モダン和風な二世帯住宅を実例から学んでいただけます。
マルタ設計長野 長野市にある設計事務所です。
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そんなに誰かと同じ家に住みたいですか?

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ハウスデザイナー マルタ設計長野


「モダン和風な二世帯住宅」
玄関から始まる家



前回の家造りの失敗を教訓に、
二世帯住宅を建てられました。

矛盾だらけの家族の夢や希望を
設計士を交えて、
解決していく様子をご紹介します。

家造りをしたことのない人には、
目からウロコのお話です。

自分らしい家の造り方をご紹介します。

【建主について・・・。】
二世帯が住めるようにと改築を決意され、
いろいろな工務店やハウスメーカーを見学にいったり、書籍やホームページを
読んで、家について研究されたとのことです。

そして、我が社のホームページに辿り着き、見学と話を聞きに訪れてくれました。


  • 何も考えずにコストだけで家造りをすると後悔する!
  • ハウスメーカーなどの宣伝やモデルルームに惑わされると自分達が思っている家が建てられない!
  • どうせなら自分達の「住みたい」と思える家を建てたいと強く思っている!
  • 親身になって相談に乗ってくれるところに巡り合いたい!
  • 予算内に納まるように夢や希望を聞いてもらいないながら調整をしてもらいたい。!
  • 工事会社が勝手に材料を決めて工事をしてしまうことを防ぎたい!
  • 手抜き工事を防止したい!
  • バラバラな家族の意見を調整してもらいたい!
過去に家を建てたことのある建主は、
上記のような心配事や希望、経験から来ている問題点を
「なんとかしたい!」
と思われていました。

私達の話を聞いていただいて、上記をどのように解決していくのか
理解して頂くことができました。

「自分達の思いを解決してもらえる!」ということで、設計・監理を
依頼していただいたわけですが、どのような家造りになったかというと・・・。

2階リビング

【建主の夢と希望】
二世帯住宅に限ったことではないのですが、家造りが始まると
家族間の「意見調整」がとても難しいと考えられていられたようです。
好き勝手なことをみんなが言うと絶対にまとまりません。
そのことをよくご存じでした。

それと、どの建主の場合でもそうですが、希望や夢だけを集めると
矛盾だらけになるので、意見調整が大変です。そのこともどうにかならないか
と考えていらっしゃったようです。



  • 雪が多いので、隣家に雪が落ちないようにしたい。
  • 庭は今の広さのままにしたい。
  • 駐車場を2台分追加して、3台停めたい。
  • 玄関は、今まで同じで東側にしたい。
  • 今の玄関と道路が近いので、もっとゆとりのある玄関にしたい。
  • 客間は玄関の近くにないと困る。
  • トイレもお客さんが家の中を通らないで行けないとダメ。
  • 階段も玄関からすぐに登れるようにしたい。
  • 玄関からはキッチンにもリビングにも客間にもトイレにも納戸にも入りたい。
  • キッチンには窓がないと。
  • 勝手口がないとゴミが出せない。
  • 二世帯なので、音の問題を考慮してもらいたい。
  • 和風にしたい。
  • 洋風にしたい。
  • シンプルな家にしたい。
  • 2階にもリビングが欲しい。
などなど、いっぱいありますが多すぎるので全部は記載しません。

