いで市の保育士を当該園に置くことは可能である。(但し、上位の決裁が必要)

 

A3〜4月は親も子どもも大変な時期、移行移管(2000年1〜3月)をシフトできないか?

回答:6月議会では、引継ぎ期間を13月と説明したが、第7回受諾法人選考委員会で検討した結果、引継期間を以下のとおりとした。

「移行期間は概ね3ヶ月とし、特に期日は委託条件に規定しない。引継ぎ時期については、委託法人及び市当局(現場保育士も含)、当該園父母と相談の上決定する。」

〔2〕第7回受諾法人選考委(7/12)の説明→受諾法人募集要領参照

〔3〕質疑・応答

@4月以降の園児募集の窓口は?

回答:従来通り。児童支援課で。

A移行(引継ぎ)期間を“概ね3ヶ月”ということは、3ヶ月以下もありうるのか?

回答:移行期間は最低3ヶ月である。

B給食はどうなるのか。公立園と同じものが食べられるのか。公立の栄養士・調理員は定期的に情報交換や学習・研修のようなものがあると聞いているが、当該園の栄養士・調理員もこうした会に参加できるのか?

回答:委託園の採用で栄養士・調理員を配置する。献立表等については、今も民間園に配布している。現在、年2回の公立・民間園の園長・理事会会議が行われている。同会議へ要望してほしい。民間園の職員は、法人の研修会等に参加している。

C引き継ぎ期間の職員の配置は?

回答:引継ぎマニュアルを検討中。引継ぎマニュアルは9月以降に決定予定だが、内容については委託法人と話し合いの上、委託法人の説明会等の中で引継ぎ方法について説明する。要望があれば、園長(大和田南保育園)に申し入れて欲しい。担当課としても、初めての経験なのでわからないことも多い。要望を聞いていきたい。

D民間園には園医がいるそうだが?

回答:保育園基準の中で“嘱託医”を置くことになっている。

E時間外パートの保育士はどうなるのか?

回答:委託法人へ継続雇用を要望していく。

F引継ぎ期間中に園の見学はできるか?

回答:可能である。子どもたちの様子をみながら、参観や懇談の場設ける。

G委託法人の説明会(年明け初日予定)をもっと早く(年内に)実施できないか?

回答:11月に委託法人決定、12月議会(12/20前後)を通れば委託法人との交渉次第で年内開催も可能。前向きに検討する。

H説明会を複数回実施してほしい。(平日参加困難な父母や休日参加困難な父母の為)

回答:複数回の開催は難しい。事前アンケートを実施し、開催日を決定する。

I特別保育事業は有料なのか?

回答:休日保育のみ通常保育料とは別に徴収。金額については未定。他市の実施例をみると2000〜3000円/日(給食代込)程度で実施しているところが多い。

J転園希望一括受付けはないのか?

回答:特に考えていない。転園希望者は従来通りの手順・方法。転園希望先に空きがある場合、新規入園希望者より優先させる。

K年間行事はどうなるのか?

回答:基本的には現在も各園長任せ。民営化してもこれまでの園行事はかわらない。移管条件の中で、移管前の保育方針を5年間は維持することになっている。

L引継期間に派遣される民間保育士は、そのままそのクラスの担任になるのか?

回答:引継ぎを行ったクラスの担任になる。

M引継期間に看護婦・栄養士の引継ぎは?

回答:民間からの派遣職員10名の職員配置は、委託法人が決める。看護婦・栄養士の引継ぎを要望する。看護婦・栄養士もこの10名の中で配置される。

N引継期間に派遣される民間職員10名の中で看護婦・栄養士を配置すると、保育士は8名になるが引継ぎに支障はないのか?

回答:問題はないと考えている。

〔4〕その他(大和田南保育園長より)

大和田南保育園で要望・意見・不安等の調査アンケートを近々に実施する。

以上

正規採用職員増員・自営業者の時間外保育条件緩和などを要望

〜2000年度要望書、7/23運営委員会で決定。7/27児童支援課にて提出〜

2000年 727日(木)

八千代市長 大澤一治様

八千代市保育園父母会連絡会会長

要望書

 長引く景気の低迷の中、企業の倒産や大規模リストラなどの雇用不安、少子高齢化社会、社会福祉の問題など、私たち市民をとりまく状況は不安ばかりが募っています。また、凶悪犯罪の低年齢化や少年犯罪の急増、学級・学校崩壊などにみられる“教育の荒廃”と普通の子どもたちが突然キレて問題行動を起こす「新しい荒れ」の問題などが大きな社会問題になっています。

 国は、待機児対策・少子化対策として、さまざまな規制緩和や施策を打ち出しています。2000年4月には保育事業への民間企業参入を認める規制緩和を実施しました。しかし、「子どもの発達保障やその権利」をないがしろにしたまま、保育の効率性や利便性ばかりを強調する結果になってはいないでしょうか。この規制緩和の流れにより、未来を担う子どもたちの就学前の環境が悪化するとしたら、それは大きな問題です。

  幸いにも我が八千代市には、これまで市民と行政が共に力を合わせて作り上げてきたすばらしい保育園があります。就労世帯の子どもの保育はもちろん、その地域に根ざした子育て拠点としての役割も同時に担っています。

 21世紀に向けて、平和で子どもが安心して健やかに育つことのできる八千代市、真の男女平等の社会を実現する八千代市として、子どもの権利・利益を最大限尊重する自治体の公的責任において来年度の保育予算を拡大し、安定的な保育施策が行われますよう下記につきまして要望致します。

1.子どもの発達を保障するため、正規採用の職員を増員してください。

   @看護婦の正規職員採用

   A新卒保育士・ベテラン保育士の正規採用

2.時間外保育条件の緩和をしてください。

自営業世帯に対する時間外保育受け入れ

3.休日保育・一時預かり保育の実施をしてください。

4.母親が育児に専念し安心して復職できるために、

 @育児休業中の退園(3歳未満児)について、「退園」ではなく「休園」扱いとし、育休明けの月初めから、元の園に戻れるように対処してください。

 A4月1日時点で満3歳になっている子どもについては、保護者の要望があれば新年度当初から復園させてください。

5.父母と職員の定期的懇談会開催を含め、各園におけるコミュニケーションの場を確保してください。

以上

「私たちの運動の方向が間違っていないということを実感」

〜8月5日(土)横浜合研分科会[神奈川大学]に参加しました。(会長、事務局長)〜

第40分科会「公立保育所民営化問題」に会長、第39B分科会「保育要求実現と国・自治体へ向けての運動」に事務局長が参加しました。内容は、次回運営委員会で報告します。以下、会長よりの感想。「今回の分科会を通じて、改めて私たちの運動の方向が間違っていないということを実感できました。また垣内国光先生[日本福祉大学]もお話の節々で八千代市の運動を評価してくれました。他の地域にくらべて、八千代市の現行保育の質が非常に高いということも再認識しました。運動の中でも“現行保育を守る”という一本の柱があったことが、ここまで運動をもりあげ、保育士と父母が共に力を合わせてやってこられた大きな原動力になっていると思います。また他の地域では、保育士は日常業務に忙殺される中、父母との分断も図られるなど、ひどい状況に追い込まれているところもあるそうです。こうした民営化問題に悩む地域にとって、八千代市の活動は興味の的でした。今後の八千代市の活動が、多くの方の力になれるようようにがんばっていこうと思います。」

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