みーちゃん&とんびさんの アナンダ旅日記
3 トイレが臭くないョ
メディテーションでうたう歌
ここではアナンダでの生活について、とんびが紹介します。
食べる
食事は、屋外でピクニックランチをする時以外は、このコモン・ドーム(Common
Dome)で食べます。 横にあるキッチンで、ボランティアの村民や長期滞在の方が交代で作ってくれます。 最初に書いたとおり、ベジタリアンの生活ですので、肉類は一切ありません。だから、もっと乳製品が多いのかと思ったらそうでもなかったです。 |
札幌からきた外食産業(しかも、牧場経営もしている)に勤務するヒロさんは、仕事と反対で、チーズ・バターが全然ダメなのですが、同じ乳製品ダメなヤンボーさんと、「もっと苦労するかと思った」と言ってましたが、大丈夫だったみたいです。
お米もありましたし、アナンダの人が苦労をして味噌汁も作ってくれました。(ちょっと、薄味だったんですが・・・)
トマト味の、野菜のいっぱい入った冷スープは、絶品でした。豆類を使ったハンバーグをパンではさんだハンバガーもおいしかったです。未だにみーちゃんは、肉を食べたと思いこんでいます。
食べられなかったのは、ライスをシナモン?で味付けしたオートミールみたいなおかゆみたいなもの。こんな料理なんだ、とナットクして食べようとしましたが、ちょっと遠慮したかった。しかし、ハリダスさんは、「おいしい、おいしい」と、おかわりしてましたが。
こんな風に、食べたいだけ自分でとり、ドームの中もしくはテラスで食べます。 私たちは、全食テラスで食べました。 ただ、食べられない人もいます。 自分は大丈夫だと思っていても、日本食は有効です。 みんなの持ってきていた味噌汁、お茶漬けの素、ふりかけ、日本茶などは、袋に入れて「日本食パック」として誰かが管理し、食事のたびにテーブルに出ていました。 |
飲み物は、水・ミルク・コーヒー・ハーブティーなどが自由に飲めます。しかし、すべての飲み物はカフェインレス(英語ではリカフェと言えばいいと教えてもらいました。)。それを、持参したマグカップに入れて飲みます。カップを持ってきていない人は、紙コップもありましたが、注意すべきはロウが塗られたコップ。熱いものを入れると、ロウが溶け出し、飲み物の上に、ロウが浮いてる・・・・
村人が使っているコップを使わせてもらったこともありました。
食事は、紙の皿を使います。はじめは抵抗のある人もいますが、水が貴重で、皿を洗う水を節約するためということです。 左はキッチンの内部です。コモンドームと廊下で連がっていて(左に続いているのがそうです)、かなり広いです。 写真に写っているのは、アナンダ村に住んでいる方で、ボランティアとしてお手伝いいただいているということです。 このような方と、セクリュージョン・リトルートに長期滞在している方なんかが、食事のお世話をしてくださいました。 食事の前には歌をうたいます。 |
Recieve Lord in THy Light the food
we eat, for it is Thine.
Infuse it with THy love Thy energy.
Thy life Divine, Amen
暮らす
部屋はキャビンです。前に行った人からは、「テントでの生活もあるよ」と聞かされていたんですが、全員建物を与えられました。敷地の中に、他の人が気にならないようなくらい離れて設置されており、大きさや設備も様々です。
大人数の部屋の中には、玄関が1つで部屋は個室というところもあり、予想以上に快適でした。
私たちが生活したのは、玄関が約3畳くらいのスペースで、内部がドーム状になっている10畳以上のけっこう大きい部屋です。 ベッドが2つあり、机も、ゆっくりできるチェアーも2つずつある、ファミリー用のものだと思います。 天窓や奥の壁に窓もあり、朝日が入るとキラキラ輝くクリスタルが天井にあります。 ただし、他のキャビンの中には水回りがあるところもあれば、冷蔵庫(電気)もあるところもあり、中には水洗便所やシャワー・風呂まで付いているところもあったそうです。 まあ、生活するのに不自由はなく、コモンドームとテンプルに近いという利点があったので、仕方ないですね。 |
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部屋の内部 |
こちらから見ると四角ですが、 |
ハリダスさんが、暑いだろうということで、大きな扇風機を、フウフウ言いながら、持ってきてくれました。が、朝夕は涼しいし、昼は部屋にいない。 結局あまり使いませんでした。 |
夜は、電気の光がないので、部屋にあるガス灯をつけます。コツをつかめば簡単につきます。うちの部屋には、ガス灯が2つありましたが、ほとんど1つで十分なくらいの明るさです。