夢や希望には、矛盾が沢山あります。
それらをどこに落ち着けるか、どのようにバランスよく圧縮するか、
いかにアイデアで克服するかが、設計士の腕の見せ所となります。

それでは、数々の
「秘話」をご紹介します。





【玄関ホールから始まる秘話

玄関からどの部屋に行きたいかという会話。

「玄関からは、リビングに行けないとな〜あ! そらから、客間へも行けないとな。」とご希望。
「そうね〜え! 今の家はキッチンにも行けるようになってるのよね。これは、これで便利よね! 買い物したものをすぐに持っていけるし。」と行きたい部屋が追加されていく。
「トイレも行けないとこ困るね〜え。お客さんが使うからね〜え。」とまたまた追加。
「2階への階段もないとな!」とドンドン増えていく。
「お母さんの部屋はいいの?」と疑問。
「私の部屋はいいけど、納戸にも行けるといんじゃない! 買ってきた重いものとかすぐに入れられるしね。」と更に追加。
「結構な部屋の数になりましたね。 ちょっと物理的に無理かも知れませんね」と助言。
「優先順位を考えると、どうなりますか。または、ちょっと遠くても良い部屋とか?」と質問。
「リビングには行けないとな〜あ!」と回答。
「客間は、ちょっと廊下を歩いてもいい?」と疑問。
「今の家は客間にも、すぐに入れるから、そうでないとね〜え。」「それと、トイレも近くにないとねえ。 お客が部屋の中を歩くようになるのは、私は嫌だよ。」と回答。
「トイレが玄関にある場合は、来客が玄関にいると行けなくなりますね。」と助言。
「まあ、2階のトイレもありますが。」と更に助言。
「客間とトイレは玄関から行けないとダメそうだな。」と回答。
「廊下を歩いて客間に行くというのはダメですか。」と質問。
「優先順位というか、重要度をお聞かせ願えればと思います。」
「ダメじゃないけど、私は好きじゃないね。 今の家の配置が使い易いよう。」とのご意見。
「それでは、キッチンは如何でしょうか。多少離れていてもいいですか。」と質問。
「ええ、玄関から廊下を歩いても、キッチンに直通なら良いと思うわ。」と回答。
「納戸もできればということで、玄関からちょっと離れてもOKということで考えてよろしいでしょうか?」と質問。
「納戸は、それ程重要じゃないからいいけどね。」と回答。
「それでは、優先順位を付けさせてもらうと、1番が客間とトイレ、2番がリビング、3番がキッチン、4番が納戸ですかね。そういえば階段もありましたね。」「階段はどうですか?」
「そうね〜え。 階段は本当に玄関からがいいのかしら?」と疑問。
「階段の利用は、帰宅して荷物やバックを持って上がりたいということがあります。着替えもありますしね。また、食事や団欒などが終って部屋に行く時に使うということもあります。お風呂に入って、すぐに2階の寝室に上がるということもあるかと思います。どの動線を優先的に考えるかですね。」と助言。
「お風呂から上がってすぐに、2階の寝室に行けた方が良さそうね。」と回答。
「それでは、取り敢えず、階段は脱衣に近い位置に設けるという方向で検討します。」と回答。

その後、優先順位を考慮しながらプランを作成しました。

プラン作成においては、物理的な問題が非常に大きいです。
希望の部屋を玄関にくっつけただけでは、入り切らない状態となります。

そこで、廊下などを設けて接続できる部分を増やして、物理的に納まるように
プランを考えて行きます。
当然、いろいろなパターンが考えられるので、他との絡みを考えながら何を
優先するか更に考えながら作業を進めます。

そして、数パターンの提案を行っていきます。
そんな中、提案したプランの一つが下記です。
人の動きを、「来客」を赤で、「帰宅」を青で、「荷物」を緑で、「階段と脱衣」
オレンジ(2階への動線)で表しました。

プランを見て頂ければわかるように、玄関ホールを中心に人が
それぞれの部屋に行けるようになっています。
この家の中心は、玄関ホールですね。

それでは、玄関ホールをご紹介します。

左側に客間とリビングへの入り口があります。右側には廊下とトイレの入り口があります。正面はキッチン収納への入り口です。 キッチンからキッチン収納、玄関ホールへと繋がっています。買い物の荷物をストレートにキッチン収納、キッチンへと運べます。
玄関ドアを見ています。右側に見えるドアが客間へのドアです。
来客は玄関で靴を脱いで、客間に招き入れられます。
玄関ホールの右側の廊下です。
向かって、左側のドアがクローゼット、右側の引き込み戸がトイレのドアです。客間からすぐに利用できます。




【家の北側スペースの秘話

隣の家への落雪についての会話です。

「2階の屋根から、北側の隣の家に雪が落ちないようにするには、結構な距離を離さなければなりませんね〜え。」と助言。
「それじゃあ、家を南側に寄せるってこと?」と疑問。
「北側に無駄なスペースが出来るんじゃない?」と更に疑問。
「そうですね。車を3台停めなければならないので、北側に駐車場を設けるということは、いかがでしょうか?」という提案。
「そうか、北側を駐車場にすれば、南側の庭に新しく駐車場を取らなくていいんだな。ブロックの塀も壊さなくて良いし。」と理解を示してもらえた。
「いいじゃない。裏の家に迷惑も掛らないし、車も置けるし。
私は、迷惑が掛からないのが一番!」
と賛同。
「え、でも、南側の庭は奥行きが狭くなっちゃうんじゃない?」と更に更に疑問。
「それは、やだな〜あ。」と矛盾発生!!
「今まで、平屋でしたので、1階の床面積が大きいです。今回は2階に部屋を設けることが可能なので、1階の奥行きを狭くすることができます。なので、あまり南側の庭は狭くなりませんよ。」と再度提案。
「え、そうなの! そんな魔法のような???」と不思議に思われたりします。
「ええ、実は、こちらの客間の前は少し南側に出ないと、玄関が入りません。ここは、物理的に無理です。」と問題点を提示。「配置図ではこんな感じになります。」
「やっぱり〜い! う〜ん。でも、この程度なら仕方ないわね!」と納得の様子。
「そうだな、何も犠牲にしないで、できるわけないよな!」とこちらも理解を示してもらえた。
「ちょうど、目隠しにもなるじゃない。洗濯物が見えにくくなるねえ!」と協調していただけた。

