1999年8月10日

子育て支援対策検討委員会

  石井委員長 様

                           委員(公立保育園父母代表連名)

 私どもは、本委員会を有意義なものにしたいという立場から、委員会のあり方や討議事項について大澤市長に文書(7月6日付)で申し入れをしてきましたが、残念ながらご回答をいただけませんでした。

 私どもの疑問や懸念が解消されないまま、また委員会が目的とした「子どもプラン・子育て支援策・特別保育事業の具体化、これとの関わりで公設民営化の是非」等について討議がまったく不充分なまま、最終日を迎えることになったことは極めて残念です。

 市が、本委員会の動向に関わりなく、またモデル園に関するプランも示さないまま、受託法人選考委員会の設置を発表するなど「公設民営化」に向けた準備を進めていることも遺憾に思います。

 私どもが、何を言おうが「モデル園は設置」ということになるのでしょうか。だとすれば、本意ではありませんがモデル園設置に関して以下の条件整備を要望するものです。本委員会もしくは委員長の名において、反映させていただけますようお願い申し上げます。

 

受託法人園(モデル園)展開に必要な条件 

1)受託法人との契約に盛り込むべき移管条件

【事業内容】

  1. 乳児保育を実施する。
  2. 延長保育(原則として朝7時〜夕7時までの12時間保育)を実施する。
  3. 障害児保育を実施する。
  4. 休日保育(日曜・祭日)及び年末保育を実施する。
  5. 専任保育士を配置した子育て支援事業を行うこと。(原則として毎日地域開放し、育児相談に応じる)
  6. 一時保育を実施する。
  7. 市内の地域開放園と共に、「すてっぷ21」「保健センター」「児童発達支援センター」等関係機関との連携を密にする。

【職員体制】

  1. 保育士の配置基準は、八千代市基準(※98年度)を維持もしくは上回るものとする。その際、4月1日定員に基づく配置とすること。
  2.       ※0歳児  3:1

           1歳児  5:1

           2歳児  6:1

           3歳児 15:1

           4歳児 21:1

           5歳児 24:1

  3. フリー保育士2人以上を配置する。
  4. 看護婦及び栄養士・調理員を配置する。
  5. 保育士については、10年以上の経験を有する者を1/3以上含むこと。
  6. 特別保育についても、職員を配置する。
  7. 職員については、法人の正規職員をもって充てる。

【保育内容】

  1. 子供の心身の育ちや安らぎを最大限重視し、移管前の保育内容を尊重する。
  2. 保育士の研修の場を保障し、市内他園との連携に努める。
  3. 保護者とのコミュニケーションを図り、改善要望等については、責任を持って対処すること。
  4. 給食及びおやつ(最低1回分)は、自園で調理する。

 

2)受託法人で尊守してほしい事項

【保育の質】

質の高い保育……子どもが、家庭の延長のようにのびのびと、心豊かに安定した園生活を送れるような保育を願います。そのためには、

  1. 子供に愛情を注ぎ、人間的にも尊敬できる保育士をそろえてほしい。
  2. 子供たちへの目が行き届くのはもちろん、一人一人がどんな時に「いい表情」だったか、毎日伝えられるようなきめ細やかな体制にしてほしい。
  3. 経験豊かな保育士を配置し、そのノウハウを継続できるよう、内外での研修機会を保障してほしい。
  4. 毎日、同じ保育士と接し、食事やお昼寝も同じ場所というふうに、子どもが安心(不安を持たない)して生活できるようにしてほしい。
  5. 個別的な対応が必要な子どもには個別の支援を行い、集団の中で生活できるようにしてほしい。
  6. 押し付けた教育をせず、子供の心に添い、自主性を大切にした保育をしてほしい。
  7. 散歩や外遊びをできるだけ毎日実施し、自然と触れ合う機会を増やしてほしい。そのための人手をそろえてほしい。
  8. テレビを置かず、わらべ歌などの伝承遊び、絵本の読み聞かせなど保育士の創意工夫で子供を楽しませてほしい。
  9. 家庭を丸ごと受けとめ、親身になって相談に乗ってほしい。
  10. 園のすべての子供をすべての先生が、覚えてくれ、声をかけ合えるような関係を築いてほしい。
  11. 連絡帳などを通し、子供の日常生活や心身の成長ぶりを報告してほしい。
  12. 延長保育の申請などに臨機応変に対応してほしい。
  13. 雇用面や責任体制面などに限界のある臨時職員対応はしないでほしい。

【健康管理】

  1. 看護婦と栄養士が園にいることで、安心して預けられる。常勤で配置してほしい。
  2. 看護婦は、急な発病やけがへの対応はもちろん、園児の体調を毎日把握し、保護者の相談を受けたり、「保健だより」を発行するなど日常的な健康管理に努めてほしい。
  3. 栄養士には、子供の月齢やアレルギーに個別に対応し、その子に合った食事を工夫してほしい。その日の体調によっても食事内容を配慮してほしい。
  4. 給食は手作りでおいしいものを出してほしい。使用材料や作業工程などもオープンにしてほしい。

【その他】

  1. テレビを利用した保育はしない。
  2. 英語・国語・算数など教え込むような幼児教育は行わない。
  3. 制服・制帽は設けない。
  4. 特別保育等については単独有料化・料金設定はしない。
  5. 教材費など、保育料以外の費用負担は最低限に抑えてほしい。
  6. 父母会設置及び父母会連絡会への参加を妨げない。

 

3)市に整備してほしい要件

【財政補助】

  1. 私立保育園への運営費補助金(33項目)を維持・充実させる。
  2. 休日保育、子育て支援事業(地域開放・育児相談・一時保育)など特別保育への補助制度を設ける。
  3. 施設や備品の改修費について、市補助と法人負担の線引きを明確にする。

【チェック体制】

  1. モデル園の運営や保育内容をチェックする機関を設け、改善勧告が生かされるようなシステムにする。
  2. 同様に八千代市の保育園全体についても、監視機関(第三者によるオンブズパーソンなど)を設けることとする。
  3. 移管条件を果たせないような事態や不適格な保育を行うことがあれば、すぐにでも法人を運営から外す条件をつける。
  4. モデル園実施以降の民営化計画について、改めて市民参加による検討委員会を設置し、モデル園に対する評価、社会情勢や保育需要などを分析したうえで、その必然性を再検討する。

【保育水準のバランス】

  1.モデル園と公立園との間で保育水準の平等性を確保するため、情報提供や調整会議参加など必要な制度を設ける。

 

父母会連絡会のトップページに戻る