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Baa, baa, black sheep 

Baa, baa, black sheep,

Have you any wool?

Yes, sir, yes, sir,

 Three bags full;

One for the master,

 And one for the dame,

And one for the little boy

 Who lives down the lane.

 

めえ めえ 黒羊さん

羊毛ありますか?

はい はい あります

3つのふくろにいっぱい

1つはご主人さまに

1つは奥さまに

そしてもう1つは

小道の向こうに住んでいる男の子に

 

【語句】

dame 「奥さま、貴夫人」といった意味の古風な表現。 

【解説】

 「民衆の為政者への恨み」が暗にこめられた唄、という解釈がよく知られている。つまり、羊毛3袋の収穫があっても、1袋はご主人様(王様)に、もう1袋は奥さま(貴族)に取りあげられてしまい、男の子(庶民)の手元には1袋しか残らない、というのだ。

 1275年にもうけられた羊毛輸出税に反感を持った民衆の気持ちが、この唄には唄い込まれているのだろう。

 最後の2行が、But none for the little boy who cried in the laneとなっている版もある。この場合は「庶民には何も残らない」といった解釈ができるだろう。 

【映画からの実例】

風と共に去りぬ     Gone with the Wind (1939.US) 

 『マーガレット・ミッチェル物語』(河出書房)によれば、本のタイトルがすんなりと『風と共に去りぬ』(Gone with the Wind)に決まったというわけではなさそうだ。出版社側は「明日がある」(Another Day)という題名をを採用することにしていたが、マーガレットは次のようにさまざまな題名を提案したらしい。

 『風と共に去りぬ』(Gone with the Wind)、『苦難を荷え』(Tote the Weary Load)、『一里塚』(Milestone)、『荷を捨てて』(Jettison)、『めえ、めえ、黒羊』(Baa, Baa, Black Sheep)、『いつかは眼が開く』(None So Blind)、『無情の星』(Not in Our Stars)、『ラッパの調べは切なし』(Bugles Sang True)などである。

 このように計24もの題名候補をあげて、マーガレットは「『風と共に去りぬ』(Gone with the Wind)が第一候補」と書き記し出版社に送ったという。そして、結局このタイトルに落ちついたという話だ。

 このタイトル候補の中の'Baa, Baa, Black Sheep'というのがこの唄からの引用である。なぜマーガレットがこれを候補に加えたかは知るよしもない。'black sheep'には「一家の厄介者、つらよごし」という意味があるが、この物語の中の誰が'black sheep'なのだろうか。 

   

Birds of a feather flock together 

Birds of a feather flock together,

And so will pigs and swine;

Rats and mice will have their choice,

And so will I have mine.

 

同じ羽毛の鳥は 群れつどう

豚だって 同じ

ドブネズミやハツカネズミすら つれをえらぶ

わたしだって 同じ

 

【語句】

of a feather= of the same feather

flock 「群をつくる、群をなして行く」。

pigもswineも「豚」だが、swineは文学などで用いられる少し形式ばった語。単複同形。

ratは「ドブネズミ」などの大型のネズミ。mouseは「ハツカネズミ」。

have their choice 「自分の居場所を選ぶ、より好みをする」。 

【解説】

 古くからある格言唄で、第一行は諺として有名。日本の諺の『類は友を呼ぶ』に当たる。'Like will to like','Like attracts like'(似たもの同志はひかれあう)など、同義の諺も多い。 

  


Bye, baby bunting 

Bye, baby bunting,

Daddy's gone a-hunting,赤ちゃん

Gone to get a rabbit skin,

To wrap the baby bunting in.

 

ねんねんころりよ かわいい あかちゃん

とうさん かりにいった

ウサギのけがわ とりにいった

あかちゃん くるんでくれるとさ 

【語句】

bye 「ねんねんころりよ」。hush-a-byeやrock-a-byeの短縮形。

bunting 「かわいく、丸まるとした」といった意味の、愛情を示す言葉。この唄が元になって、buntingは「赤ちゃん用のフード付きおくるみ」を指すようになった。

go a-hunting は、go huntingの古い形。

【解説】

 よく歌われている子守唄である。生後すぐの赤ちゃんを親に渡すときなどに、看護婦がこの唄を口ずさんだりするという。