上記は、家の間取りや写真を見ただけでは、知ることのできない話ですね。

家造りには、その家族しか知らない思いや考え方、揉め事があります。
設計士は、ご家族の意見をお聞きしながら、助言・提案を行って行きます。

因みに、この後の会話として、「屋根の雪が車に落ちる」という話もでています。
でも、3台を同時に停めることは、滅多にないとのことなので、落雪しそうな時は、
気をつけるという話になりました。

当然、雪の落ちにくい雪止めを設けています。
カーポートのようにすれば、車に直接雪が落ちる事はないという助言もしましたが、
コストの関係から、諦めるという話になっています。


右側の空地が駐車場で、落雪があって
も北側の家には雪が落ちません。




【風の抜け道と2階リビングの秘話

風の抜ける家の会話。

「夏は風が抜ける家にしたいなあ!」とのご希望。
「風は、温度の高い空気が上昇するという自然現象で起こります。なので、高いところに窓を設けると空気が抜け易く、動き易くなります。」と助言。
「また、温度の低い空気は、重いので、温度の高い空気の下に入りこもうとします。なので、北側に窓があると風が入って来やすい状況を作ってあげられるんですよ。」と助言
「だから、南側と北側に窓をつけるのね! 風が出やすいし、入って来やすいもんね!」と経験談を話してもらいました。
「北側と南側に大きな窓を付けられると涼しい家になりそうだな!」とのご意見も。
そこで、
「もっと、風が入って来やすい状況を作ることができますよ。」と助言。
「え、どんな!どんな方法!」と興味を持たれました。
「わかった! 吹き抜けじゃないかな?」と鋭いご意見。
「その通りです。温度の高い空気は上昇するので、吹き抜けを設けて、2階に上がった温度の高い空気が抜けるように窓を設けてあげると、1階がかなり涼しい状況となります。」と助言。
「それは、良いわね! 吹き抜けの高い天井も圧迫感がなくて、気持ち良さそうだし!」とのご意見。
「吹き抜けは、なんか落ち着かないような気がするけどね。」と反対の意見も。
雲行きが怪しくなってきたので。
「ちょっと見方を変えたお話なのですが、二世帯ということなので、生活時間帯が違ってきますよね。なので、2階リビングという話もでるのだと思います。でも、家族なので、お互いの気配も感じないような家はどうかと思います。」と別の視点からの話。
「これは、私の提案ですが、吹き抜けに面した2階リビングにすることで、1・2階の気配を感じることが出来る家になります。こういう考え方は、いかがでしょうか?」
と図面で提案。
水色は夏に窓を開けた状態。ピンクは冬に窓を閉めた状態。
「そうだね。呼んでも返事が聞こえないようじゃ困っちゃうね〜え。」と建設的なご意見。
「あ、そうすると、風も抜けて、吹き抜けの開放感もあって、1・2階の気配も感じられるリビングになるってことよね。 すっごく良いんじゃない!」とまとめて頂いてしまった。
「そうです。吹き抜けのメリットを最大限に生かした作り方になります!」と助言。
「おお、良いじゃないか!」という話に落ち着きました。

ものの考え方は、1点だけ見てしまうと、損をすることがあります。
デメリットに感じられることも見方を変えるとメリットになったりします。

ものごとには、一長一短がありますので、右から見たら左、左から見たら右、
上から見て下、下から見て上と見る方向を変えて、総合的に何が良いのか
判断をすることが良い選択となります。

「これはだめ!」と決め付けるのではなく、いろいろな要素を盛り込んでみて、
総合的に見る必要があるということですね。

この辺は、設計士の経験と能力が問われる部分ですね。


その後の話ですが、「吹き抜けだと冬寒いのでは?」という話も出ています。
これは、高気密・高断熱にして、天井対流扇を設けることで、上下の温度差を
1、2度程度に出来るという話で納得して頂いています。
ピンクの冬に窓を閉めた状態を参照。)

