バナー2020年3月22日号本文へジャンプ
砂田喜昭 2020年4月19日更新  
財政危機を口実に
子育て支援を削るな


 小矢部市は一般財源が4億円不足するとの触れ込みのもと、機械的に補助金の10%削減をしようとしています。このことが3月議会でも少なくない議員によって議論の俎上に上がりました。

砂田市議
補助金の是非
基準を憲法に


 砂田市議は「補助金の何を削るのか、何を削ってはならないのか、その基準に憲法を置くべきだ」と主張しました。

 憲法は納税の義務(第30条)を定め、その税金は憲法第25条で、国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障することに使われねばなりません。26条には等しく教育を受ける権利、義務教育の無償化を明記しています。

 子育てや医療、介護、そして教育に補助金を使うことは、税金本来の使い道です。補助金の「費用対効果」を検討する以前の問題です。

ハコモノ建設の「爆買い」が招いた危機

 市の財政危機は、公共施設統廃合を迫る国の方針に追随して、第6次総合計画にも載っていない2つの統合こども園建設など、ハコモノ建設を急いだために引き起こしたものです。

 砂田市議は、「市債発行額を借金の元金返済額の範囲内に抑えるという財政規律を無視したための財政危機である。自分の懐具合を考えずに爆買いをしたのと同じことだ。そのツケを市民サービスの切り下げに押しつけるのは本末転倒だ」と批判しました。

財政規律を守る三つの留意点

今後、財政規律を堅持する上で留意すべき3点を強調しました。

1) 市役所の耐震補強は必要だが、
 市財政の状況を見ながら時期の選定は慎重に。


2) 小中学校の統廃合は財政的にもやってはならない。

3) 石動駅北エリアの都市再開発事業
(『週刊明るい小矢部』2019年4月7日号参照)は、市財政の負担を招くだけで、市の活性化にはつながらない。

財源確保
子ども医療費に国・県から助成を


 【砂田市議】 
財源確保のためには、国、県への働きかけが極めて重要である。一例として子ども医療費への国、県の助成によって市財政にはどれだけの貢献になるか。国、県へ働きかけを強めることこそ力を入れるべきである。

 
【総務部長】 こども医療費の市負担は7330万円。本市は県にことも医療費助成制度の拡充を重点要望として求め続けている。本市が独自に県に働きかけ実現したものとして不妊治療、不育治療、重度障がい者医療費助成(10月から精神障がい者も対象)などがあり、この実績をふまえながら、国県へ働きかけを強めたい。

インフルエンザ予防接種助成
削減ではなく、拡充こそ必要

  
【砂田市議】 新年度から子どものインフルエンザ予防接種助成を1回2千円から1千円に削減する。この助成は17年度から実施し、接種率は17年度が58・91%、18年度が58・71%、19年度は約62%である。
 経済的理由から接種を受けられない子どもを残さないためにも、拡充こそ必要だ。

 
【民生部長】 この3年間で予防接種の意義について一定程度の理解につながった。また市単独補助金見直しの一環でもある。

 今後は、これまで10月から12月までだった予防接種期間の延長もする。

効果がここにも
小矢部市の学級閉鎖が少ない


 この冬、県内での小中学校の学級閉鎖施設(10月7日〜3月1日)150施設、小矢部市は4施設でした(下表参照)。この傾向は昨年の冬に引き続いてのことで、インフルエンザ予防接種助成の効果が現れているのではないでしょうか。

 この拡充こそ、子どもたちを苦しめず、保護者の負担も軽くし、市の医療費負担を軽減することにもつながります。

就学援助対象者 切り捨て
憲法と法の趣旨に反する


 就学援助対象者を、生活保護基準の1・5倍から、1・2倍に抑制し、これで市の負担を717万1千円削減します。

 憲法26条は「義務教育はこれを無償とする」、学校教育法は「就学困難と認められる」世帯に「市町村は必要な援助を与えなければならない」と義務づけています。小矢部市は入学前に就学援助金を支給する制度も、県内で先駆けて実施しました。

 砂田市議は、「格差社会の是正には、この対象者を広げる努力こそ求められる。市の財政上の都合で切り捨てることは、憲法と法の趣旨にも反し、許されない」「他市に比べた小矢部市の良さを、どんどん削ってどうするのか」ときびしく批判しました。

 トップへ戻る
砂田喜昭(Yoshiaki Sunata)のホームページへ戻る