みーちゃんとんびさんの アナンダ旅日記

 

6 愛を持ってお帰りなさい

 

 

 今日1日でアナンダ村もおしまいです。
 明日の朝には、ここを出発しちゃうんです。

 朝からおとうさんたちは、コーネルさんとお勉強をしました。
 広場にイスを出して、質問会をしてました。わたしは、なおこさんとけいくんと一緒で、アナンダ村探検をしていました。ほんと、2時間もお話をしてたんだよ。
 わたしは、ときどきおとうさんのところに帰って、「いっしょに遊ぼうよ」って言ったけど、「シッー!」て言われた。
 でも、わたしは知ってるんだ。難しい話ばかりじゃなかったってことを。だって、ときどき大きな笑い声が、私たちのとこまで聞こえてたもん。

なおこさんといつも一緒

 やっと終わったら、コーネルさんが「大きなシュガーコーンパインを見に行こう」って言いました。
 なんでも、この敷地の中に、あの大きな松ぼっくりのなった木があるんだって。でも、あんなのが落ちてきて、頭に当たったら、どうするんだろうな?痛いだろうな。

photo by saeko.kikuchi

 みんなが集ってるとこから、わたちたちのおうちの反対側に向かって歩いて行きました。
 誰かが、「これじゃ、私たちの家に着いちゃうよ」って言ってたけど、こっちにもみんなの家があったんだ。

 山道を上り下りして、着いたらほんとうに大きな木でした。においもすごくしてた。高さは何十メートルもあるんだって。

 トマトの入った冷たいスープのお昼ごはんを食べて、アナンダ村のみんなが住んでいるところに行きました。前に行った学校の近くにあるところで、おとうさんが言うには、「別荘地村のコテージみたいの」がいっぱいありました。

 まず、コーネルさんの家に行きました。
 昨日の夜に、「今から、家を片付けてくるね。」っていってたけど、ほんとにきれいだった。コーネルさんは、一生懸命に片付けたんだろうな。
 わたしとおとうさんは、いつもおかあさんに怒られてるんだ。ちゃんと片付けなさいって。コーネルさんは、おくさんに言われてるんだろうな。汗をかきながら片付けてるコーネルさんを思い浮かべたら、ちょっと笑っちゃいました。


コーネルさんの家です


コーネルさんの書斎

 どんな生活をしてるんだろう、と思ってたんだけど、きれいな台所もあったし、パソコンやエアコンはあるし、トイレは水洗だし(お借りしちゃったんだ)、洗濯機は2台あったし・・・
 日本でのわたしの生活と、そんなに違わないんだ。


家には靴を脱いで上がります

 家の横には、床が高くなってる小屋がありました。朝と夕方の2回、ここでメディテーションっていうのをするんだって。
 メディテーションって、特別な時にするのかと思ったら違うんだって。
 中に、ちっちゃなおもちゃみたいな扇風機がありました。
 暑い時は、これを使うのかな?

 書斎をのぞいたとき、たくさんが叫びました。
 「コーネルさんも初級指導員なんだ!」
 なんでも、初級指導員っていう資格を持ってる人しか持っちゃいけないハンドブックが棚にあったんだそうです。



メディテーションする小屋。

 コーネルさんと奥さんとに別れを告げて、アナンダ村の中心地へ行きました。
 スーパーマーケットのようなものを発見。みんなで中に入りました。お店の半分くらいが、喫茶店みたいになってたんだけど、ハンバーガーがあったよ。でもたぶん、中に入ってるのはお肉じゃないんだろうな。だって、さっきみんなで食べたお昼のハンバーガーは、「このハンバーグは、お豆でできてるんだ」って誰かが言ってたもん。わたしは、信じられなかったけど。

 わたしは、おとうさんと品定め。やっぱり、ここでもアイスクリームかな。バーにくっついたものやカップに入ったもの、いろいろあったけど、ハーゲンダッツのやつがおいしそうだったんで、これにしました。

 あと、日本のお友達にアメリカのお菓子を買って帰ろうと、おとうさんと相談して、中味が分からなかったけど、10個くらい買いました。
おとうさんは「ココで売ってるのは変なものが多分入ってないからいいだろう」と言ってました。けど、ほかだと変なものが入ってるのを売ってるのかな。
 まあ、いいや。
 ポテトチィップスもおいしそうだったんで、しお味のを買いました。