更に、2階を使っていない時には窓を閉めることで、使用していない部屋を
暖めないようにすることを提案。光熱費の無駄を省けます。
ピンクの冬に窓を閉めた状態を参照。)

また、階段などがあり、対流を起こしてしまうと、六甲降ろしのような冷気が
階段から来ることも説明。ドアや窓を付けることで対応できることを説明。

見えない空気の動きは、意識していないと解らなし、経験がないと
何が問題になるのか解りません。
思わぬ失敗をすることもあります。

設計士の助言は、とても大切ということです。

南側の掃き出し窓と風を取り入れるための高窓です。
天井が斜めな吹き抜けなので、圧迫感がありません。
高窓から風が入って、2階リビングから抜けて行きます。
対流扇は、暖まった空気を下に降ろしてくれます。

1階の高窓から暑くなった空気が2階リビングへと登ってきます。2階リビングの窓を開けることによって、北側の窓へと抜けて行きます。
2階リビングには便利なカウンターを設けてあります。ソファーにローテーブルだけがリビングのスタイルではありません。いかに寛ぐかです。
吹き抜け天井の左側が、2階リビングの窓です。吹き抜け天井の右側の小さな窓は書斎の窓です。
2階リビングの北側高窓です。
夏は、ここから暑くなった空気が抜けていきます。
ここには、対流扇も付いていて、冬には、暖まった空気を下に降ろしています。下は階段です。
2階リビングですが、奥が寝室、右側の小窓は、書斎の窓です。
カウンター前には、格子窓があります。この窓を閉めることで、2階リビングを使用していない時に1階吹き抜けの暖まった空気が入らないようになります。無駄な暖房費を削減できます。

2階リビングの格子窓を閉めた状態です。
吹き抜けの暖気を遮断できるので、使っていない部屋を無駄に暖めることがなくなります。
2階リビングに通じている階段です。ドアを付けることで、2階リビングを使用していない時の冷気を遮断できます。これがないと六甲降ろしのような冷たい風が吹きます。




【布団干しと積雪の秘話

布団をどこに干しますかという会話。

「2階の布団は、2階に干したいとお考えかと思うのですが、ベランダに干したいですか?」と質問。
「それは、是非、干したいわ!」と回答。
「そうですか。単純にベランダを設けようとするとベランダに雪が溜まってしまうんですよね。」と問題提示。
「雪が溜まって、溶ければよいのですが、樋が凍ってしまうとプールになってしまいます。」と助言。
「え、それはちょっと困るわ。 布団は干したいけど、ベランダがプールみたいになるのは困るわね。」とベランダがない方向へ。
「ベランダに屋根があれば、雪が溜まらないんじゃないか?」とのご意見。
「現在のプランで考えると、ベランダを設けることが厳しいです。」「物理的に付けられないということではなくて、デザイン的に難しいというお話です。」と回答。
「切妻でシンプルな屋根をご希望ということなので、この辺のデザインをどう考えるかになります。」と問題提示。
「ちょっとよく解らないのですが、どんな問題ですか?」と疑問。
「玄関側にベランダを設けるとシンプルな切妻になりません。」「お婆さんの部屋の上にベランダを設けると雪の溜まるベランダになってしまいます。」「屋根をあまりガタガタさせるとシンプルな屋根になりません。大きな屋根に見えた方が、ご希望のデザインになると思います。」と回答。
現在考えているデザインをパースで提示。




「こんな感じになるのね。確かにベランダがないわね! 屋根はシンプルで良いと思うけど・・・。」と曖昧なご意見。
「パースで理解して頂けると思いますが、ベランダを玄関側に設けたり、お婆さんの部屋の上に設けると、この屋根の形が変わってきます。このデザインだと、屋根が大きく見えるので、実際に出来上がった時に、すごく綺麗に見えると思います。」と回答。
「難しいですね。ベランダを設けて実用を取るか、ベランダを諦めてデザインを取るかということですね。」と理解してもらえた。
「私は、あまりゴチャゴチャしたのは、好きじゃないね。」とのご意見。
「デザインばかりを優先することが良い事ではありません。でも、使い勝手ばかりを優先してしまうと気に入ったデザインにならないことも多々あります。」「何を優先するかで、家の印象が全然変わってしまうので、どちらを選択するかという話ですね。」「ベランダの問題は、物理的な問題なので、一長一短です。」と回答。
「私は、デザインも重要だと思うの、家の印象がその家に住む人の印象になるから。なので、布団干しは諦めます。」とのご意見。
「布団乾燥機もあるし、デザイン優先ということにするかあ!」との結論。

