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砂田喜昭 2020年1月2日更新  
過去最大の借金財政
小矢部市の財政は大丈夫か

 「小矢部市の財政は大丈夫なのか」。こんな声があちこちで聞かれます。
 そこで市の借金(市債残高)の状況を決算書をもとに15年間にわたってふり返ってみました(グラフと表参照)。


 市は2004年度に127億円あった借金を12年度まで少しずつ減らし120億円前後まで減少させました。新規借金を元金返済の範囲内に抑えるために、ハコモノ建設が特定の年度に集中しないよう分散する努力をしてきました。

 しかし、13年度に135億円になってから17年度まで140億円台で推移し、18年度には163億円、19年度には182億円と、過去最大の借金を抱えるまでになりました(ただしこの中には国が地方交付税に代わるものとして地方自治体に借金を押しつけた臨時財政対策債約60億円が含まれています。この借金返済に必要な元利分は後年度地方交付税で面倒を見るといいます)。

なぜ借金は増えたのか
13年度 石動小学校の改築


 2013年度になぜ借金が増えたのか。

 11年度から取りかかった石動小学校の改築事業で、そのピークが2013年度で11億円の新たな借金をしました。完成は2014年度です。

18年度から借金急増
統合こども園ほかハコモノ建設が集中


2018年度から借金が増えたのは、
(1)石動駅周辺整備事業では18年度に8・5億円を借金し、19年度には1・4億円の借金を予算化しました。

(2)二つの新しい統合こども園建設では18年度に8・5億円の借金をし、19年度には13億円の借金を予算化しました。7保育所を二つの統合こども園に統廃合するという計画は、もともと第6次総合計画に含まれてなかったものを、前倒しで実施したものです。

(3)図書館整備事業に18、19年度に5億円の借金を予定します(継続費調書、18年度予算)。

(4)(仮称)石動コミュニティプラザ整備事業では18年度に約1億円の借金をし、19年度には5・8億円の借金を予算化しました。

学校の統廃合 財政面からも無駄
少人数学級と教職員の増員・常勤化こそ求められる


 小中学校統廃合審議会が近々答申をする予定です。文部科学省など国の方針をうけて、児童生徒数の減少を口実に統廃合を迫るものとなりそうです。

 市の財政面から見ると、教育委員会が学校の統廃合に関する市民アンケートにつけた資料によれば、東部小学校を石動小学校に統合しても、国からの交付金が900万円以上削減され、市の財政にはほとんどプラスになりません。(裏面掲載の「表」参照 )

 学校統廃合すれば全国の経験から教員数は全体として減少します。国・県にとって人件費を削減できますが、保護者やPTAの願う教員増、ゆきとどいた教育にはつながりません。

 すべての小中学校の耐震化も完了し、普通教室にエアコンも完備し、県内でも快適な学校環境を整えてきた小矢部市にとって、学校統廃合に財源を割く余裕はありません。

それよりもいち早く少人数学級を実現し、市独自に配置している多人数学級支援講師や図書館司書、スクールカウンセラーなど教職員の増員と常勤化に取り組むことこそ重要です。

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