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砂田喜昭 2020年2月1日更新  
境川ダムの未利用水問題とは
県下最大の多目的ダム

【編集部】境川ダムはどこにあり、どんなダムですか。

【砂田市議】南砺市上平地区と岐阜県白川村の間につくられた重力式コンクリートダムです。水源は庄川の上流に注いでいる境川で、堤高115メートル、総貯水量5990万トン(有効貯水量5610万トン)です。県内で最大の多目的ダムです(写真と下比較表)。総事業費は385億円です。


水道用水に使われてもいないのに
費用負担が発生


【編集部】ダムの目的は何ですか。また、その費用負担割合はどうなっていますか。

【砂田市議】河川、かんがい、水道用水、工業用水、発電(関西電力)、消流雪用水を目的につくられました。その費用割合は費用負担割合表の通りです。

 問題は水道用水に関して境川ダムで19万トンも増やしていることです。子撫川ダムからの水道用水6万トンでさえ使い切れず、余っているのに、境川ダムをつくったことが大問題でした。子撫川ダムをつくるときの小矢部市の水需要を日量2万5千トンと見込んでいましたが、現在実際には日量5297トンです。

 なお、境川ダムの19万トンの内7万5千トンは庄川下流にある和田川浄水場から射水市や高岡市に供給されています。残り11万5千トンは全然利用されていません。小矢部市へは一滴も境川ダムから水道用水が来ていません。にもかかわらず、市の負担は全体で1億533万円、負担割合2・5%です。

関西電力が発電にも利用
負担割合はわずか4%


【編集部】境川ダムで発電もしているのですね。

【砂田市議】関西電力の境川発電所がありますが、関西電力のダム建設費負担がわずか4%ですんでいることです(上の費用負担割合表参照)。

 関西電力は境川ダムから水を引いて境川発電所で最大出力2万4200キロワットの発電をしています。年間発電量は7300万キロワット時です。境川発電所は関西電力にとって魅力的な発電所らしく、庄川の支流にあたる加須良川から境川ダムまで全長1・2キロメートルの導水管を掘って水を増やし、境川発電所で年間2300万キロワット時の発電量を増加させます(導水管工事は2019年12月完成)。加須良川下流には既存の関西電力成出発電所、新成出発電所がありますが、このために水量が減少し既存発電所では600万キロワット時減りますが、差引1700万キロワット時増えるそうです。水路を変えることで発電所での落差が4倍になり、発電量が増えるのです(ダム配置図参照)。


時代の変化に対応して
用水の配分見直しを


【編集部】境川ダムの水道用水の未利用水日量11・5万トンについて、使ってもいないのに水道料金に上乗せして負担させられているのは納得できませんね。

【砂田市議】確かに不合理です。県や西部水道用水供給事業から水を受けている関係4市で協議して解決を図る必要があります。最近の豪雨災害の多発や、これからの人口減少社会という時代と社会の変化に対応して、ダムの洪水調節機能を拡充するなど、用水の配分を見直す新しい取り組みがどうしても必要です。12月議会でもこの問題を取り上げましたが、共産党としては国・県との交渉のなかでも取り上げていきます。


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