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スズメバチの交尾行動

営巣期間と営巣規模スズメバチの交尾行動スズメバチの越冬スズメバチの採餌習性

スズメバチの巣では,種により出現時期は前後しますが,9月下旬から11月にかけて,オスバチが羽化し,その1〜2週間後には新しい女王バチ(新女王バチ)が羽化してきます.オスバチ,新女王バチとも,性的に成熟するまでの7〜15日間は巣内に止まりますが,晴天の午前中を選んで巣を離れ,再び巣に戻ってくることはありません.

巣を離れたオスバチは,単独生活をしながら毎日交尾場所を訪れ交尾の機会を待ちます.交尾は巣の外で行われますが,多くの種では晴天で風のない日の午前中,特定の場所にオスバチが集まって飛び回り,そこへ飛来した新女王バチと交尾します.交尾した状態で葉の上や地上に落下し交尾を続けます.交尾を終えた女王バチは速やかに越冬場所に移動し,半年間にも及ぶ越冬生活に入ります.

コガタスズメバチやキイロスズメバチ,モンスズメバチの交尾は,20〜30mもあるような高木の樹冠付近で行われますが,時にはヤブガラシやキヅタなどの訪花場所でも交尾が目撃されています.

オオスズメバチの交尾は巣の付近でおこなわれます.10月〜11月の午前中に,働きバチから分泌される集合フェロモンに誘引された多数のオスバチが,巣門(巣の入り口)付近に集まって周辺を飛び回り,巣から出てくる新女王バチを待ち受けて交尾します.交尾行動は新女王バチから分泌される性フェロモンによって引き起こされます.

最近になり,ヒメスズメバチやキイロスズメバチのオスバチが高層ビルの上部を集団で飛び回り,そこへ飛来した新女王バチと交尾することが明らかになりました.これは高層建築物が大木と同じような役割をはたしていると考えられ,スズメバチの都市環境に対する適応として興味深いものがあります.多数のオスバチが建物の周囲を集団で飛び回るため,住民に恐怖心を与え問題となっています.

また,ヒメスズメバチとは時期は異なりますが,オオスズメバチが同じような行動をとる事例が知られています.現地での観察ではヒメスズメバチの場合と同じような行動が見られますが,交尾行動に伴うものかどうかはまだよく分かっていません.


交尾するコガタスズメバチ 巣穴の入り口付近を集団で飛び回るオオスズメバチのオスバチ 14階建てマンションの最上階付近を飛び回るヒメスズメバチのオスバチ