使い勝手も重要ですが、デザインもそこに住む人のセンスが問われるので、
とても重要です。

みなさん、どちらも大事だとお考えになると思うのですが、物理的な問題、
お金の問題などが絡んでくるので、単純に判断できることではありません。
自分達にとっての「重要度」をよく考える必要があります。

設計士もアイデアや工夫で解決できる問題とできない問題があります。
経験とアイデアが豊富な設計士だとよい結果がでやすいですね。

その後の話では、西側窓に布団干し用のパイプを付けるという話になりました。
また、ベットにすることで、乾燥し易い状況を作り出せることを助言しました。





【来客が多いお盆と暮れの秘話

来客が多い時にどう対応するかという会話。

「我が家の場合、毎年のお盆と暮れの来客が多いんですよ。 来客と言っても身内なんですけどね。」と問題提示。
「みなさん、お泊りになるんですか? それによって必要なスペースが変わってきますが?」と質問。
「多い時は、20人くらいが来るねえ。 全員は泊まらないんだけど。」と回答。
「えっと。 泊まれるスペースがないから泊まらないとか、布団がないから泊まらないとかありますが、いかがでしょうか?」と質問。
「寝るところは、廊下でも寝れるから、布団の数の問題があるかな?」「でも、布団ばかりあってもね。置き場所がね・・・。と回答。
「家は使う人数が少ない時は、小さい方が良くって、人数が増えた時は、大きい方が良いという矛盾したご希望をもたれることは、よくある話です。」「家の大きさをどうするかということなのですが、小さければ人が入れません。」「なので、一つの基準は布団を敷く数です。もう一つの基準は、人数の多い時の食事のスペースですかね。」と回答。
「今の家の大きさで、食事が出来ているんだから、それだけあれば良いんじゃないか!」とのご意見。
「そうだね〜え。今くらいあればね〜え。」と賛同。
「そうすると、客間6帖+居間8帖なので、14帖くらいが確保できれば、良いという感じでしょうか?」と質問。
「そうね。 布団が10組くらいあるから、そのくらいの広さがあれば、良いんじゃないかなあ。」「そのくらいで布団が敷けてるし。」と回答。
「ご要望の部屋とすると客間8帖、畳敷きの予備室6帖、2階の寝室にベットが2つが増えますので、この広さでもちょっと窮屈ですが、布団を10組は敷けると思います。」と回答。
「そうだな〜あ。 後は布団持参で来た連中は、リビングを片付ければ、そこにも布団が敷けるしな。」とのご意見。
「大体、良さそうですね。人の数は常に変化するかと思います。概ねこの程度ということにしないと、ドンドン大きな部屋が必要になってしまいます。」と助言。
「そうね〜え。 その程度で良いんじゃない。」と賛同。
「後は、食事の時ですが、20人ですとテーブルを3つか4つ、つなげないと厳しいかと思いますが、いかがでしょうか。」と質問。
「ええ、いつも客間と居間に、またがってつなげているわ!」と回答。
「客間が8帖なので、リビングとつなげて使えるようにすれば、テーブルの長さを確保できます。」「ただ、リビングはフローリングをご希望なので、そちらは座布団などが必要かと思います。」と問題提示。
「その辺は、仕方ないね〜え。」とのご意見。
「いつも、テーブルをつなげる時は、ふすまをはずすんだよな!」「これが結構面倒なんだよな!」とまたまた問題。
「ふすまが収納されるような方向で考えましょう。」と回答。
「そうすると、部屋が一体的に見えるってこと?」と質問。
「リビングと客間が一体的になります。また、ふすまの背を高くすると圧迫感が無くなるので、更に一体感が増します。」と回答。
「それは良いですね。広い部屋になるということですよね。」と賛同。

