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O, the grand Duke of York

O, the grand Duke of York,

 He had ten thousand men;

He marched them up to the top of the hill,

 And marched them down again.

And when they were up, they were up,

 And when they were down, they were down,

And when they were only half-way up,

 They were neither up nor down.

 

ヨーク公爵さま

ひきいる兵は一万人

お山のてっぺんへのぼらせ

また ふもとへくだらせた

上にいたときは 上にいた

下にいたときは 下にいた

とちゅうにいたときは

上でも下でもなかった

【解説】

 ジョージ3世の次男のヨーク公をからかった唄。もとはフランスのアンリ4世を風刺していた唄が、ヨーク公をからかうものに変わったと言われている。参考までにその唄を載せておく。

The King of France went up the hill

With forty thousand men;

The King of France came down the hill,

And ne'er went up again.

ヨーク公の記念像は、ロンドンのトラファルガー・スクウェアの近くに現在も建っている。

 彼は実際には有能な指揮官だったそうなのだが、この唄のせいで「無能な指揮官」というイメージがつきまとうこととなった。

Old King Cole

Old king Cole

Was a merry old soul,

And a merry old soul was he;

He called for his pipe,

And he called for his bowl,

And he called for his fiddlers three.

コールのおうさま

愉快なおかた

ほんとに愉快なおひとがら

たばこのパイプと

おさけのお椀と

ヴァイオリン弾き3人 よびよせた

【語句】

soul 「人」。(参)an honest soul 正直者 a kind sole 親切な人

bowl (文語)「(酒の)大杯」。

【解説】

 美しいメロディで人気のある唄。コール王とは3世紀後半にイギリスのエセックス州に実在したケルト族の王様のことだろう、という説がある。

 Colchester市は、この王様にちなんでつけられたらしい。また、王の娘ヘレナは音楽に秀でていたとも言われている。

 しかし、イギリスで喫煙用パイプが普及したのは16世紀後半。後世になってパイプの部分がこの唄につけ加えられたのかもしれない。

【覚えておこう】

Old King Coleのイメージは、「太っていて大柄で陽気な人」である。

なお、スコットランドの Ayrshire 生まれであるという説もあるようです。

Early British Kingdoms

スコットランドの Ayrshire のサイト


Old Mother Gooseガチョウおばさん

Old Mother Goose,

 When she wanted to wander,

Would ride through the air

 On a very fine gander.

がちょうおばさん

散歩にいきたくなったら

空をとんでいく

すてきながちょうの背にのって

 

【語句】

goose「雌のガチョウ」。

wander 「(あてもなく)歩き回る、ぶらつく」。(参)wonder 「不思議に思う、驚く」。

gander「雄のガチョウ」。

【解説】

 14連ある長い唄で、1815年にでたchapbook(行商人が売り歩いた小冊子)の『がちょうおばさん、あるいは金の卵』に載っている。

がちょうおばさんの息子のジャックが買ってきた雌ガチョウが、金の卵を生み、ジャックはきれいなお嫁さんをもらい、がちょうおばさんは今度は雌ガチョウの背に乗って月まで飛んでいく、といった筋である。

 映画の中では、'Mother Goose'は「おとぎ話、童謡」といった意味で使われる。