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砂田喜昭 2020年1月2日更新  
学校に長時間労働を助長する
変形労働時間制を導入するな
12月議会 砂田市議の質問

 教職員の時間外労働の実態については左表の通りです。なお教職員には、何十時間残業しても残業手当はまったく払われません。

砂田市議 今臨時国会で成立した教職員に変形労働時間制を認める法改定は、「繁忙期」の労働時間を1日10時間に延長する一方、「閑散期」の労鋤時間を短くして年平均で見かけ上、週40時間内に収めるというものだ。教員の多忙化の原因となっている業務を増やし続け、残業代不支給の給特法の仕組みはそのままに、長時間労働を助長する変形労働時間制を公立学校現場に導入してはならない。

教育長 法改正されたが具体的なことは、今後文部科学省から省令、通達などが示されると思う。今回の制度については課題があるとの論調も聞かれる。まずは制度の詳細についてしっかりと精査したい。
砂田市議 夏休みがヒマだというが、中学校は平均して60時間残業、小学校でも8時間の残業だ。決して「閑散期」などではない。

時間外労働45時間超の小矢部市
導入の前提がない


 もともと1年単位の変形労働制は「恒常的な時間外労働がない」ことが大前提だ(厚生労働省通知)。文科省は、このハードルを引き下げ「月45時間、年間360時間以内」という「時間外労働上限ガイドライン」の順守を導入の前提としている。しかし、残業が月45時間を超えている小矢部市ではとても実施できるものではない。

教員の同意なく実施できない
文科相が国会で答弁


 日本共産党の畑野君枝衆院議員が「教員の同意なく押し付けてはならない」と追及。萩生田文科相は「学校のみんなが嫌だというものを条例ができたからといって動かすことはできない」と答弁した(11月15日衆院文部科学委員会)。
 小矢部市の残業の実態をふまえ、こういう議論に照らせば、国の通達を待つのではなく、仮に県が条例を作っても小矢部市ではやらないと表明すべきだ。


小中学校統廃合は教育に望ましくない
複数学級でも、不登校やいじめが

砂田市議
 小中学校統廃合審議会答申が一学年に複数学級が望ましいとしている。「人間関係の固定化等が生じないよう、クラス替えができる規模」は教育的観点から根拠があるのか。複数学級のある学校で良好な人間関係が築かれ、いじめや不登校、落ちこぼれが生じていないのか。

教育長 いじめや不登校など解消の取り組みはどんな場合も必要であり、「そのために複数学級が望ましい」と答申には触れていない。複数学級と単数学級の実態は次の通り。


砂田市議 つまり「クラス替えができない」と教育に支障が出るのか、そのような根拠はないということだ。人間関係、不登校やいじめの解決には、少人数学級と教員増こそが必要だ。

 津沢小学校と蟹谷小学校が統合となると、30分のバス通学でも車酔いして、毎朝2時限も保健室で休まないと教室に戻れない子がいたという。統廃合によって、もっと長時間通学となれば、学校教育に支障が出る。

少人数学級の実現、教員の増こそ必要

砂田市議
 すべての小中学校の耐震化も完了し、普通教室にエアコンも完備し、県内でも快適な学校環境を整えてきた。いま過去最大の借金を抱える小矢部市にとって、学校統廃合に財源を割く余裕はない。 東部小学校を石動小学校に吸収したら、地方交付税が1校分約900万円余減らされ、維持管理にあてる財源は少なくなる。

 それよりもいち早く少人数学級を実現し、市独自に配置している多人数学級支援講師や図書館司書、スクールカウンセラーなど教職員の増員と常勤化に取り組むことこそ、小矢部市の子どもたちの教育環境を整える上でたいへん重要だ。

 
教育長 学校の統廃合とは関係なく、どの学校においても引き続きこのような支援をする。

 答申でも「1学級20人から30人が望ましい、多くても35人以下」とされている。本市ではこれまでも教育長会議などで「全学年35人学級」を要望し続けており、今後も強く要望していきたい。

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