客間は一般的に使用頻度の低い部屋です。
来客の宿泊を考えると必要な部屋なのですが、使わない部屋にスペースとお金を
掛けるのは勿体無いですよね。

なので、できるだけ流用できるような配置と工夫をすることで、利用頻度を
上げることをお勧めします。

来客が訪れた時には仕切れて、通常は開放して利用できるような配置が
良いですね。

リビングが狭い場合は広い部屋に見せることができます。圧迫感がなくなり
開放的な生活を送ることができます。

その後の話では、布団の収納は、使用頻度が少ないので、2階でも良い
という話になっています。

客間なので、縁側には座布団収納を設けるという話もでました。客間で使うものを
収納できる場所は欲しいですね。

客間をどのように使うかをよく考えて、必要なものは近くに収納できるようにする
というのもポイントです。


客間の3本引き戸を開けて、リビングから客間を見ています。ふすまの背が高いので圧迫感がなく、一体的な広い空間となっています。

3本引き戸を閉めた状態です。客間を使わない
時には、暖房費の節約になります。


客間の3本引き戸を開けて、リビングを見ています。一体感があります。
大人数の食事の時は椅子とテーブルを移動して、机をくっつけて 長テーブルにして対応します。

ふすまを閉めると純和風な客間となります。右側は扉付きの仏間です。その隣は、玄関への出入り口です。




【それでは、もう少し「秘話」をご紹介します。】

言われなければ、気付かないところや見ただけで気付くところがあるかと思います。
「なるほど!」と思って、見て頂けたらと思います。


風が抜けて行くリビング・ダイニングの吹き抜けです。
手前がリビングになります。
ダイニング部分が吹き抜けなので、圧迫感がありませんね。

絵を飾れる壁面を計画的に設けています。
黄色の家具はシステムキッチンです。
リビングとダイングを一体にすることで、広々と使えます。

リビングからもダイニングからも見える位置にTVを配置しました。
設計段階からTVのサイズを考慮して、壁の巾などを決めています。

リビング側は、天井を低くして落ち着くように、ダイニング側は、椅子に座るので、開放的な吹き抜けにしています。

風が抜けて行く吹き抜けの高窓です。
電動オペレーターが付いているので、リモコンで開閉出来ます。
暑くなった空気が抜け易い構造になっています。
梁には、移動が出来る照明器具を付けています。好きなところを明るく照らすことができます。

ふすまを開けることで、ダイニング・リビング・客間が一体になります。
奥行きのある部屋に変身します。

風の抜けて行く、2階リビングの窓が見えます。暑くなった空気が抜けそうな気がしますよね。
キッチンのレンジフード前は型ガラスで、手元が暗くならないようにしています。

キッチンカウンターから覗くようにして、ダイニング・リビング・客間を見ています。
キッチンからも家族の顔と気配を感じられる配置になっています。
TVも見えますね。

システムキッチンのカウンターですが、ダイニング側から戸棚として利用できます。
棚に電話を置いています。
扉の色は、結構悩んでいらっしゃいました。
リビング・ダイニングの雰囲気に大きく影響します。写真では解り難いですが、良い雰囲気です。

3本引きのふすま戸を引き込んだ状態です。
1間半の開口となりテーブルを並べた時に広く使えます。
ふすまの背を高くしてあるので、開けた時の開放感が高いです。

手元が見えないように立ち上りのあるシステムキッチンです。
調理器はIHですが、手元が暗くならないように型ガラスになっています。
油の跳ねなどがありますが、明るく使えることを優先しています。
奥は玄関ドアです。

背面の戸棚をシステムキッチンにすると高額になるので、既製品を入れています。
色をポピュラーなホワイトにすることによって違和感を感じないようにしました。
コストを下げたい場合にお勧めです。

出入りのし易いカウンターキッチンです。
カウンターは配膳台にもなりますし、手元のごちゃごちゃを隠してくれます。
カウンター前にダイニングテーブルがあるので、受け渡しの台にもなっています。
使い勝手の良いキッチンとなりました。

キッチンの隣にキッチン関係の収納があると便利ですね。
見えないところなので、既存のカウンターを加工して、戸棚として再利用しました。
結構な収納力となっています。

茶だんすの置場を考えて、窓にするのではなく、壁面を残しました。
モダンな部分も欲しいということで、スリットの窓を設けました。客間のアクセントになっています。

今まで住んでいた家で採用されていましたが、仏壇置場に扉を付けています。
客間の利用目的によって、開け閉めを行います。

窓の外が玄関への通路なので、スリットの型ガラス窓をにしました。
夜には、あんどんのような光がこぼれます。
窓際に小物や花を生けた花瓶を置くと、シルエットが綺麗に出て、来客を迎えてくれます。

仏壇置場の扉を閉めた状態です。
仏壇置場の隣は、玄関ホールからのドアになります。
更にその左側は、リビングに入るドアです。シンプルな床の間もあり、純和風な作りになっています。

