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砂田喜昭 2019年5月28日更新  
「小矢部市土地開発公社は多大な財政リスク」
国が財政健全化方針策定を求める

 国は小矢部市に対して「小矢部市土地開発公社が多大な財政リスクを有する法人」に該当するとして、財政健全化方針の策定を求めてきました。3月議会最終日に報告されました。

 土地開発公社は東部産業団地事業用地(三井アウトレットパークに貸し出している用地)の管理を行っています。公社は用地取得に要する資金を金融機関から借り入れていますが、小矢部市は金融機関に対して公社の債務保証をしています。2018年度末決算見込みで公社債残高が約25億円で、この債務保証が小矢部市の標準財政規模に対する比率で33.07%となっています。これが国の早期健全化基準の13.67%を超えているため、国から財政健全化方針の策定を求められたものです。

市の対策
公社の債権完済の目途がつくまで新規事業を控える


 市は財政健全化のために、借り換えのタイミングで利率見直しや繰り上げ償還を行い債務残高の縮減に取り組むとともに、16億円を超えるシンジケートローン(市内金融機関合同で借り入れている債権)の完済に一定の目途がつくまで新たな事業を控え、着実に債務残高を減らすとしています。

懸念材料
アウトレットが30年営業してくれるのか


 東部産業団地事業用地については、三井不動産から30年間、毎年貸付料として7800万円を受け入れ、用地取得費・関連公共事業費(調整池・市道・上下水道など)の分は小矢部市が負担して、毎年約1億2千万円余を金融機関に返済しています。懸念材料として三井アウトレットパークが30年間営業を続けてくれるかということです。三井不動産との基本合意では、中途解約について、次の条項があります。@開業日から10年経過するまでは解約できない。A開業日から10年経過後は、月額賃料の12ケ月相当額の違約金を支払うことで、本契約を解約することができる。B前号にかかわらず、開業日の20年経過日をもって違約金無しで解約することができる。

三井不動産の社会的責任は極めて重要

 この問題に関しては、三井不動産の社会的責任が極めて重要です。桜井市長は2013年8月臨時会で「進出企業は市場調査、あるいは事業採算性について十二分に検討された上で多額の投資を計画されたので、30年間の契約期間に中途で解約されるリスクは極めて低い。三井不動産株式会社は国内最大手の不動産会社であり、これまで契約途中で撤退した商業施設はない」と答弁していました。市長をここまで信頼させた日本の大企業の社会的責任は決して免れません。

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