外は街灯がないので、懐中電灯が必需品です。電池がすぐなくなりますから、予備を持っていくといいでしょう。
洗濯は、「水が貴重品なのであまりしないでください。しても、水洗い程度にしてください。」と事前に言われていました。
うちの部屋は、水が無かったので、コモンドームの横手にある左の写真のシャワー室まで行っていました。最初は、男・女と分かれているため、子供と別々に使いましたが、1人用だったため、2回目からは男性用で一緒に入りました。 そのシャワーのときに、洗濯もしました。 汗をかいていないのか、あまり汚れたようには感じなかったのですが、やはり丸1日着たものは洗いましょう。ゴシゴシ。 シャワー室で困ったのは、ガスランプが点けにくかったことと、温度調整が難しかったことです。 時間を知らせるのは、コモンドームのテラスに吊るされた空のガスボンベです。 |
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これを、トンカチのようなもので叩くんです。7つならすと食事の合図、5つだと何かの時間ですよ!ということです。広いセクリュージョン・リトルートに響きわたります。
いよいよ「トイレ」です。
結論から言うと、いわゆる「ポットン便所」なのに、全然臭くないんです。
敷地のあちらこちらに、穴を掘り、上に小屋を置いたようなのがあります。これがトイレです。
中には、洋式の便座があり、下が覗けるような状態です。 しかし臭いは無く、何時間でも(!)中で過ごせそうです。 トイレにはバケツが2つあり、事後は、トイレットペーパーであろうが生理用品であろうが下に落とし、バケツからすくったコップ1杯のオガクズと石灰を入れるのです。 これで完璧。 |
ところで臭いのないのには諸説あって(単に私たちが言っているだけですが)
1 ベジタリアンの食生活のため
2 乾燥した土壌の微生物の影響
と、いろいろです。あなたはどちらだと思いますか?答えのヒントには、「山でウンコをする方法」(キャサリン・メイヤー・著 日本テレビ発行)を読んでみると、いいかもしれません。
写真の右側のは、私たち親子の専用トイレ(場所的に、他の人が使わないところだったため)です。座ると目の前に、クリアナンダの幽霊似のお姿が・・・・電気はもちろんありませんので、夜は結構怖いものでした。ちなみに、左でキバッテイル彼は、「たくさん」です。私じゃありませんよ。
服装
行く前に一番気になったのは服装です。
しかし、行くとあまり気にしなくてもよかったみたいです。
昼間は半そでのTシャツと短パンツでじゅうぶんですし、足元は、山を歩いたりしなければサンダルでもいいです。遠出をしたり、ブッシュを歩くときはトレッキングシューズが便利です。
朝夕は涼しかったです。長袖があれば、上に羽織るようなことをしたほうがよかったです。メディテーションが、朝7:15からあるのですが、私は長袖で行っていました。
後の章で出てきますが、キャンプに行った時は、標高1500m近いところでしたので、夜はかなり冷え込みました。フリースの上着をその時は持っていきました。
何せ、汗をかきません。日本のように湿気でベトベトするということはありませんので、気温は高いんでしょうか、過ごしやすかったです。
水について
アナンダは水道がありません。井戸水を使います。
したがって、水が貴重品なんです。
乾燥した気候なので、普段でもこまめに水分を補給しなければなりません。私たちは、常に水筒を持ち歩きました。水は、コモンドームの一角にウォータージャグのようなものがあり、各自が飲んだり、水筒に入れたりしました。
ポカリスエットの粉末を使っていた人もいましたが、味がマイルドで癖がなく、そのままでもゴクゴク飲めます。
キャンプに行った時の山登りでは、1リットルの水筒を空けちゃいました。ペットボトルを持ってきていた人もいましたが、大きいめの水筒の方が安心でした。 水といえば、「水泳」です。 また、水といえば、誰かが持ってきていたニアウオーターというのが向こうでは珍しく、「桃の天然水」を、ハリダスさんや娘のエリザベスちゃんは珍しそうに一口飲んでいました。 |
買い物
お金を使うところがほとんどありません。
買い物のできるところに寄ったのは、クリスタル・ヘミテージの見学に行った時と、キャンプへの行きかえり、最後に右の写真のアナンダ村のスーパのようなところに行った時だけです。 もちろん、アナンダへの往復の途中で休憩した時も買えますが。 このうち、クリスタル・ヘミテージでは食料品は買えませんでした。 お土産は、Tシャツや本・CDなどは、アナンダのコモンドームで買えました。クレジットカードも、マスターとビザでしたらOKだったみたいです。シェアリングネイチャーのTシャツが1枚定価19ドルを特別価格9ドルでした。 |