3本引き込み戸を開けるとリビングと一体化します。
広い部屋として利用可能となります。

今まで住んでいた家の面影を残したいとのことで、障子をそのままの形で再現しました。
前の家を忘れないためにとのことです。

3本引き込み戸を閉めると独立した客間となります。
背の高いふすまですが、シンプルなクロスを使うことで、変に目立たないふすまとなっています。

ランマ付きのアルミサッシですが、カーテンレールをランマの下に付けました。
換気をしたい時に、カーテンが邪魔になりません。

下足入は、既製品で検討していたのですが、良いものが見つかず、家具屋さんに作ってもらいました。
コストはアップしますが、雰囲気に合った下足入にすることができるので、満足度が違いますね。

壁面にエコカラットを使用して、玄関に入った時の臭いを吸着させています。
また、手すりを設けてあるので、靴を履く時の助けになっています。健常者でも使ってしまいますね。
また、ピクチャーレール(絵を飾る)を設けてあります。
季節によって、掛ける絵を簡単に変えられます。

風が抜けるための北側窓です。廊下の明り取りにもなっています。
温水ヒーターを窓下に設けています。小さな暖房を分散して設置すると、家全体の温度差を小さくすることが可能です。
すごく寒い場所を作らず、ヒートショックを防ぐためには、有効です。

玄関の段差は、靴が隠れる程度の高さです。使い勝手だけを考えると段差が少ない方が高齢者には優しいのですが、土をフローリングの上に持ち込んでしまいそうな気分になります。
土間とフローリングの関係とするとある程度の高さがあることで、格の違いを感じることができます。

介護補助が必要になった時のことを考えて、広めのトイレにしました。
隠れて見えませんが、小さな手洗いも付いています。

洗面台にカウンターを付け足し、作業スペースを延長しています。
カウンターの下は、ランドリーボックスを入れます。
カウンター上には窓を設けて、換気と採光を取り入れています。
使い易い洗面台となりました。

採光と換気用の窓が付いた勝手口のドアです。
ゴミ出しなどに使っています。また、玄関に来客があっても外に出て行くことができます。
右側は前からあった戸棚です。前からある家具は設計の段階から居場所を作ってあげることが重要です。

階段の冷気が降りて来ないようにドアを設けました。
このドアがないと六甲卸しのような冷気が降りてきます。

前からお持ちの家具のレイアウトを設計段階から打合せをして決めていました。
ピッタリと納まっています。
ドア部分は引き戸なので仕方ありません。どこかで妥協は必要です。

ベットと鏡台を設計段階からレイアウトして、窓の位置を決定しています。
ベットなどの大きなものは、設置できる場所が限られてしまうことが多いので、配置をよく考えることが重要です。

階段上に天井対流扇を設けて、暖まった空気を降ろしています。
対流扇によって、1,2階の温度差を1,2度程度に抑えることができます。


階段の照明は電球の交換ができる高さに設置しています。見た目だけで、高さを決めしてしまうと電球交換ができなくなってしまいます。

2階リビングです。
カウンターと椅子を設けて、利用する書斎のようなリビングです。
1階の気配を感じながら、あまり干渉されずにくつろぐことが可能です。

吹き抜けの天井もそうですが、濃い目の色の天井にしています。
落ち着く雰囲気になっています。
正面は、畳敷きの予備室です。

天井対流扇は、冬の暖気を降ろすために回します。
吹き抜けの照明は、壁と天井を照らして雰囲気を演出しています。

吹き抜けを覗き込んでいます。
引き違いの小窓は、書斎の窓です。吹き抜けに面することで、暖気を取り込むことが可能です。暖房機器が必要ありません。

2階リビングを使用していない時に、吹き抜けの暖気を入れないように設けた窓です。
障子にするかどうかで、随分悩んでいらっしゃいました。
結果、1階の気配が感じられる窓となりました。

吹き抜けから暑い空気が上がってくるので、この窓から北側に抜きます。

2階リビングの北側高窓です。
電動オペレーターが付いていて、リモコンで開閉ができます。
正面の部屋は寝室です。
手前の手すり壁のくぼみにはソファーを置く予定です。

使い勝手とコストから洋間に琉球畳を敷いた予備室です。
コスト的には柱や長押を止めているので、低コストで、できています。
床にベタッとした使い方をしたいということで、畳敷きの部屋にしています。
昼寝や来客用の宿泊に利用しています。

窓が2つ並んでいる側が東で、景色が良いのですが、玄関屋根がある関係上、大きな窓よりもデザイン的に変化をつけたいとのご希望で2つにしました。
各ベットに一つずつの窓でシンメトリになっています。
暖房は温水ヒーターで、ベットの下からも乾燥をしてくれます。布団乾燥機が必要ありません。