店の外でアイスを食べました

 そこからは、2つのグループに分かれて、@おうちに帰って、あたりを自由に散策するA川に行って泳ぐ、どちらかをすることになりました。
 もちろん、わたしはAです。


photo by Mahbo

  おとうさんを含めて10人くらいがいっしょに行くことになりました。
 こんどの川は、オレゴン・リバーっといって、魚がたくさんいました。じっとしてると、目の前を小さな魚が・・・
みんなで捕まえようと石を組んだり、囲い込んだりしたけど、もうちょっとのとこで逃げられました。だってみんな、「今日の晩ごはんだっー」って目を輝かせて言ってるんだもの。いくらお肉やお魚を食べてないからといっても、目がコワイよ。
 おさかなさんも、絶対気がついたんだと思うな。
 ハリダスさんは、岸辺でのんびりとしてました。
 そんなところに、おさかなさんは寄って行くんだよ。いっぱいあつまってたもん。

 

 ごはんのときに、”サイン タイム”となりました。
 コーネルさんが、参加した人にサインをしてくれるんです。ただし、1人につき2つまでということらしい。
 おとうさんは持って行ってた兵庫県協会のスタッフベストっていうのと、小物入れの袋にしたみたい。わたしは、何にしようかな?と思ったけど、何もないので、持って行ってたスケッチ帳に書いてもらおうかなと思いました。
 スケッチ帳には、今朝なおこさんに書いてもらった2人と1匹の絵が書いてありました。
 コーネルさんの前に行って書いてってスケッチ帳をだしたら、コーネルさんはその絵を見て「ニヤリ」として、ブラウニーの下に、コチョコチョとサインをして、「ディス イズ ブラウニーズ サイン」っていいました。
 わたしは楽しくなって、みんなに見せてまわりました。へへへ、だってブラウニーのサインをもらったのは、わたし一人だけだもん。
 でも、サイさんの背中にしてもらったのはジョン・ミューワって書いてあったよ。「ん、モー、見えないからって・・・」って、プンプン怒ってた。

 最後の夜です。テンプルでお別れ会をしました。

 輪に座って、手の平サイズの木のかたまりを回しながら、今回の思い出なんかを話を順番にしてきました。
 わたしの前はおとうさんの番でした。さあ、私は次だと思ったら、おとうさんがしゃべらずに泣いちゃってるんです。
 おとうさんは、テレビを見ててもすぐ泣くって、おかあさんにいつも笑われてました。
 わたしは、いつものことだから「やれやれ」と思ったけど、何かいつもとは違う涙かもしれないなと思いました。だって、おとうさんだけじゃなく、いっしょに行ってたみんなも、いっぱい泣いてたもん。

 そんなんで、いきなりわたしの順になりました。なおこさんに、「みーちゃんの、一番楽しかったことは何?」って聞かれました。
 わたしは、山にキャンプに行った時に歯が抜けて、山に置いてきた話をしました。

 そのあと、みんで手紙を書きました。
 誰に書いたかって?日本にいる人じゃないんだ。だって、手紙よりもわたしの方が先についちゃうもの。そう、わたしに書いたんだ。1年後のわたしに。手紙に封をしたら、1年後にわたしに送ってくれるんだって。おとうさんが「明日への手紙っていうんだよ」って教えてくれました。
 何を書いてかって?それはナイショだよ。


明日への手紙を書いてます

 いよいよ終わりかな、と思ったら、ここでサイン大会がはじまりました。
 着てるTシャツなんかにサインをしあうんだ。わたしはコチョバイのはいやだから書いてもらわずに、わたしの名前を書くだけしました。
 でもね、みんなイロイロ書くんだ。
 だれかが、手を背中にのっけて手型を書いてました。とっても大きかったです。その横に「でかい手」とか書いてる人もいました。
 「ジョセフ・コーネル」ってカタカナで書いてる人もいました。おとうさんは「じょせふ・こーねる」ってひらがなで書いてた。
 もう、こうなったら落書きだよね。

 1人2人、書き終わった人から外に出ました。
 おうちに帰ってから、わたしはとっても眠くなりました。
 おとうさんは、荷物の整理をしなきゃといって、一生懸命片付けてました。

 次の朝も、いつものようにおとうさんはメディテーションに行きました。
 なんでも最後の日は、とっても集まりが悪かったらしいです。遅刻してきた人が多かったみたい。みんなも、疲れてたのかな。それとも夜更かしをしてたのかな。
 朝ご飯も30分遅れました。
 みんなから「アナンダから帰りたくない光線」みたいなのが出て、それに影響されてるのかな?

 出発予定は9時だったんだけど、9時30分になりました。
 荷物は、トラックがおうちのとこまで来て、先に今日泊まるとこに持っていってくれるということらしいです。
 わたしたちは、ハリダスさんとローマさんの運転するいつもの車で行きます。

 みんながクルマのところに行ったら、アナンダの人たちが歌をうたってくれました。
 「愛を持ってお帰りなさい」という歌です。
 わたしたちも歌をうたいました。
 「ふるさと」です。

 みんな、泣いちゃいました。
 みんな、もう一度帰ってこようと思いました。

 予定から大幅に遅れて、アナンダ村の甘いにおいと一緒に、わたしたちは10時にアナンダを出ました。

 

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