メディテーション関係のビデオや音楽の入ったCDやカッセトテープ、子供向けの絵本もあり、ネイチャーゲーム関係者へのお土産は、ここで充分でした。
移動
移動は、左の車2台で行います。 3人乗りの座席が4列あり、運転者などを含めて最大15人乗れます。 一台をハリダスさん、もう一台をローマさんが運転して、長時間運転してくれました。 タダ1度、1台がエンストのような状態になり、以降は荒野の真中で止まってしまったらどうしようか?と内心ドキドキしていました。 |
メディテーション(Hong-Sau 瞑想)
メディテーション(瞑想)については写真がありません。自分自身が、しっかりとやっていたため、写真を撮る余裕がなかったのです。
毎朝(キャンプの朝以外)、6:45にガスボンベが5回なります。7:15にテンプルに集まります。
テンプルの中で輪になって、ハリダスさんの指導の元、体を動かすことからはじまり、徐々に呼吸や思考をコントロールしたり、無意識にしたり。
これは、体験した人でないとわかりません。また、続けていくと、短時間で実践できるようになると思います。 コーネルさんは、食事の前にメイディテーションをしていました。 また、必ずゲーム指導の前には心を落ち着かせるために行うみたいです。 これが、ネイチャーゲームの本質的な部分を理解するために、またアナンダというところを感じるために大変有意義な時間でした。 |
photo by Sai |
アナンダ村について
コーネルさんが言いました。
「Hattori−san(ハットリさん)がアナンダに来た時、彼はアメリカがはじめてだったので、アメリカというのはすべてアナンダみたいな所だとおもっていた。それが間違いだと気づいたのは、サンフランシスコに到着した時だった。」
確かに、アメリカという国の中で、アナンダ村というのは特殊なところです。
最初の説明でも、「部屋に鍵はありません。しかし、パスポートなんかの貴重品も、部屋に置いていてもいいですよ」ということでした。
降旗信一(コーネルさんは、「シン」と呼んでいた)・著の「自然案内人」(ほるぷ出版)に、アナンダ村について書かれているところがあります。
アナンダ村は、1967年に、ヨガをアメリカに普及したパラマハンサ・ヨガナンダの直弟子クリアナンダが開いた共同体(コミュニティ)だ。森と草原と湖に囲まれた広大な敷地の中に子どもからお年寄りまで、約300人の人々が暮らしている。(略)
この村の住人は、全員ベジタリアン(菜食主義者)で卵やチーズ以外は、肉や魚を口にしない。また、朝晩や食事の前には、必ずメディテーション(瞑想)をおこなう習慣をもっている。この村は、キリスト教的な西洋思想と仏教的な東洋思想やヒンズー教のエッセンスを融合させ、さらに先住民族であるアメリカインディアンの生活様式も取り入れた独自のライフスタイルを実践している共同体なのだ。
アメリカの西海岸には、こうした共同体がいくつかあるそうだが、このアナンダ村は、世界的にみても成功して長続きしている例のようだ。北部カルフォルニアを中心に村のメンバーの多くが共同体の運営する各事業に参加している。
村の中心部には、小学校、マーケット、幼稚園、農園、出版社、教育研修センター、建築会社などがあり、近くの町にはレストランや衣料品店もある。たとえば、「夜明けの出版局」という名の出版社は、コーネル氏をはじめとする共同体のメンバーの本やビデオの出版をおこなっており、会社の中は、まったく通常の出版社と同じである。
この村の人々に共通していえることは、誰もが心の中に静けさをもち、常に穏やかで、とても親切であるということだ。彼らの信仰については、僕は、まだ、ここで説明できるほど十分に理解していない。だが、こうした彼らの態度が日常のライフスタイルや信仰心に基づくものであることは間違いないだろう。
アナンダの人たちは、自立した共同体のメンバーです。自分で職業をもち、共同体を支えています。日本で共同体というと、共同体に支えてもらうというようなイメージがあり、ちょっと胡散臭いのが多いみたいですが、ごくごく普通の生活をしている彼らの共同体は今では、ロシアをはじめ、世界各地で設立されはじめています。 また、世界各地から人々がやってきていて、私たちがいるときも、南アフリカやドイツなどから滞在している人もいました。 右が、今回参加者に渡されたガイドブックです。 アナンダ村のホームページでは、メディテーションに関することだけでなく、教育に関することや料理に関することまで、いろいろ見ることができます。 |
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