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スズメバチに刺されないための注意

刺されないための注意集団刺傷被害を防ぐには刺された時の対処法抗体検査ハチ刺傷歴と抗体検査結果

ハチの一般的な攻撃方法は,体が相手にぶつかった瞬間に反射的に毒針を突き刺し,すぐさま引き抜いて相手から離れるのが一般的です.しかし,スズメバチの場合は,再度体制を立て直して攻撃してくるだけでなく,毒液(興奮物質)を相手の体や衣服に向けてまき散らします.この液は警報フェロモンの働きを持っており,速やかにその場を離れないと,さらに多数のハチの攻撃を受けることになり大変危険です.

体当たりした際に6本の脚で相手にしがみつき,大顎で皮膚に噛みついたまま何度も刺します.スズメバチの毒針はミツバチのように逆とげが発達していないので,人を刺しても抜けることはなく,毒のある限り何度でも刺すことができます.

攻撃を受けやすい動きをしないよう気を付けます

スズメバチは横への動きに反応しやすいので,ハチを手で払ったり,急に向きを変えるなどの急な動きは大変危険です.もし巣を見つけた場合は静かに後ずさりして巣から離れます.スズメバチは外敵から巣を守るために,人が巣に近づくと次のような警戒や威嚇の行動をとります.

・ 相手の周りをまとわりつくように飛び回る.
   ・ 相手に狙いをつけて空中で停止(ホバリング)する.
   ・ あごをかみ合わせて”かちかち”という威嚇音をたてる.


左のアイコンをクリックすると,オオスズメバチの威嚇音を聞くことができます .(”上野高敏のウェブサイト”より転載)

警戒のハチが近寄ってきた場合は,姿勢を低くしてハチが飛び去るのを待ち,ゆっくり巣から離れるようにします.オオスズメバチは,巣の近くで動く黒い物体に対して非常に敏感に反応しますから注意が必要です.

攻撃を受けやすい色彩と身なりをしないよう気を付けます

スズメバチはいずれの種も黒色に対して激しく攻撃します.白色や黄色,銀色に対しては反応は弱く,ほとんど攻撃しません.ただし,たとえ白色であっても,いったん攻撃を受けたあとでは安全とは言えません.

また,最近キイロスズメバチについて調べられた結果では,黒,赤,青のいずれの色にも激しく攻撃しましたが,最も攻撃反応が弱かったのは黄色で,次いで白であったと報告されています.

なぜ黒いものを攻撃するのかについては,人間をターゲットにしたものだとする説が有力です.スズメバチを食用にする習慣は世界各地にありますが,スズメバチを食べる人種は全て髪が黒色であるという共通点があります.スズメバチ食の本場である中国の雲南地方では,膨大な量のスズメバチの幼虫が巣ごと食用として市場に出回ります.スズメバチと人間との長いせめぎ合いの中で,スズメバチは最強の天敵?である髪の黒い人間に対して攻撃するようになったと考えられています.

黒い着衣,ひらひらするものなどは巣の近くでは攻撃を受けやすいので注意してください. その他カメラや長靴など黒くて動くものも危険です.匂いもハチを刺激します.ヘアスプレーや香水などの化粧品,汗の臭いなどにも敏感に反応します.

ハイキングなどの野外活動に出かける時は,次のようなことに気を付けましょう

秋の行楽シーズンになると野外活動に出かける機会が多くなり,スズメバチによる集団刺傷被害がしばしば発生しています.野外活動に出かける際は万が一に備えて次のような点に注意してください.

・ 長袖,長ズボンを着用し,露出部分を少なくします.
・ なるべく白っぽい服装をし,頭には帽子を着用しましょう.
・ 小型のスプレー式殺虫剤を携行しましょう.
・ ハチの毒を吸い出す道具を携行しましょう.
・ 万一の場合に備えて,なるべく単独行動は避けましょう.
・ 道以外の場所へは,なるべく踏み込まないようにしましょう.
・ 万一の場合に備えて,忌避剤を携行しましょう.