寝室に書斎を隣接させました。
天井が下がってきているので、小屋裏部屋のような書斎になっています。
写真では、解りにくいですが、右側に吹き抜けに面した窓があります。暖気を取り入れられるので、暖房機器が必要ありません。

トイレの壁面には、エコカラットを使用して、臭いを吸着させています。
戸棚にはトイレットペーパーなどを収納しています。

2階のトイレなので、便器のタンクに水栓の付いているタイプを選択しています。
タオル掛けまで、設計時に打合せで決めています。




【その他にも、語られなければ知ることのできない「秘話」が、いっぱいあります。】

◆カーテンとカーテン溜り ◆物干し場とデッキ ◆玄関前のゆとり ◆照明器具選び ◆大人数とボイラー選択 ◆トイレの引き戸 ◆床材の選定 ◆多目的シンクと洗濯機置場 ◆コート、ジャンバー収納 ◆机下の本収納 ◆テレビ置場とLAN配線 ◆暖房の検討、パネルヒーター ◆吹き抜け天井の柄と色 ◆縁側の必要性 ◆納戸と押入れのサイズ ◆1階寝室のクローゼットサイズ ◆既存の雑庫、新しい雑庫 ◆外流しの利用法 ◆車庫の屋根とガード ◆既存植栽の移植・伐採 ◆既存オイルタンクの利用 ◆暖房器具を設置しない部屋 ◆二世帯住宅の難しさ ◆手抜き防止対策 ◆予算内に工事費を納める




【最後に・・・。】
いかがだったでしょうか。
和風で、モダンな和洋折衷の2世帯住宅というご希望だったわけですが、随所にモダンさ、和風っぽさ、洋風っぽさがちりばめられた家となりました。

降雪地ならではの雪との関係、玄関からの人の動線、風との付き合い方、利便性とデザインの選択、綺麗でシンプルな大屋根、大人数に対応可能な間取り、既存の庭へのこだわり、客間としてこだわった和室、洋風で開放感のあるリビング・ダイニング、会話がし易く、家族の気配を感じながら生活できる家等々、山積みの問題を建主と一緒に解決した家となりました。


今まで住んでいた家の良いところを活かし、悪いところを修正した家なので、使い易く、住み易く、暮らし易い家となっています。

大勢の来客との楽しい一時やみんなでの雑魚寝、会話を楽しみながらの調理、テレビをダイニングテーブルで見る人、リビングのソファーで見る人、キッチンから眺める人、共通の話題が花を咲かせます。

二世帯ということで、生活時間帯にも考慮しながら、家族の気配を感じられる吹き抜け、暖房効率を考えた窓の設置や風が抜けるように考えた窓などにより快適な室内環境を実現しています。

また、思い出のある障子や見慣れてはいるけれども思い出のある庭など前に住んでいた家を忘れないように良いところ残した家となっています。

建主には、「自分が設計した家」という自負を持って頂いています。そして、この家に住むことが楽しくて仕方ないという感想を頂いています。




【設計士から・・・。】
今回は、家を建てたことのある建主でしたので、失敗経験を生かした家造りとなっています。大金を掛ける家造りでは、失敗したくありませんよね。

いろいろな失敗がありますが、一番影響するのが、「業者選び」です。どんな業者と家造りをするかで、満足度が変わってしまいます。

家を建てたいと考えている人達には、見た目やコストだけで家造りをすると失敗するということを学んで頂ければと思います。

自分が住みたい、使いたい、暮らしたいと思える家を作るには、あなたが設計士になる必要があります。ここで、紹介した多くの実例は、自分の希望を設計士の能力を使って、建主が自分で設計して実現しました。なので、使い易く、暮らし易い家となっています。

家造りは楽しいです。でも、家は建てた時が終わりではなく、その家で生活をして行かなければなりません。なので、自分に合せた使い易い家、住み易い家、暮らし易い家、落ち着く家を建てることがとても重要なのです。

見た目やコストだけにとらわれず、自分にとって何が一番良いのかをお考えください。


第三者の設計士が「まとめ役」を務めることで、家造りがスムーズに行くことが多々あります。家族が設計士の話を聞くことで、一呼吸おいて冷静に考えられる時間を作ることができるからです。

「家族だから自分の思いをぶつけてしまう。」「自分の思いを押しつけてしまう」「自分の意見を押し切ろうとしてしまう」ということがあります。設計士が入ることで緩衝帯になります。

家は、家族みんなで住みます。全員の希望を100%満足させることは不可能なことなのですが、みんなが納得した家造り、最終的に満足できる家造りをすることは可能です。その方法の一つが第三者として設計士にまとめてもらうということです。



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