13、1969年 ビートルズの終焉(その2) 

M Golden Slumbers  (1969年7月 rec.)  ポール・マッカートニー 意図的引用

 

 昔、ポールが父親の家に遊びに行ったとき、腹違いの妹ルースの童謡集で偶然このマザーグースを見つけて、ピアノを弾きながらメロディをつけてこの曲を完成させたという。

 後にポールは「ぼくらは一番ビッグな盗作者だった」と語っている。こ

 れはビートルズが自らの手でレコーディングした最後のナンバーで、「黄金の眠り」というタイトルとおり、この歌でビートルズとしての活動は眠りにつくことになる。

 

Once there was a way to get back homeward.

Once there was a way to get back home.

Sleep pretty darling do not cry,

And I will sing a lullaby.

Golden Slumbers fill your eyes,

Smiles awake you when you rise.

Sleep pretty darling do not cry,

And I will sing a lullaby.

 

 ・Golden Slumbers fill your eyes

  Smiles awake you when you rise

  Sleep, pretty darling, do not cry

  And I will sing a lullaby

 

 これは、次のマザーグースをほぼそのまま引用したものである。作者がはっきりしているマザーグースで、17世紀始めにイギリスの劇作家、トーマス・デッカー(Thomas Dekker 1570-1632)が書いたものである。

 

Golden Slumberskissyour eyes,   黄金の眠りが おまえのまぶたに キスする

Smiles awake you when you rise,   朝には ほほえみが 起こしてくれる

Sleep, prettywanton; do not cry,  おやすみ いたずらっ子 泣かないで

And I will sing a lullaby:      子守唄を 歌ってあげよう

Rock them, rock them, lullbay.    ねんねんおころり ねんねんよ