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Jack and Jill 

Jack and Jill went up the hill

 To fetch a pail of water;

Jack fell down and broke his crown,

 And Jill came tumbling after.

 

ジャックとジル 丘をのぼった

おけに水をくみに

ジャックがころんで あたまにけが

ジルもあとから ころころころりん 

【語句】

crown 「頭のてっぺん、脳天」。ここではcrown of the headのことで、「王冠」ではない。なお、英語のheadは顔を含めた首から上の部分を指す。 

【解説】

 マザーグース絵本には必ず顔をだす唄である。よく考えてみると、水を汲むのに山を登って行くのは理不尽なのだが、そういった不可解さがこの唄を面白くしているといえよう。

「水を汲んでいた二人の兄弟が月の神にさらわれた」という北欧神話にその起源を求める説もある。

この唄の初出文献'Mother Goose's Melody'(1765)の挿し絵では、ジャックとジルはどちらも男の子として描かれているが、それ以降の絵本では二人は兄妹として描かれている。

 'Every Jack has his Jill'(どんなジャックにも似合ったジルがいるものだ)という諺が古くからあるが、若い男女を指す一種の代名詞として'Jack and Jill'が用いられることもあるようだ。


なお、イギリスのキルマスドンの小学校に、ジャックとジルが水を汲みに行った井戸が保存されているということですけど、ホントかなぁ?詳細は、以下のサイトを見て下さい。井戸の写真もあります。

Jack & Jill Millennium Fund

また、イギリスのウエスト・サセックス州のサウスダウンズのクレイトン村には、「ジャックとジル」と呼ばれる風車があるようです。

Jack & Jill Windmills Society

ABCテレビ(朝日放送系列)で放映されているテレビドラマ「ジャック&ジル」を解説したサイトを見つけました。ジャックが女の子でジルが男の子っていう設定がおもしろいですよね。

ジャック&ジル



Jack be nimble 

Jack be nimble,

Jack be quick,

Jack jump over

The candle stick.

 

ジャックは すばしっこい

ジャックは はやい

ジャックは とびこえる

ろうそくを 

【語句】

nimble 「すばしっこい」「動きがはやい」 

【解説】

 ろうそくの上を飛び越す遊びは、昔からイギリスにあった。11月25日の聖カタリナ祭(St.Catherine's Day)で、この唄を歌いながら火をともしたろうそくを順に飛び越したそうだ。飛び越すときにろうそくが消えなかったら良い年がやってくる、と考えたらしい。

 

Jack Sprat 

Jack Sprat could eat no fat,

 His wife could eat no lean,

And so between them both, you see,

 They licked the platter clean.

 

ジャック・スプラット あぶらみがたべられない

おくさんは あかみがたべられない

こうして ふたりは

おさらを きれいにたいらげた

 

【解説】

 この唄はもともとは「夫婦は補い合うべし」といった意味の格言唄だった。日本のことわざでいえば「われなべにとじぶた」か。

脂身が食べられないジャックはやせていて、脂身が好きな奥さんは太っている。「ジャック・スプラットとその奥さん」といえば英語圏の人は必ず、やせ男と太った妻のカップルをイメージするだろう。